SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

BRIAN LYNCH 「meets BILL CHARLAP」

2010年06月01日 | Trumpet/Cornett

このところ忙しい日々が続いていて、なかなかブログの更新ができずにいた。
時間は何とか確保できたとしても、書いている余裕がないのである。
こんな時に心休まるCDはないかと思ってショップに立ち寄ってみたら、このアルバムに出くわした。
ブライアン・リンチとビル・チャーラップ・トリオ、2003年の共演盤だ。

ブライアン・リンチに関しては、最近ヴィーナスからリリースされた「ボレロの夜」というビリー・ホリデイのオマージュアルバムが気に入っていた。
これはかなりこってりした作品だったが、私はどうもこうしたラテン系の音に弱い。
こうしたアフロ・キューバン・リズムは、これからの季節には欠かせない音だと思う。
特に「La Sitiera」や「I'm A Fool To Want You」などを聴いていると、じわりと汗がにじむ熱帯夜を感じさせる。
これがラテンならではの快感なのである。
今回取り上げた「meets BILL CHARLAP」は、それとは違い、幾分クールな印象だ。
但し、彼の吹くトランペットには郷愁感がたっぷり詰まっていて、初夏の夕暮れにふさわしい音を奏でている。
そこにそよ風のようなビル・チャーラップのピアノが絡む。
ジョー・ファンズワース(ds)、ドウェイン・バーノ(b)の見事なバッキングと共に、実にコンビネーションがいい。

ビル・チャーラップに関しては、ニューヨーク・トリオを含め、彼のほとんどのアルバムを持っている。
要するに私は彼のファンなのだ。
但し、このところはちょっとその熱も冷めかかってきていた。
あまりにも感情移入が目立ちすぎるようになってきていて、自然に体の中に入り込んでこなくなる時があるからだ。
しかし、このアルバムでは彼本来の良さが発揮されていて、さすがビル・チャーラップだと思わせる。
フレーズの一つ一つがありきたりな旋律になっていないところがすごいのだ。

2曲目の「Autumn Nocturne」を聴いて心の底から癒された。
これからも忙しい時の鎮静剤として利用しようと思う。


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