「 ホタルって、死のイメージが あるよね。」
という
しん(親)友・チットが、
ちょうど
「終戦記念日」ころから、
‟戦死した人の魂を、ホタルに 仮託した小説″
を
よみはじめました。
その中でも、名ちょ(著)と
いえるのが、
『蛍の航跡』(ほたるのこうせき)
です。
この本は、
太平洋戦争に じゅうぐん(従軍)した
軍医たちの「体験記風・物語」
で、
すごい・リアリティーだそうです
「
いや~、もうね~。。第1話からして
読ませるんだわ
戦地では、兵隊たちも 病んじゃうでしょ?
兵団長の 精神鑑定のために
ビルマに行かされる精神科医の診察に 並行させてね、
当時の陸軍の
細かい作戦やら、
その成否やらが 上手く絡めてあるわけよ
勉強になるわ・・。
その前に、読み物として面白いけど・・」
と
チットは ほめています
作者の、ははきぎほうせい
(かんじ:帚木 蓬生)さん
は、
「精神科医」で、
これまでに何冊か、「心の病もの」を 書いています。
映画にもなった
『閉鎖病棟』は、
かんじゃ(精神病患者)さんの あいだでおきた事件を
書いているのに、
読んだ人に
必ず・りかい(理解)の涙を ながさせる
心にひびく・けっさく(傑作)
で、
「そもそもは 仏文学部出身
」という、
作者の
土台の けんご(堅固)さを
かんじさせてくれます。
そんな・ははきぎさんが、
「軍医たちへのレクイエム」
として
丹念に
取材して 書いた本書は、
(・・病気ってだけで苦しいのに、さらに
狂気の戦場が 舞台なの)
と
読者を うんざりさせてしまう
重苦しさに みちているかと
思いきや
かえって、
リアルを 追及した・話運び
により、
重さよりも きょうみ(興味)が 先行する形で
どんどん リードしてくれるし、
太平洋のジャングル
という「極限の地」で
主人公たちに
汗を 流させているためか、
苦×苦
の 相乗効果で、
かえって 苦しさは、相殺されるかんじ・・
「これは決して、心の悲惨マヒ現象 ではない。」
と
いうことですので・・
ステレオタイプでない「太平洋戦争もの」
を
お探しの 読書人さまへ
この小説を オススメ いたします。
<おすすめ度:いっぱい>
(すみません
「蛍が出てくる小説特集」で
戦争もの、といったら、
名作『火垂るの墓』に
決まっているのですが、
こちらは
でんどう(殿堂)入りとさせて いただきますので、
今回は 入れません あしからず・・
)
<次回は、石井光太『蛍の森』を レビューします>