ポエトリー・デザイン

インハウスデザイナーが思う、日々の機微。

Apple、iPhone4。

2010年08月07日 | blog
買ったひとも見送ったひとも、いまひとつ「府に落ちない」デザインでおなじみのiPhone4ですが。実際手にしてみると、ものすごく「板っぽい」です。かつてこんなに「板っぽい」携帯電話があったでしょうか。いや、ない。

まぁ、いくら府に落ちないとはいえ、外装にプラッチックが使われていない携帯電話というのはスゴいです。削り出しの金属フレームに、表も裏もガラスを組み合わせる。そんなプロダクトなんて…と考えてみたら、「腕時計の、いい奴」は、そんな構成でした。腕時計感覚かー。

よーく見ると、ガラスの側面のつや消し部分は樹脂のようですね。

府に落ちないといえば、壁紙も。あの水滴の壁紙のセンスはよくわかんないですね。しかも黒の単色の壁紙がない。iPadもそうなんですが。

というわけで、iPhone4もiPadも、デザインでしびれるほどの感動があるわけではないです。もちろん、圧倒的にレベルは高いんですが、3Gほどの衝撃はない。

ではだめかというと、そんなことはないです。使用感はじつに心地いい。「心地いい」というのが、じつにしっくり来ます。

早い、マルチタスク、網膜ディスプレイ。心地良さのモトは、端的に言うとこの3つ。

とにかく動作が機敏でぴしっとしています。マルチタスクの切り替えもぴしぴしっとしています。網膜ディスプレイのくっきり感もじつにぴしっと。本体デザインもぴしっとしているので、全体的に「ぴしっとさん」です。カメラもぴしぴし、なんでもかんでもぴしぴし決まると、そりゃ心地いいってもんです。しゅっとしてぴしっとして、一流のホテルマンのようです。

そもそもiPhoneの使いこなしのコツは、いかに「もっさり感を回避するか」ということばかりでした。そして、愛用していた3Gが、iOS4のおかげで劇遅になって、実用に耐えられなくなってしまったのは悲しかった。きびきび感は、ずっと渇望されていたのです。

そんなわけで、府に落ちないといえば府に落ちないですが、それでもたいそう気にいって、満足しています。なんだかんだいって、iPhoneもう手放せないですからね、洗練されて使いやすくなって、うれしい。

つまり、個々の機能やコンテンツが主役であって、ハードウエアは脇役に徹するようになった。そこまで成熟したと。だからやっぱり、ホテルマンであり、黒子ですね。

あ、もうひとつぴしっとポイントがありました。ガラスのコーティングのせいだと思うのですが、指紋がすごくつきにくい。裏もガラスなので、表も裏も指紋がつきにくい。これはどういう仕組みなのかよくわかりませんが、指紋でべたべたにならず、いつみてもぴしっとしています。

ぴしっとしゃきっとiPhoneフォー。

マルチタスクに慣れてしまうと、贅沢にもiPadがイマイチに感じてきます。秋のOSのアップデートで対応するという噂なので、そちらも期待してるで~Appleはん~