映画「ショコラ」をレンタルDVDで観ました。
喫茶店を開いていた知人が以前私に「ショコラ」を観るように薦めてくれたのが、今になってしまいました。
「たくさんの種類のチョコレートを作って、彼女のチョコを食べた人が元気になって行く映画だよ。だからあなたも観るといいよ」と、私の背中を強く押してくれたその言葉がとても印象に残っていました。
因習の色濃く残るフランスの小さな村に、風の吹く中赤いマントを着た母と女の子が流れ着き、荒れ果てた家を借り、修理し、ディスプレイしてそこでチョコレートの店を開くことから物語が始まりました。
信仰に忠誠を誓うことで村人を統治しようとした暴君レノ伯爵と、古い村の因習に従うことなく美味しいチョコレートを作ろうと店を開いた不思議な女性ヴィアンヌ。異質な考えを持ったヴィアンヌを村人たちはこぞって無視したり敵視したり。
そんな中でも、ヴィアンヌはお客を一目見ただけでその人に必要なぴったりのチョコを言い当て、にっこりと笑ってそれを振舞います。まるでチョコレートが魔力を持っているように。そしてそのときのヴィアンヌの眼力にも感服。
チョコレートのおいしさに魅了された村人たちは、徐々にに心を開き、それまで秘めていた情熱を目覚めさせ自分の今まで封印されてきた意思に気付いていきます。
チョコレート作りに大切なスパイスの入った伝来の壷をヴィアンヌが大切にしていたシーンがありました。チョコレートの中に第六感をバージョンアップしたような“ヴィアンヌ風第八感”のスパイスがヴィアンヌの手によって盛り込まれていたのでしょうか。
レノ伯爵と女主人ヴィアンヌは村人たちにとってまるで“北風”と“太陽”のような感じでした。
映画の終わり頃に「排除する厳しさより受け容れる寛容さ」という言葉が新任牧師によって語られます。
ヴィアンヌはただ強いだけの女性ではなく、その笑顔は優しくチャーミングです。
たくさんの困難な中で時には落ち込んだりくじけそうになったりとそんな弱さを強さの裏側に見せるときもあり、誠実で純粋でだからこそ大人の女性として魅力的なのだと思いました。
今日は雨が降って、秋が深まって行く感じの一日でした。