SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

JOE NEWMAN 「and the boys in “the band”」

2009年11月15日 | Trumpet/Cornett

「無人島に持って行く一枚」の候補になるアルバムだ。
その理由は簡単。
寂しさを紛らわすのにうってつけだからだ。
ベイシーがらみのものは、そのほとんどがそうであるように、このアルバムも人目を気にせず爆音で聴きたい作品だといえる。
大音量で聴いていると、リズムに合わせて自然に身体が動き出す。
スイングするということはこうした感覚なのだと思う。
これを聴いていると、いかにジャズは楽しい音楽なのかということが身に染みてくる。

このアルバムは1954年ベイシー楽団がボストン公演に行った際、9人のメンバーが集結して録音した作品である。
もちろんカウント・ベイシーもビル・ベイリーという偽名で参加している。
この作品を聴いていると、つくづく主役のジョー・ニューマンは、根っからビッグバンドの人なんだなぁと思う。
自分のリーダーアルバムにもかかわらず、自分だけが目立つようなことはほとんどしていないのだ。
2曲目の「These Foolish Things」に至っては、最初から最後までフランク・フォスター(ts)の美しいソロをフィーチャーしており、ジョー・ニューマンは他のメンバーと共にオブリガードをつけることに専念している。何とも微笑ましい限りである。
その代わり、ラストに近い「I'm Confessin'」で彼の持ち味が充分に発揮されている。
高らかにメロディを歌い上げるその音色は慈愛に満ちたものだ。
またそんな彼のトランペットを、ベイシーのオルガンがしっとり包み込んでいるのが印象的だ。

そしてそして、忘れてはいけないのが、このジャケットである。
もちろん、バート・ゴールドブラッドのデザインだ。
大胆な構図と、思い切った写真の切り抜き。
これだけでも買う価値が充分にある。
やっぱり無人島に持って行くならこの一枚である。


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