社会科塾講師☆ブログ~しゃかりき!~

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歴史模擬授業(第26回 大正時代①第一次世界大戦)②-4 戦中の日本・戦後直後のアジア 

2010年12月25日 21時32分23秒 | 歴史☆模擬授業

歴史模擬授業26回 大正時代です。

詳細は12月23日の記事①をご覧ください。

大正時代は、外国の歴史も入り、内容がたいへん濃いので、

8つに分けていきたいと思います。

1:第一次世界大戦①(全体の動き)

2: 第一次世界大戦②(ロシアの動きと社会主義とは何か)

3:第一次世界大戦③(日本の動き・戦争直後のアジア)

4:第一次世界大戦の後①(全体の動き&ロシアの動き)

5:第一次世界大戦の後②(日本と世界の関係)

6:日本国内の話①(大正デモクラシー)

7:日本国内の話②(普通選挙制の確立)

8:日本国内の話③(大正時代の文化)

となります。

世界の国々の関係は、あくまでイメージであり、それが絶対ではありません。

各個人で当てはめたり、差別的な見解でみないようお願いいたします。

また私は平和主義で、この時期の日本の行為を良いものだとは思っておりません。

 

また、 わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

今回は、3の第一次世界大戦④戦中の日本と戦後直後のアジアをみていきます。

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「さて、では今回は第一次世界大戦中と戦争直後の日本および日本に密接に関係した国の

 動きをやりますね。」

「はい。」

「ではまず復習から。第一次世界大戦では日本は連合国、同盟国のどちらについたんだっけ?」

「連合国」

「そうだね。では、なぜ連合国についたんだっけ?」

「日英同盟を結んでいたから。」

「よく覚えているね。

日英同盟は表向きの理由。実は日本は裏の思惑(おもわく)があった。今日はそこを見ていきましょう。」

「はい。」

「第一次世界大戦では、植民地を多くもっていたヨーロッパ諸国が戦争で手がいっぱいになるでしょ。

 さらに、ヨーロッパ現地での戦いも多くなる。」

「そうだったね。」

「そうするとさ、中国の方にまでヨーロッパは頭がまわらないでしょ。」

「たしかに、戦争に勝つことで精いっぱいだもんね。」

「そこを日本は利用した。中国に入ります。

もちろん表向きは、連合国として参戦するということで、

中国内にある、連合国の敵であるドイツの領土をを占領します。

しかし、日本は、中国内に入ったのに乗じて、

中国の政府に、二十一カ条の要求というものをつきつけます。

 二十一カ条の要求は日本にとって都合のよい内容だったので、中国国民は反発しましたが、

 日本は軍事力を背景にして要求を中国政府に受け入れさせます。(この行為は悪いことです。)」

「・・・。」

「そのため、中国国民は排日運動(日本を中国から追い出そうとする運動)を行います。」

「そうだったんだ・・・。そのような関係もあるから、今日までそれが尾をひいている点もあるんだね。」

 

「また、第一次世界大戦中にある国で革命がおこったよね。」

「ロシア革命だね。」

「ロシア革命で、世界初の何革命だっけ?」

「社会主義革命だったね。」

「そうだよね。日本は資本主義だった。そこで、この前のロシア革命の回で話した通り、

 日本もロシアの革命をつぶそうと、シベリア出兵に参加します。」

「イギリスやフランスだけでなく日本も参加してたんだね。」

「そのシベリア出兵をきっかけにして、日本の民主主義をさらに発展させます。

これは、第一次世界大戦後の話になるうえに長くなるので、後日また行いますね。」

「はい。」

 

「また、戦争後の19191年に、日本に対しての反対運動が朝鮮中国でおきます。

 朝鮮では日本からの独立を目指した運動である三・一独立運動(さん・いちどくりつうんどう)、

 中国はパリ講和会議で二十一カ条の取り消しを求めたけれど、

拒否されたため講和条約反対運動をおこした、

それを五・四運動(ごしうんどう)と言います。」

「そうだったんだ・・・。」

「独立を目指すのはあたりまえだし、

あきらかに二十一カ条の要求は日本に都合がいいものだったものね・・。」

 

「以上が、第一次世界大戦中の日本の外への動き

今度は国内はどうだったか?を見ていきましょう。」

「日本国内も何かあったのかな?」

「第一次世界大戦はヨーロッパが戦争の中心の場所だったので、日本本土は戦争での被害が少なかった。

 そこで、日本は、ヨーロッパの国々が戦争により、自国で製品をつくったり貿易をする余裕がなくなってきているために、ヨーロッパにかわって、アジア諸国に日本が輸出をするようになりました。

また、戦争で品物が不足してしまっている連合国に、要求される品物を輸出した。

そのため、日本は、貿易でお金が儲かり(もうかり)、かつてない好景気になったのよ。

その好景気のことを、大戦景気と言います。」

「戦争は一方で得をする人たちもいたわけなのね・・。(それが良いとは言いませんが・・)」

「そして、大戦景気で、突然金持ちになった人たちのことは「成金(なりきん)」と言います。」

「成金っていう言葉は聞いたことある!」

「また、明治時代につくられた、巨大な会社である財閥(ざいばつ)もどんどん大きくなっていきました。

(財閥によっては江戸時代が起源のところもあります。)」

「ほえー。」

「企業(会社)がものをつくって、それを輸出して外国に売れれば、会社のもうけになるものね・・。」

「そういうことです。で、この第一次世界大戦では、日本はいい気になったの。

それで、第一次世界大戦後にヨーロッパの不信を招き、韓国・中国からの反発を受けることになり、

それが第二次世界大戦の日本の悲劇につながっていきます。」

「自分だけが利益を追求していったら、結局はダメになってしまうのね。」

「そうだよね。自分が利益を得たってことは、逆に苦しんでいる人たちがいるってことだもんね。」

「そうなのよね。だから、受験勉強や自分たちの生き方でも、がんばることはいいけど、

人の足をひっぱたり、相手が大変な状態のときを利用して自分だけ幸せになろう、

としないように、常日頃から気をつけないよね。」

「うん、むずかしいけど、がんばります!」

「ではでは、今日はここまで。次回は第一次世界大戦後のお話に移りますね。」

「はい!」

「ではでは、起立・礼。」

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また私は平和主義で、この時期の日本の行為を良いものだとは思っておりません。

 

また、 わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。


歴史模擬授業(第26回 大正時代①第一次世界大戦)②-2 ロシア革命 

2010年12月25日 12時37分58秒 | 歴史☆模擬授業

歴史模擬授業26回 大正時代です。

詳細は12月23日の記事①をご覧ください。

大正時代は、外国の歴史も入り、内容がたいへん濃いので、

8つに分けていきたいと思います。

1:第一次世界大戦①(全体の動き)

2: 第一次世界大戦②(ロシアの動きと社会主義とは何か)

3:第一次世界大戦③(日本の動き)

4:第一次世界大戦の後①(全体の動き&ロシアの動き)

5:第一次世界大戦の後②(日本と世界の関係)

6:日本国内の話①(大正デモクラシー)

7:日本国内の話②(普通選挙制の確立)

8:日本国内の話③(大正時代の文化)

となります。

世界の国々の関係は、あくまでイメージであり、それが絶対ではありません。

各個人で当てはめたり、差別的な見解でみないようお願いいたします。

社会主義・資本主義はあくまで簡単に説明したものです。 

また社会主義・資本主義に対する批判ではありません。

 

また、 わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。

今回は、2の第一次世界大戦③ロシア革命と社会主義をみていきます。

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「さて、では今度は、第一次世界大戦中の各国の動きをみていきましょう。今回はロシアの動き。」

「たしか、ロシアって、第一次世界大戦の途中で、戦争をやめたんだよね。」

「そうなの。なぜ、戦争をやめたかというと、実はロシアで大きな革命がおこったからです。

 その革命の動きをみていきましょう。」

「はい。」

「革命の前に、19世紀後半のロシアの状況から見ていきましょう。

ロシアは、皇帝が中心となって政治をしていました。

 

また、当時の労働条件がすっごく厳しく、

労働者はストライキをしたりしました。農民の運動もありました。」

「つまり、皇帝にみんなが従わなくなってきていたのね。」

「そんなときに、日露戦争でロシアが戦況で不利な状態になっていた。」

「あ、明治時代に習った日露戦争!」

そんな矢先に、皇帝に、私たちの貧困を助けて、そして平和な世の中にしてほしい、と頼もうと

皇帝のいる宮殿の前に集まった民衆の多くが、宮殿の警備隊に殺される、という事件もおこったりね。

それで、民衆たちの中には皇帝を信頼できなくなってきた人たちも出始めた。」

「たしかに・・それは・・。」

「そのようにロシア内部では、民衆は苦しんでいるにもかかわらず、ロシアの上層部(皇帝たち)は

 バルカン半島への進出をしていた。

 そんな矢先に、サラエボ事件がおこり、ロシアはオーストリアと

 対立し、第一次世界大戦が始まる。

 民衆は戦争よりも、私たちの生活をどうにかしてほしい!と願う状態だったのにもかかわらず。」

「戦争を始めたら、生活はますます苦しくなるよね。」

「だよね。それで、ついに、民衆たちが耐えきれなくなり、

ついに第一次世界大戦の最中1917年

革命をおこし、皇帝をやめさせて(その後、皇帝は銃殺された)、民衆が中心となって政治をします

このことを、ロシア革命と言います。」

「そうなんだ。」

「ちなみに革命とはどういう意味かを簡単に説明するね。

 

 

 革命とは、それまで政治に参加する権利を持っていなかった(もしくは支配される側にあった)身分の

人たちが、それまで政治をおこなっていた(支配している側にあった)身分を倒し、

政治する権利を得て、その身分を中心に政治がおこなわれるようになることです。

(公民・政治国際の考え方で言うと、主権が平民に移ったということ)」

 

「あ、つまり、今回の場合は、皇帝という身分を倒し、民衆たちが政治をする権利を得たということだね。」

「そういうこと。

   で、このように、民衆たちが政治をする権利を得て、民衆たちが中心となって政治をするように

なった革命のことを、民主主義革命というのよ。」

「そうだったのか!」

「で、今までも、イギリスやフランスではすでに民主主義革命がおこっていました。

しかし、このロシアの革命はイギリスやフランスとは違ったタイプの民主主義革命だった。」

「?」

「イギリスやフランスの民主主義での民衆のトップは資本家(つまり簡単にいえば社長)なの。

 しかし、今回のロシアの民衆のトップ(中心・主権のあるの身分)は労働者なんだよね。」

「そうなんだ。」

「民衆とりわけ労働者を中心に政治をすすめる(公民、政治国際で言うと、労働者に主権がある)考え方

のことを、社会主義と言います。

また、逆に、イギリスやフランスのように民衆とりわけ資産家に力がある考え方のことを資本主義と言います。」

「ほえー。」

「つまり、簡単にいえば、民主主義が、資本主義社会主義の2つに分かれるのね。」

「そうなの。よく社会主義は民主主義でない!という人がいるけど違うのよ。

 社会主義を国家にすると独裁者が生まれやすいけど、基本は民主主義ではあります。」

「そうだったんだ・・。」

「資本主義も社会主義も、どちらも、平等、ということを一番に置いているのですが、

 資本主義はスタートの平等(機会の平等)、社会主義はゴールの平等(貧富の差の否定)ともいわれます。

 つまり、もし仕事をする際、どんな人でもがんばれなお金は稼げる、

 でも、うまくいかないときは個人の責任だよ、と「自由」の観念を重視したのが資本主義。

 社会主義は、仕事の能力やラッキーかどうかで金持ち、貧乏という身分が生まれるだって

 差別ではないか!みんな、同じだけ働いて同じだけの給料をもらおうよ!という「平等」を徹底させたのが

 社会主義ね。」

「むずかしいけど・・・なんとか分かる気がする。」

「今は、難しいと思う。でも、説明をあえてしました。

 いつかはわかる日がきます。とくに、社会人になって会社で働くようになると、わかる。

  でも、今ここで説明しないままだと、大人になっても、何も知らないままになってしまうから。」

「働くようになるとわかるときがくるとは!かなり後の話だけど、将来が楽しみだ!」

「では、話を元に戻すね。 

ロシア革命では、社会主義の考え方を元にして革命を起こしました。

ロシア革命は世界で初めての社会主義革命です。

そのため、よく入試では、

「世界で初めての社会主義革命は?」とよく聞かれますので、

セットで覚えておきましょう。」

「はい!」

「で、民衆たちは戦争をやめたかったから、ロシア革命をおこした翌年に、

敵対関係にあったドイツと講和条約を結び、戦争をやめます。」

「大正時代第一回(②-1-2)でロシアが休戦したというのはこういうことだったのね。」

「しかし、これには続きがある。

    この社会主義革命であるロシア革命について、連合国は快く思わなかった。」

「勝手に戦争から抜け出しちゃったから?」

「うーん、というよりは、連合国の主要な国はみんな資本主義だったから、かな。」

「え?なんで?」

「ほら、資本主義って、だれが中心になってたっけ?」

「資本家・・つまり社長。」

「だよね。で、社長は自分の会社の労働者を使って、事業を行うよね。

 さらに、社長を中心とした会社でお金をかせぐことを良しとしている人たちがっている。

 で、社会主義ってどの身分が中心になっていたっけ?」

「えーと、労働者。」

「あ!わかった!つまり、社長や会社からしたら、社会主義のように労働者の方が強い状態になると

 自分の地位が危ない!お金だって、今までのように稼げなくなる!」

「そうだよね!ということは、資本主義を良しとするものからしたら、社会主義は自分の地位を

脅かすおそろしい存在になるでしょ。

もし、自分の国にも社会主義革命がおこったら・・どんな悲劇が待っているか・・。

それに、そういうお金をかせぐという現実的なことだけでなく、

資本主義の考え方の方が正しいと思っている人だっている。」

「たしかに・・。(その資本家たちの考えが良いというわけではないけど・・)」

「だから、社会主義革命なんて間違いなんだよ!と世の中に示さなきゃいけなくなった。

そこで、連合国は、ロシアに軍隊をおくりました。このことをシベリア出兵と言います。」

「第一次世界大戦で、ドイツやオーストリアなどの同盟国と戦いながら、そのかたわらで、シベリア出兵まで

していたんだね・・、連合国は。」

「そういうことね。しかし、抵抗がはげしく、連合国はまもなくロシアから撤退(てったい)します。

そして、第一次世界大戦後の1922年に、ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)という社会主義国家が

誕生します。」

「そうだったんだ。」

「以上が今回の内容ね。資料も参考にしてね。

    ロシア革命やシベリア出兵は、日本にもその後、大きな変化をもたらすので

    また今度説明するね。」

「はい。この時代は世界の動きと日本の動きが密接に関係しているね。」

「あと、気をつけてほしいのは、社会主義・資本主義のどちらがいいか、悪いか、ということではないからね。

それぞれの価値観があるので、自分の価値観が絶対だとは思わないでね。

(ただし、先生は資本主義派です。しかし、資本主義の悪いところもあることも自覚していますし、

 社会主義自体も悪いものだとは思わないし、学ぶべきこともたくさんあると思っています。)」

「はい!平等をどこまで追求するか、の違いだもんね。」

「そういうことね。ではでは今日はここでおわります。起立、礼。」

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社会主義・資本主義はあくまで簡単に説明したものです。 

また社会主義・資本主義に対する批判ではありません。

 

また、 わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。