SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

RYAN KISOR 「On the One」

2009年09月22日 | Trumpet/Cornett

昨日は月山に登ってきた。
月山にはもう何度も登っているが、あんなきれいな紅葉は今まで見たことがなかったので大感激した。
暑くもなく、寒くもない快晴の秋だった。
心地いい風が足下を滑るように吹き抜けていく。その風を受けて木道の脇のウメバチソウやリンドウの花が歌を歌うように首を振っていた。
見上げると山は切れ落ちている部分を境目にして、燃えるような赤と黄色が青空にくっきりと浮かび上がっている。
思わず息を飲むとはこのことだ。
こんな雄大な景色を見ていると、小さな悩みや日頃のストレスはあっという間に消え去ってしまう。
これが山登りを止められない一番の原因なのかもしれない。

そんな余韻を残して、今日は自宅でゆっくり休日を楽しんだ。
いつものようにCD棚から一枚のアルバムを引っ張り出してセットした。
真っ先にかけたのは、ライアン・カイザー「On the One」である。
私は1~3曲目を飛ばして、4曲目「Thinking of You」というバラードから聴きだした。
この曲はカイザー自身のオリジナルである。
私はうっとりしてしまうようなこの曲が大のお気に入りだ。
ライアン・カイザーといえば、スピード感溢れるトランペットが売り物のプレイヤーだが、こうした叙情性もしっかり持ち合わせた若者なのだ。
この「Thinking of You」という曲を聴いていると、昨日の月山のような懐の深さを感じる。
まったく山の上から谷間に向かって吹き下ろしているようにクリアな響きだ。
そんな風に考えると、続くマルグリュー・ミラーのソロも沢のせせらぎのように聞こえてくるから楽しい。

今は夏のTシャツ一枚でこのブログを書いているが、高い山の上では着々と秋が深まりを見せている。
私はそうした場所での時の移り変わりが本当の季節なのだと思う。
残念ながら下界の季節は偽物だ。
本当の季節を感じられる暮らしができれば最高なんだけど。


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