長い間、想い合った、ふくと文四郎(『蝉しぐれ』の恋人たち)
と
同じような シチュエーションに
おかれながら
プラトニックラブを つらぬき
「主人公らが清廉すぎる」と、林真理子先生に 評された⤵️
という
直木しょう(賞)作
はむろりん(葉室麟)、『蜩ノ記』です!
↑
「ひぐらしの記」って読みます
シシシシシ・・・・
時は、江戸後期
舞台は、大分の小藩
主人公は、藩内の抗争でライバルにハメられた お侍です。
このお侍、
とても有能で 人柄も良く、
民からもしたわれた、武士のかがみたる人物
でしたが
主君の側室との不義密通を うたがわれ、幽閉されました。
「家譜の編纂が終わったら、切腹して死ね」
と 命じられ、
主君の家の歴史しらべに
本当は、不義密通なんてしていないのに、
うたがわれた相手の「側室」のことを 昔好きで、
自分の心を
ちらりと明か
責めをかんじ、
あえて 弁明しないで、
処罰を 受け入れていたのでした。。
(マジメな主人公なのです)
幼なじみの側室との秘めた想い合い、
藩内の陰謀と、
それに巻き込まれる不遇の傑物、
そして無念は晴らされる⤴️
だけど切ないおわりかた⤵️
というのが・・
『蝉しぐれ』(藤沢周平)と 丸かぶりといえば
そうだし、
主人公の侍が郡奉行をつとめている
のも、
『風の果て』(これまた藤沢作品)を 思い出したりもする
(・・作者は、藤沢周平へのオマージュのつもりで書いたのかな?)
と
いっしゅん、気にはなるものの・・
そこはまあ、どうでもいいんじゃない?
って くらい、
ステキな 言葉の数々が ちりばめられてて、
いつもの、はむろぶし(葉室節)が 鳴りひびいています
(カナカナカナ・・)
名言1:「この世に生を受けるひとは数え切れぬほどおりますが、
すべてのひ
縁で結ばれる
(はっ)←気づき
名言2:「ひとは哀しいものです。たとえ想いが果たされずとも、生きてまい
されど、自らの想いを偽ってはならぬと思うて
そのこと、お許しください。」
(はっ)←共感
名言3:「心がけの良き者はより良き道を、悪しき者はより悪しき道をたどる」
(はっ)←戒め
いちばんの名ゼリフは・・
お侍が「不義密通」の ぬれ衣を着せられる
幼なじみの側室との
会話の部分なのですが、
「人に教えずに、心の中に しまっ
と
しん(親)友チットが 言っているので、
気になる方は 読んで
ちなみに 歴女でもある・うちのチットは、
かふ(家譜)をまとめあげるお侍の、
「起こった事実をでき
というスタンスに、
「まったく、その通り」
と
さんどう(賛同)していました。
【おすすめ度:わりとマジで】
(「蝉の鳴く小説特集」 次回は、横田順彌の『蝉時雨』を ご紹介します あまり知られていない作家さんでしょうが、なかなか・おもしろいんです
探偵モノですよ)