歴史模擬授業26回 大正時代です。
詳細は12月23日の記事①をご覧ください。
大正時代は、外国の歴史も入り、内容がたいへん濃いので、
8つに分けていきたいと思います。
1:第一次世界大戦①(全体の動き)
2: 第一次世界大戦②(ロシアの動きと社会主義とは何か)
3:第一次世界大戦③(日本の動き)
4:第一次世界大戦の後①(全体の動き&ロシアの動き)
5:第一次世界大戦の後②(日本と世界の関係)
6:日本国内の話①(大正デモクラシー)
7:日本国内の話②(普通選挙制の確立)
8:日本国内の話③(大正時代の文化)
となります。
世界の国々の関係は、あくまでイメージであり、それが絶対ではありません。
各個人で当てはめたり、差別的な見解でみないようお願いいたします。
社会主義・資本主義はあくまで簡単に説明したものです。
また社会主義・資本主義に対する批判ではありません。
また、 わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。
今回は、2の第一次世界大戦③ロシア革命と社会主義をみていきます。
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「さて、では今度は、第一次世界大戦中の各国の動きをみていきましょう。今回はロシアの動き。」
「たしか、ロシアって、第一次世界大戦の途中で、戦争をやめたんだよね。」
「そうなの。なぜ、戦争をやめたかというと、実はロシアで大きな革命がおこったからです。
その革命の動きをみていきましょう。」
「はい。」
「革命の前に、19世紀後半のロシアの状況から見ていきましょう。
ロシアは、皇帝が中心となって政治をしていました。
また、当時の労働条件がすっごく厳しく、
労働者はストライキをしたりしました。農民の運動もありました。」
「つまり、皇帝にみんなが従わなくなってきていたのね。」
「そんなときに、日露戦争でロシアが戦況で不利な状態になっていた。」
「あ、明治時代に習った日露戦争!」
「そんな矢先に、皇帝に、私たちの貧困を助けて、そして平和な世の中にしてほしい、と頼もうと
皇帝のいる宮殿の前に集まった民衆の多くが、宮殿の警備隊に殺される、という事件もおこったりね。
それで、民衆たちの中には皇帝を信頼できなくなってきた人たちも出始めた。」
「たしかに・・それは・・。」
「そのようにロシア内部では、民衆は苦しんでいるにもかかわらず、ロシアの上層部(皇帝たち)は
バルカン半島への進出をしていた。
そんな矢先に、サラエボ事件がおこり、ロシアはオーストリアと
対立し、第一次世界大戦が始まる。
民衆は戦争よりも、私たちの生活をどうにかしてほしい!と願う状態だったのにもかかわらず。」
「戦争を始めたら、生活はますます苦しくなるよね。」
「だよね。それで、ついに、民衆たちが耐えきれなくなり、
ついに第一次世界大戦の最中の1917年に
革命をおこし、皇帝をやめさせて(その後、皇帝は銃殺された)、民衆が中心となって政治をします。
このことを、ロシア革命と言います。」
「そうなんだ。」
「ちなみに革命とはどういう意味かを簡単に説明するね。
革命とは、それまで政治に参加する権利を持っていなかった(もしくは支配される側にあった)身分の
人たちが、それまで政治をおこなっていた(支配している側にあった)身分を倒し、
政治する権利を得て、その身分を中心に政治がおこなわれるようになることです。
(公民・政治国際の考え方で言うと、主権が平民に移ったということ)」
「あ、つまり、今回の場合は、皇帝という身分を倒し、民衆たちが政治をする権利を得たということだね。」
「そういうこと。
で、このように、民衆たちが政治をする権利を得て、民衆たちが中心となって政治をするように
なった革命のことを、民主主義革命というのよ。」
「そうだったのか!」
「で、今までも、イギリスやフランスではすでに民主主義革命がおこっていました。
しかし、このロシアの革命はイギリスやフランスとは違ったタイプの民主主義革命だった。」
「?」
「イギリスやフランスの民主主義での民衆のトップは資本家(つまり簡単にいえば社長)なの。
しかし、今回のロシアの民衆のトップ(中心・主権のあるの身分)は労働者なんだよね。」
「そうなんだ。」
「民衆とりわけ労働者を中心に政治をすすめる(公民、政治国際で言うと、労働者に主権がある)考え方
のことを、社会主義と言います。
また、逆に、イギリスやフランスのように民衆とりわけ資産家に力がある考え方のことを資本主義と言います。」
「ほえー。」
「つまり、簡単にいえば、民主主義が、資本主義と社会主義の2つに分かれるのね。」
「そうなの。よく社会主義は民主主義でない!という人がいるけど違うのよ。
社会主義を国家にすると独裁者が生まれやすいけど、基本は民主主義ではあります。」
「そうだったんだ・・。」
「資本主義も社会主義も、どちらも、平等、ということを一番に置いているのですが、
資本主義はスタートの平等(機会の平等)、社会主義はゴールの平等(貧富の差の否定)ともいわれます。
つまり、もし仕事をする際、どんな人でもがんばれなお金は稼げる、
でも、うまくいかないときは個人の責任だよ、と「自由」の観念を重視したのが資本主義。
社会主義は、仕事の能力やラッキーかどうかで金持ち、貧乏という身分が生まれるだって
差別ではないか!みんな、同じだけ働いて同じだけの給料をもらおうよ!という「平等」を徹底させたのが
社会主義ね。」
「むずかしいけど・・・なんとか分かる気がする。」
「今は、難しいと思う。でも、説明をあえてしました。
いつかはわかる日がきます。とくに、社会人になって会社で働くようになると、わかる。
でも、今ここで説明しないままだと、大人になっても、何も知らないままになってしまうから。」
「働くようになるとわかるときがくるとは!かなり後の話だけど、将来が楽しみだ!」
「では、話を元に戻すね。
ロシア革命では、社会主義の考え方を元にして革命を起こしました。
ロシア革命は世界で初めての社会主義革命です。
そのため、よく入試では、
「世界で初めての社会主義革命は?」とよく聞かれますので、
セットで覚えておきましょう。」
「はい!」
「で、民衆たちは戦争をやめたかったから、ロシア革命をおこした翌年に、
敵対関係にあったドイツと講和条約を結び、戦争をやめます。」
「大正時代第一回(②-1-2)でロシアが休戦したというのはこういうことだったのね。」
「しかし、これには続きがある。
この社会主義革命であるロシア革命について、連合国は快く思わなかった。」
「勝手に戦争から抜け出しちゃったから?」
「うーん、というよりは、連合国の主要な国はみんな資本主義だったから、かな。」
「え?なんで?」
「ほら、資本主義って、だれが中心になってたっけ?」
「資本家・・つまり社長。」
「だよね。で、社長は自分の会社の労働者を使って、事業を行うよね。
さらに、社長を中心とした会社でお金をかせぐことを良しとしている人たちがっている。
で、社会主義ってどの身分が中心になっていたっけ?」
「えーと、労働者。」
「あ!わかった!つまり、社長や会社からしたら、社会主義のように労働者の方が強い状態になると
自分の地位が危ない!お金だって、今までのように稼げなくなる!」
「そうだよね!ということは、資本主義を良しとするものからしたら、社会主義は自分の地位を
脅かすおそろしい存在になるでしょ。
もし、自分の国にも社会主義革命がおこったら・・どんな悲劇が待っているか・・。
それに、そういうお金をかせぐという現実的なことだけでなく、
資本主義の考え方の方が正しいと思っている人だっている。」
「たしかに・・。(その資本家たちの考えが良いというわけではないけど・・)」
「だから、社会主義革命なんて間違いなんだよ!と世の中に示さなきゃいけなくなった。
そこで、連合国は、ロシアに軍隊をおくりました。このことをシベリア出兵と言います。」
「第一次世界大戦で、ドイツやオーストリアなどの同盟国と戦いながら、そのかたわらで、シベリア出兵まで
していたんだね・・、連合国は。」
「そういうことね。しかし、抵抗がはげしく、連合国はまもなくロシアから撤退(てったい)します。
そして、第一次世界大戦後の1922年に、ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)という社会主義国家が
誕生します。」
「そうだったんだ。」
「以上が今回の内容ね。資料も参考にしてね。
ロシア革命やシベリア出兵は、日本にもその後、大きな変化をもたらすので
また今度説明するね。」
「はい。この時代は世界の動きと日本の動きが密接に関係しているね。」
「あと、気をつけてほしいのは、社会主義・資本主義のどちらがいいか、悪いか、ということではないからね。
それぞれの価値観があるので、自分の価値観が絶対だとは思わないでね。
(ただし、先生は資本主義派です。しかし、資本主義の悪いところもあることも自覚していますし、
社会主義自体も悪いものだとは思わないし、学ぶべきこともたくさんあると思っています。)」
「はい!平等をどこまで追求するか、の違いだもんね。」
「そういうことね。ではでは今日はここでおわります。起立、礼。」
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社会主義・資本主義はあくまで簡単に説明したものです。
また社会主義・資本主義に対する批判ではありません。
また、 わかりやすく解説していので、「こういう説もある!」という専門的なことを
引き合いに出されてもお答えできないことがあるかもしれません。申し訳ありません。
不快な気持ちになった方には申し訳ありません。