クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

桜ふる小説・10(『道成寺』感想)

2022-04-07 | 乗り物

「桜は、無常を表象する花だ

という 

いけん(意見)のある一方、

 桜の花を、狂った情念に重ねる見方も、

根強いです。

 その代表格が、『道成寺(どうじょうじ)』。

カブキ(歌舞伎)やお能で 伝えられてきた、

おっかなくも

人気のある・お話です

(←まちがえやすいですが、

道明寺=どうみょうじではありません。)

 

『道成寺』復習~

 主人公・清姫(きよひめ)は
たまたま・出会った

若いお坊さん・安珍(あんちん)

に 一目ぼれ

モウレツに 言いよります 

が、

修行の身である 安珍は、

「また来るから」と 口約束して、逃げてしまいました。

 

「なんで逃げるのよ

怒り狂った・清姫は

鬼気迫るいきおいで 安珍を追っかけ

とうとう、蛇に変身!!



 安珍は、命からがら 道成寺の釣りがね(鐘)の中に

身をかくすけど、

清姫に、かね(鐘)ごと・焼き殺されてしまう

 

という・・

わりと、理不尽なストーリーです。

 
和歌山県に伝わるこの「安珍清姫伝説」

は、

うちのチットの、幼少期からの お気に入り

 先日も、通販で「安珍清姫モチーフのアクセサリー」

を 見つけ

買いそうに なっていました(止めたけど🐻)

 

この話は なぜに、

そうやって

人々を

何百年も ひきつけてきたのでしょうか

 

ちょっと、考えました。

 清姫は13~16さいと 設定されているらしく、

とても若いです。

 若い女の子の一途な恋心は、

自分の気もちが だれかを困らせてしまうことがある、

なんて 気づきもしない

ましてや、

好きな相手から 拒否されたら、

たいへんな ショックを 受けるだけ・・

 そんな、「烈しい・純情」は、

だれもが、けいけん(経験)により 

知るところです。

 

一方で

たいした・うらぎりを 犯したわけでもない

安珍を、

しゅうねん(執念)深く 追いまわし

死に至らしめる・おそろしさは、

「女の性(サガ)って怖いよねいう・・

人々の 共通にんしき(認識)の ツボをも 

突いて、

この物語への 関心を

途切れさせることは ありませんでした。

 

 

今のかんかく(感覚)で言えば、

「ストーカー女の怖い話」

片づけられてしまいましょうが・・

 そういう・かんかく(感覚)が

いかに うすっぺらいか

 

そこに 気づかせてくれる、深い・お話なのでした。

 

 

【おすすめ度:

 

(※清姫は未亡人だったとの説もありますが・・、大人女性が若い男性にせまってフラれたら、「自分の商品価値はない」とつきつけられたとかんじ、しゅう恥心や何やらで、やっぱり深くきずつくことでしょう

それが、ぼんのう(煩悩)というもの。。(だそうです🐻)

 

なんだかな~

 

次回は、なかにし礼の『桜伝説』を お届けします これまた情念に満ち満ちた、の小説です

なんだかな~・・は、つづきます

 

 


コメント (18)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 桜ふる小説・9(世阿弥『西... | トップ | 桜ふる小説・11(なかにし... »
最新の画像もっと見る

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
道成寺と桜 (遅生)
2022-04-07 09:17:45
能『道成寺』の最大の見せ場は、鐘入りです。ドラマチックで誰の目も引きます。が、実はそこへ至るプロセスが見所聞き所です。女(白拍子)と小鼓との息の詰まるような掛け合い。乱拍子。この世のものとは思えないような鼓方の掛け声に誘われ、女がわずかに動く、そして、なが~~い沈黙。この繰り返しが続きます。あまりにも間が大きく、見ていて心臓が苦しくなる人もいます。
でも、女は最初に謡っています。
「花の外には松ばかり 花の外には松ばかり暮れ染めて鐘や響くらん」
満開の桜がはらはらと散っているのですね。
たとえ、女のはかなさを象徴していたとしても、道成寺の異様な舞いは桜吹雪の中でこそ凄さをますのではないでしょうか。
もちろん、能舞台には桜の花などありませんから、私たちの心の中で花を散らさねばなりません(^.^)
返信する
Unknown (ビオラ)
2022-04-07 09:45:45
お早うございます〜。

安珍清姫って・・・、平安時代から、伝わるような、古いお話し(伝説)のようですね〜💖
(先ほど、ネットでちょい調べました)

身の毛もよだつ(←久々使う表現です・・・苦笑)ような内容のご紹介〜、新鮮な気分で、拝見致しました〜✨

子供の頃、こー言ったお話に、よく惹き込まれていたような・・・😊

私は、桜は、色んな表情がある・・・と思うんですが、その中に、「狂った情念」のイメージはありませんが・・・、
美しきもの(この場合は、愛する気持ち・情)って・・・、紙一重かもしれません・・・。

純粋に愛する気持ちが芽生えても、それが叶わなかった時には、逆の感情に、そのエネルギーが変換されてしまう・・・、
恐ろしいお話しですね・・・。

先ほど、ネットで、道成寺も拝見しましたが、
桜とお堂が、何とも、美しい風景でした〜🌸

クリン様ならではの、素敵な記事〜、
桜のまた違う一面を、知ったような・・・、
楽しめました〜♪

ティーガーデン
返信する
Unknown (gabaosan)
2022-04-07 12:20:19
クリンさん、こんにちは。

道成寺の名前だけは知っていましたが、こんなストーリーだったのですね~。あなおそろしや。。。

確かに現代では単なるヤバいストーカーで片付けられてしまいそうですが、そうじゃないんだよ、というのが面白いです。。。

能も歌舞伎も縁がありませんが、一度観たくなりました。。。
有り難う御座います!
返信する
Unknown (cforever1)
2022-04-07 14:07:40
遅生さまへ🌸💮

ちせいさまぁ~🌸💮🐻🌸💮
なるほど‼️お能の道成寺は、カブキやおどりとちがって、かなりげんしゅく(厳粛)に行われるのですね💎
カブキとかでは釣りがねの中に安珍を「仕留めた✌️」ってかんじが出ていて、清姫はどや顔だし、とうてい、かわいそうとか、あわれな女には見えないのですが、、
お能の道成寺では清姫の想いの重さはげしさ苦しさが乱拍子?で表されるのですね🌀🌀🌀

桜の花は、各自心の中に散らさなければならなかったのですか、、💮
お能を見るのになれていない人には、桜ハラハラや桜ゴウゴウ🌸🌸🌀を、あの松の絵を見てイメージするのはけっこうハードル高めではないかと、若干しんぱいがきざします・・☁️とくに、お子さま方にはむずかしいかもしれませんね・・🌸💮
うちのチット、カブキには子どものころにすぐハマったんです❗多分「舞台美術」がキレイだったからだと思います🌈✨

「能舞台」にいつから松が描かれるようになったのかは存じませんが、たまには内容に合わせた「桜バージョン」とか「楓バージョン」とか「流水バージョン」とか、「雪バージョン」とか、せめて四季パターンくらいはあっても良いんじゃないかなあ、、

なんて思ってしまう、一般人代表・クリンより🐻(チットが「能舞台に竹?だかの絵が描かれていたのを見た記憶がある」って言っていました~)
返信する
Unknown (cforever1)
2022-04-07 14:29:41
ビオラさまへ🌸💮

ビオラさまぁ~💮🌸🐻💮🌸
色々見ていただき🍀ありがとうございます🍀🍀🍀🍀✨✨✨
そうなんでよね💡言い伝え自体はかなり古いみたいで、、よくまあ千年伝わってきたなと思います🌈✨
それだけ、この話をきいた人々が、清姫の一途さとか、コントロールのきかなさとか、男性の口約束というものがわからないうぶさとかに、色々グサグサきたからではないかな~と、考えます💡💡💡

クリンたちもビオラさまといっしょで💖桜を見てあまり妖しいとかかんじる方ではありませんが、今回のせた夜桜の写真を見ていたら、(近所の桜だけどなんか怖いな・・)と、昼間には見えない妖しさが見えてしまいました~🌀💮🌸

でも⤴️八重桜を見た日には「桜餅」のことしか思い浮かばない、クリンより🐻🌸
(昔は道成寺と道明寺を本気でまちがえていました、、ビオラさまは関西おくわしいからそんなことないでしょうが、、)
返信する
Unknown (cforever1)
2022-04-07 14:39:46
@gabaosan ガバオさんさまへ🌸💮

ガバオさんさまの「活動エリア」でしたら、「歌舞伎座」も「国立劇場」「新橋演舞場」どれもけっこうお近くだと思います💮🌸🐻💮🌸コロナになってから空いてますので、おひまでしたら一度ぜひごらんになってくださいませ🎵(かくいうクリンもめったに見に行きませんが・・)

道成寺は、カブキ、お能、それぞれでストーリーがビミョーにちがっているみたいです。
「安珍と清姫はに将来をちかいあったけど、
安珍が(やっぱまだ修行の身だし)と逃げごしになり、清姫が裏切られたと感じて怒り炸裂💢💢💨」とかいうパターンもあるんです💡それなら清姫はそんなにわるくないですよね・・

ただの行きずり一目惚れアタックだったとしても、清姫はとっても若い女の子だから、、まあしゃあねえな❗って思います🍀

クリンより🐻
返信する
Unknown (ユミ)
2022-04-07 15:52:24
娘道成寺というので、知っていたみたいです。
記憶が定かでなかったので、検索してみたら
出てきました。
で、顔が女性で体が蛇で、鐘に巻き付いている絵が
出ていました。おどろおどろしい感じでした。
返信する
Unknown (chorus-kazeアッコ)
2022-04-07 18:32:05
こんばんは~
私の地元は和歌山に近く
この小説をきちんと読んではいないけど
有名なお話なので大まかには筋を知っております。
私や母の思い込みか
またそういう土地柄という言い伝えか
昔から和歌山の女性は情念が深いと言われ
このお話もそういう土地の女性だからと
勝手な風に、母も私も思っていました。
和歌山の方が聞いたら反論されるかもですが(笑)
因みに私のピアノの恩師は、東京出身ですが
子供の頃に和歌山に転居で長年在住でした。
怖~いレッスンでしたが
とても情の深い方だったと今は思います。
返信する
Unknown (nerotch9055)
2022-04-07 18:42:58
こんばんは、クリンさん!
手に入らないなら、いっそ殺してしまえ!というのは、スゴい発想ではありますが、
そこまでの一途な想いは、人を変えてしまうのかもしれませんね。
(。・_・。)ノ
返信する
Unknown (りぃ)
2022-04-07 20:32:27
安珍清姫って子供の頃から聞き覚えがあるはずなんだけど、こんなストーリーと
知っていたのだろうか・・・💦

ストーカーと言えば、太田スセリって人の「ストーカーと呼ばないで」って歌
ご存じですか?
ワタシ、カラオケでよく歌ってたんですけど、ストーカー被害が多く出始めた頃で
ほとんど放送禁止になっちゃったみたいで誰もわかってくれないんです(T_T)
返信する

コメントを投稿