「似たり寄ったりじゃない、独特の文体が読みたい」
と
言い出した
しん(親)友・チットが、
本だな(棚)から
探りあてたのは・・
むらかみはるき(村上春樹)
の
ホタル小説です。(タイトルはズバリ『蛍』)
(ちなみに、ハルキの名作である
『納屋を焼く』と 同じ文庫に所収されているから、
たんぺん(短編)『蛍』の
主人公は
男子大学生。
彼は
高校の時に
仲が良かった友だちに 自殺され、
もやもやしていたところ・・
自分以上に もやもやしていた友だちの恋人
と、
もやもやを 抱えたまま
よりそってしまい、
けっきょく(結局)・・
「消化不良の悲しみ」を、
あまり・光らない、弱々しいホタルに
のせて
こくう(虚空)に 飛ばしてみた、、
という・・
これが あらすじの 全部です。。 わずか・40ページくらい
の
短い作品ながら、
・こんきょ(根拠)のたしかな 苦しみ
・本人には 不確かな、やるせなさ
・スノッブな こどく(孤独)
・甘く「責任感」のうすい恋
など・・
「ハルキな要素」が ふんだんに さんけん(散見)される
と
ともに、
「今ほど技巧はないけど、ハルキの魅力がつまった・30年以上前の文体」
が
見られ、
<村上春樹が、なぜ支持されたか>
を
はっきりと、伝えてくれます
「
英文の翻訳みたいな、オシャレな文体の中
にあるとさ、、
『トランジスタラジオ』や
『クリスマスプレゼントの手編みの手袋』
っていう固有名詞が、
やけに 目新しく光るの
多分、
早稲田の寮の周りの風景を書いているんだけど、、
あの辺、
とくに
目白
作品の新鮮さを そこねなくて いいね」
と
世間のひょうか(評価)以上に
チットは
この小説を 気にいっている・もようです
<おすすめ度:けっこう>
(次回は、大沢在昌の『雪蛍』を レビューします)