SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

NAT ADDERLEY 「Naturally!」

2009年08月06日 | Trumpet/Cornett

レコード棚をゴソゴソと物色していたらこんなアルバムが出てきた。
「なんだナット・アダレイじゃないか、こんなところにいたのか!」と思わず旧友に出会った心境になる。
そういえばこのアルバム、店頭で見つけた時に、ジョー・ザビヌルが参加しているのを知って買い込んだのを覚えている。
別にウェザーリポートのファンだったわけでもないが、私は彼のエレピしかほとんど聴いたことがなかったので、デビュー当時の彼はどうだったのかが何となく気になったわけである。
で、聴いてみた感想だが、ジョー・ザビヌルは取り立ててどうということはなかった。
この時点では普通のバップ系ピアニストである。可もなく不可もなし、といったところ。
それに比べると、B面の4曲でザビヌルに替わって登場するウィントン・ケリーのスウィング感はさすがだと思わずにはいられない。
最近はウィントン・ケリーも昔ほど聴く機会が少なくなってしまったが、改めて聴いてみると、やっぱりこうしたファンキーな作品には欠かせない人だということがわかる。
またポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)というお馴染みメンバーのコンビネーションも抜群だ。

それにしてもナット・アダレイという人は地味な印象の人だ。
兄のキャノンボール・アダレイがやたらと目立つ人だったので、その陰に隠れてしまった感が大いにある。
普通兄弟なら、弟の方がやんちゃで明るい印象を持つのが一般的だと思うが、彼らはその逆だ。
良くいえば心優しきナイスガイ。悪くいえばいじけたロンサムボーイ。
しかしこのアルバムには兄がいない。弟だけの純然たるワンホーンアルバムだ。
こんな伸び伸びと吹ききっている彼とはそうそう出会えるものではない。
これは本当の彼を知る格好の作品である。


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