クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

桜ふる小説・9(世阿弥『西行桜』解釈)

2022-04-05 | 本と雑誌

長く生きた・木には、

「樹木として以上の何か」が 

宿っている気が するものですが・・

 お能の『西行桜(さいぎょうざくら)』

って・演目にも

そんな、老木のせい(精)が あらわれます。

 

 

~「西行桜」(世阿弥)~

 平安末期の僧・西行は、

今年も「ひとりしずかに花を愛でたい」

と 

考えていました。

なのに

自分のところの桜が美しいため、遠方から花見客が来てしまって、

うんざり。

「せっかく山のほうに住んでいるのに、結局は人が来ちゃうのかよ。桜のせいだ

と 
ため息を ついていました。

 そんな・西行の夢に、桜の精があらわれて・・ 

 

「桜に何の罪があるのですか? 

浮き世に住むのも、山にこもるのも、人の心が勝手にしていることでしょ

しごく・もっともな 申し開きをされてしまい、

西行は、

ぐうの音も 出ないのでした。

 

(※踊っておしまい)


「 願はくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ 」  

と 詠んで、

春に死んだ、西行。

 後世の風流人が、みんな、(その気持ちわかる~

と 

共めい(鳴)しながらも・・

 

「先越された感」や、

「それ言っちゃう?感」から、

内心・しっと(嫉妬)を おぼえたであろう

ストレートな 名歌です。



(・・自分だって、そういう最期には憧れるけど、

そこまで口にするのは、遠慮して出来ないものを。

西行、あつかましい

桜は、、みんなの心で、シェアするもの

桜は・・

あんただけのものじゃないんだからね!!


 という・・軽い反発から
世阿弥がこのストーリーを考えてたら、

ちょっとおもしろいな~

って 思いましたにんまり🐻)

 

 

 

【おすすめ度: ※お能を観て味わう作品ですね

ちなみに 世阿弥はとっても西行をリスペクトしているんですよクリンはうがちましたが・・🐻

 

 

(次回は、安珍清姫伝説、「道成寺」を とりあげます

 

 


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13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ユミ)
2022-04-05 16:15:38
踊っておしまい
というところが、おもしろかったです~。
うーん、おもしろい。
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Unknown (ikuchan)
2022-04-05 19:18:56
クリンちゃん、桜を見る瞳が綺麗に光ってとても素敵です😍いつも楽しくお勉強させてくれてありがとうございます(o^^o)
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Unknown (angeloslennons)
2022-04-05 21:19:53
クリンさん、こんばんは。
「西行桜」のご紹介楽しかったです。
私が最近取り寄せた「日本歌人選」
によると、西行の
「花見にと群れつつ人の来るのみぞ
あたら桜の咎にはありける」
という歌が「西行桜」の原案だそうです。
西行は、「風流出家」なので、悟り度数が
足りないと感じるのは、私だけかな。
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Unknown (cforever1)
2022-04-05 21:48:59
ユミさんへ💮🌸

ユミさあん~💮🌸🐻💮🌸
お能では、わりと地味めの出で立ちの「老桜の精」っていうのが出てくるの。
おじいちゃん👴のお面をつけてるんだけど、す~っと出て来て、なかなかこの世のものじゃないかんじだよ❗

クリンより🍀
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Unknown (cforever1)
2022-04-05 21:57:02
@ikuchan ikuchanさまへ🌸💮

こちらこそ、桜のお出かけ写真💮🌸たくさん見せていただき🍀ありがとうございます🍀🍀🍀 
クリンたち「新宿御苑」が好きでして✨✨✨
夏の人がいない時にたまに行くのですが、桜のきせつはさいこうにお花見が楽しめますよね🎵🌸🌸

桜小説📖🌸何気なく読み始めましたが、水上勉小説で「櫟」と書いて「くぬぎ」と読む、など、知ってうれしいことがいくつかありました~🎶✨

クリンより🐻🌸💮
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Unknown (m-fluteangel16)
2022-04-05 22:32:31
西行桜!これだったのですね🌸
確かにこの歌はカッコ良すぎますね。
世阿弥の嫉妬…そうかもしれませんね。
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Unknown (cforever1)
2022-04-05 22:33:27
@angeloslennons 超人さまへ🌸💮

超人さまぁ~✨✨🐻✨✨
そうそう‼️それです‼️風流出家🌸💮✨

出家の身でありながら桜にとらわれすぎていたり、「閑居」をさまたげられて桜の文句を言ったり、、さまざまな点で西行は悟りにはとおかったんじゃないかなって思います👉
お坊さんっていうより、やっぱり歌人なんですよね🎶

世阿弥も、「出家してもまだそんな歌(=願はくば花の下にて・・)を詠んでいるのか」って、西行の風流出家🌸に軽いディスりを加えたのではないでしょうか💡

世阿弥が何さいでこの『西行桜』を書いたのかは存じませんが、いい年の西行を老桜のせい(精)にさとさせる、というのはなかなかのてんかい(展開)ですよね⚠️

でも、命がけで花を咲かせている老桜のせい(精)の言葉の重みを正かくにりかいして、すなおに受け入れる西行が好きです💮✨

クリンより🐻(「コレクション日本歌人選・西行」のご紹介、楽しみにしてますね✨🎵)
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Unknown (cforever1)
2022-04-05 22:51:18
@m-fluteangel16 m- fluteangel さまへ🌸💮

そうなんです~✨✨🐻🌸💮✨✨✨
西行に対して失礼なことを言ってしまいましたが、、まあ「個人的解釈」だからいいですよね👌✨

西行の歌があまりに良い歌すぎて、当時のきぞく(藤原氏とか)はあっけにとられつつ、(ぐぬぬ。。くそ、勝てない。。もとはといえば北面の武士の分際で、、)とか、くやしまぎれにかげ口叩いていそうですよね💡🎶

クリンより🍀✨
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はな、花、華の下にて (はな)
2022-04-06 00:05:07
クリンさま さくらの季節にピッタリの楽しいページ、コメントのそうそうたる自由な筆力もまた、いいですね~。 ありがとうございます。
 わたし事、うちのしがない父(俗名 花雄 はなお)は、享年98でしたが、4月5日、車で行く道は水仙ヒヤシンスら満開の花の道、焼き場の庭にはさくらの木、はなびらがはらりはらりと風もないのに散ってくれて、別れの悲しみいやされましたー。  
(きょねんも書いた?!)
亡き人や人間西行法師に思い寄せる、春はたけなわですね。
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Unknown (cforever1)
2022-04-06 11:20:13
はなさまへ🌸💮

すいません💦お返事がおそくなりまして🐻⤵️
ボニージャックス🎶きいてみましたよ🎵✨✨
いしき(意識)してきいたことはないのですが、ぜったいこの人たちの歌きいたことがある‼️と、声にききおぼえがありました~🎶🎶🎶(←童謡?か唱歌?でです。)

重唱っていいですね🌸💮心が安らぎました✨
宇野千代関連の桜も出てきていましたね🌸💮


はなさまのお父さま、花に囲まれての旅立ちだったんですね🌸💮🌸
そういう時に見た花の美しさは、はなさまもずっとおぼえていらっしゃるでしょうね🌼💮🌸✨

西行も、、
桜をあいしながら🌸、梅や水仙や桃、オオイヌノフグリなどもふと見て、(こっちもいいな)と心ゆれるしゅんかんも、あったでしょうね👀🎶

クリンより🌈✨
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