無知の涙

おじさんの独り言

罪と罰 DVD

2010年12月14日 | テレビや映画

先日、本屋でお宝発見。

罪と罰のDVD。



これ探してたんですよ。


かなり昔に新宿高島屋に隣接してる
紀伊國屋のビデオコーナーで発見したが、
あまり手持ちが無かったことから買い渋ってしまい、
次に買いに来たら売り切れてしまっていた。


取り寄せるほど欲しいワケではなかったので、
紀伊國屋に来たらついでに探す程度でしたが、
まさか普通の本屋で再会できるとは。

あの時はビデオでしたが、
今やDVD。

しかも500円。
ビデオの時は、けっこう高かったような。


パッケージの男が、ほぼ間違いなく
ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ
なのだろうが、イメージ違う・・・


さて、肝心の中身。
(もうしばらく読んでないので、
登場人物の名前が間違ってるかもしれません。)


やっぱラスコーリニコフのイメージが違う。
腹でてるやん。
なんか違う。


さしてラスコーリニコフの思想に触れぬまま、
この物語の核とも言える、
金貸し老婆をラスコーリニコフが殺害するシーン。


金貸しの老婆を殺害して終わり。

えぇっ・・

原作では老婆の妹リザヴェータも殺してしまうのだが。
そうしないとラスコーリニコフの苦悩が表現できないだろ。

ソーニャ登場。
ソーニャはイメージ通り。美しい。
だが、最後まで母が出て来ないし、
娼婦という設定も出てこない。
なのでソーニャの抱える苦悩が表現されず、
単なる軽薄さ故に信仰深いお人よしの女性に見える。

そして宿敵、ポルフィーリィ登場。
完全にオッサン・・・。

スヴィドリガイロフも単なる腹黒オヤジ。
薄い。

たいして苦悩するでもなく、
その明晰な頭脳を披露するわけでもなく、
勝手に追い込まれて、最後はソーニャ同伴で自主。

ポルフィーリ「この時を待っていた」

END

え・・なにそれ。


やはりあれだけの大作を82分で収めよう
とするのが、そもそも無理な話なのだろう。

そもそもこの監督は何を訴えたかったのか。

サスペンスとして描きたかったのか。
ロジオンの思想を伝えたかったのか。
家族愛を伝えたかったのか。
ソーニャの献身的な愛を伝えたかったのか。

大体この4つの要素が絡み合って、
罪と罰という物語は構成されていると僕は思う。

この映像作品は残念ながら、
その4つを中途半端に盛り込んだ為、
全てが中途半端な仕上がり。

他のは完全に端折っていいから、
どれか1つにポイントを絞った方が、
罪と罰という作品を再現できたのではないかと思う。