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クリンの広場

たまっこくりんのおもいのたけ

蛍が出てくる小説・1『蛍の航跡』(帚木蓬生)

2020-08-19 | 本と雑誌

 ホタルって、死のイメージが あるよね。」

 

という

しん(親)友・チットが、

ちょうど

「終戦記念日」ころから、

 

‟戦死した人の魂を、ホタルに 仮託した小説″

を 

よみはじめました。

 

 その中でも、名ちょ(著)と

いえるのが、

『蛍の航跡』(ほたるのこうせき)

です。

 

 

この本は、

太平洋戦争に じゅうぐん(従軍)した

軍医たちの「体験記風・物語」

で、

すごい・リアリティーだそうです

 

 「いや~、もうね~。。第1話からして

読ませるんだわ

 

戦地では、兵隊たちも 病んじゃうでしょ

 

兵団長の 精神鑑定のために

ビルマに行かされる精神科医の診察に 並行させてね、

当時の陸軍の

細かい作戦やら、

その成否やらが 上手く絡めてあるわけよ


勉強になるわ・・。

 

その前に、読み物として面白いけど・・」

 

チットは ほめています

 

 作者の、ははきぎほうせい

(かんじ:帚木 蓬生)さん

は、

「精神科医」で、

これまでに何冊か、「心の病もの」を 書いています。

 

 


映画にもなった

『閉鎖病棟』は、

かんじゃ(精神病患者)さんの あいだでおきた事件を

書いているのに、

 

読んだ人に

必ず・りかい(理解)の涙を ながさせる

心にひびく・けっさく(傑作)

で、

 

 「そもそもは 仏文学部出身という、

作者の 

土台の けんご(堅固)さ

かんじさせてくれます。

 

 そんな・ははきぎさんが、


「軍医たちへのレクイエム

として

丹念に 

取材して 書いた本書は、

 

 (・・病気ってだけで苦しいのに、さらに

狂気の戦場が 舞台なの


読者を うんざりさせてしまう

重苦しさに みちているかと 

思いきや


かえって、

リアルを 追及した・話運び

により、

重さよりも きょうみ(興味)が 先行する形で

どんどん リードしてくれるし


 太平洋のジャングルという「極限の地」

主人公たちに

汗を 流させているためか

苦×苦

の 相乗効果で、

 

かえって 苦しさは、相殺されるかんじ・・

 

 

「これは決して、心の悲惨マヒ現象 ではない。」

 

と 

いうことですので・・

 

ステレオタイプでない「太平洋戦争もの

を 

お探しの 読書人さまへ

この小説を オススメ いたします。

 

 

おすすめ度:いっぱい>

 

 (すみません「蛍が出てくる小説特集」

戦争もの、といったら、

名作『火垂るの墓』に 

決まっているのですが、

こちらは

でんどう(殿堂)入りとさせて いただきますので、

今回は 入れません あしからず・・

 

 

 

<次回は、石井光太『蛍の森』を レビューします

 

コメント (10)
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