今回は、生徒の頭の中を見てみよう!第一弾です。
塾の講師になる人は、少なくとも学問に関心もあり、中学・高校でもある程度上位(とくに中学では50番以内)の方が多いと思われます。
そのため、自分と接している生徒も、自分と同じ価値観や頭の構造だと思いがちですが、実はそうではありません。
とくに、自分の得意な教科を教えるときは、さらに気をつけなければなりません。
自分が無意識できることが、生徒たち全員ができるわけではありません。
なので、自分がどのように頭の中で考えたから理解できたのか、問題が解けるようになったのかを、考えながら、生徒に教える必要があります。
もちろん、事細かに自分の頭の構造を教える必要はないですが、生徒ができいないときに、「君はやる気がないからできないんだ!」と一喝するだけで終わるのは、先生としての役割を果たしていません。
生徒ができないときは、生徒の頭の中が今どのような状況になっているのかを予想し、正しい頭の中のイメージ(構造)になるように先生が補助しなければならないのです。
たとえば、社会の歴史の場合。
先生は、教科書と資料集を使いながら、ほぼ文章と言葉だけで歴史的事件を説明します。
頭の良い子は、その先生の言葉と教科書&資料集も文字&イラスト(写真)を見て、勝手に自分の頭の中でイメージをつくり、理解します。
そのような子は、
①最低限のイメージを使い、文字そのものをすっと理解し、整理するタイプ
②5W1Hを同時にイメージをするタイプ(5W1Hとは・・場所・時間・誰が・何をしたか?もしくはどのようにしかか、などのこと。)
③ドラマ風にイメージするタイプ
の3種類があります。(例外の子もいますが・・)
②×①タイプなど、2つのパターンやすべてのパターンがかけ合わさった子もいます。
5W1H(細かく言うと4W1Hですが・・)を瞬時に理解できる子はとても頭がよく、瞬時に理解し瞬時に覚えることができます。(そういう子は場所や時間がわからないときは、すぐに教科書や辞書で調べます)
このような頭の構造で成績優秀で先生になった人は、
「教科書を読めば、わかってしまう!」と言って、
授業では教科書に載っていないことばかり教える先生になるときがあります。(全員ではありませんが・・)
しかし、全員の生徒が自分と同じではないので、教科書通りに教えてイメージの補助をしてあげてほしいなあと私は思います。(全員の生徒が超優秀だったら、その限りではありませんが・・)
また、イメージの補助には、映画やマンガ・ドラマなどを見ることが一番的確です。
イメージができない生徒には、先生おすすめのマンガを紹介したり、時間があれば、一緒にドラマや映画を見ても良いでしょう。(ただし、上映する場合にお金をとったり広報活動用に使うのはだめで、あくまで個人で楽しむようにしましょう。)
私は、小学生の授業で時間に余裕があったら、ホワイトボートにイラストを描いたりして、イメージをつけたり、イラストや写真のある本を持ってきて、生徒に見せています。
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また、逆に社会の歴史が好きで詳しいのに、点数が取れない子がいます。そのようになってしまう理由は3つあります。
④授業は喜んで聞くが、まったく覚える努力をしたり問題を解いたりしないので、点数に結び付かないため
⑤好きなところだけ、勉強するので、好きじゃないと勉強しないため
⑥授業を聞いたときに、その史実自体をイメージするのではなく、関係のない妄想や関係のないことを考え始めてしまう
④・⑤は授業をしたあとに、確認テストを何回も行うとか、宿題をしっかりチェックしてやるように先生が生徒の勉強時間を管理&モチベーションを上げてあげましょう。
⑥をする子だとわかったら、それは授業中にしないで先生の授業に集中するように、と指導します。
妄想をすること自体は、考える力があるのと創作力を育てるので悪いことではないので、妄想自体は否定せずに、授業では妄想禁止、というように軽く言って、その生徒の性格自体を否定しないであげてください。
実際に⑥のように妄想はしながらも、ちゃんと①~③のこともできている子はいますので・・。
ちなみに妄想とはどういうことかというと、
「大化の改新」の授業を聞いたら、突然自分の世界に入り、
「歴史人物の人間関係を細かく考えたりする(おもに恋愛系。下手すれば、なぜか男性同士の恋愛を考える)」パターンの子がいます。
いわゆる、現在はやりの歴女という人は、この部類に入るのではないでしょうか?
男女カップルを考えるのか、男男カップルを考えるのか、または、恋愛でなくても歴史人物個人の生き方ばかりを気にするなど、さまざまですが・・。
もう一つは、「大化と言う言葉って面白いな。面白いっていえば、昨日のA君が廊下でこけたのは笑えた。A君ってさ・・。」というように、
連想ゲームのようにどんどん歴史とは関係ない自分の日常生活のことを考え始めたりするパターンの子があります。
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次に、全然歴史が出来ない子は、頭の中にイメージできていないことが多いです。
たとえば、
⑦人の名前なのか、事件名なのか、場所を表わしているのか?などごちゃごちゃになっている
⑧言葉が意味として頭に入ってこない。言葉の音だけが入ってくるだけ
⑦はまだ、イメージはしよう!という気はあるので、人・事件名・場所名などと表でわけてやったり、マンガなどを読ませてイメージをふくらませてあげることができます。
⑧は、やる気がないのと、イメージする力が全然ないので、まずは、やる気を出させるのと、とにかく先生と一緒に勉強をする形で、勉強する姿勢をつけていくことが最初のステップです。
(以上です。これは私の考えなので、へえ、こういう風に考える人もいるんだ、と軽い気持ちで参考程度で見ていただけると助かります。例外の頭を持った人もいますので。)
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実は私は小学校のころに社会は苦手でした。
⑦みたいなタイプで、頭がごちゃごちゃしていました。
それなのに学校の先生は「簡単だからわかるはず」とか「おまえの努力がたりない!」と言われ、困っていました。
そこで中学からは母に家庭教師として教えてもらえるようになり、
「5W1Hを分ける大切さと教科書を読んでどのように分けて、まとめていくかの方法」を母から学び、その合間に歴史に関する映画を母と一緒に観たり、自分でマンガを読みあさり、イメージが膨らみ、②と③ができるようになりました。(なぜか、色を使いながら、イメージはしていた特殊な感じですが・・。縄文は茶色、弥生は緑、とかで、弥生時代のものや出来事はみんな緑がかっていたり・・。)
母には感謝しても感謝しつくせないぐらい感謝しています。人生の恩師です!
そして、大学生ぐらいからは①のようなこともできるようになり、社会が得意になりました。
このように苦労してきたからこそ、社会を教えるのはとても醍醐味があり、ずっと続けていきたいな~と思っています。