武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

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武道PT的書評【サムライ学】藤岡弘、著

2013年01月15日 | 文献紹介(武道PT的リストマニア)
今日は藤岡弘氏の書籍【サムライ学】を読み解きます。
書評(五つ星中):☆☆☆☆

藤岡弘氏は初代仮面ライダーを演じ、その後も俳優として活躍されている方です。10年前は居合などをする風変わりな方だと思ってましたが武道・武士道を学んだ今ではとてもリスペクトできる方となりました。そんな氏の書籍から気に入った文章を抜粋し臨床(姿勢・動作分析方法)や日々の生活を振り返ってみます。


以下、引用
↓↓↓↓
「中心をとる」
これは体術的には、自らの正中線上に重心を置くことでバランスを保つという意味と、相手を攻め込む際は相手の正中線上を狙えという意味もある。
(中略)
人間の正中線上には眉間や鼻、あご、喉、みぞおち、下腹部など、一撃必倒につながる急所が多く、重心が乗っている場所でもあるので、ひとたび崩せば技が決まりやすい。敵の中心を狙うことは武術の基本である。

(武道PTコメント)⇒武術では『矢落とし』という技があります。飛来する矢に対し体の前に刀をかざし矢をさばくというもの。
上戸彩主演の忍者映画【あずみ】にもそんなシーンがありました。

果たして、スクリーン以外でそんなことできるのか?と聞いた当初は思いましたが訓練次第では可能と今では考えています。

以下の方法なら皆さんもピンとくるのではないでしょうか?

まず、自分の中心軸をしっかりと認識。

次に、空間のリファレンスポイント(参照点)として刀を前面にかざす。
そして、矢先・刀・自分の中心軸の三点を一直線上に結ぶ。

この状態で、目の前の空間を左右に分割して捉える。体の前面にかざした刀がリファレンスポイントとなるため矢を左右に識別するのは比較的簡単となる。(実際にYouTubeなどでもこの技を見ることができます)

喧嘩に負けない(決して勝つ訳ではない)方法で、この理論を利用し片手を前にリファレンスポイントとしてかざしておくと相手のパンチや蹴りがかわしやすくなるとのこと。

セラピストや施術家なら、姿勢や動作分析をしますよね。その時、センターを見極め左右差を分析したりします。歩行ですら一動作は一瞬ですからこの矢落としの感覚があるかないかで分析結果は大きく異なってきます。




(中略)
戦国武将達は30kg近くの鎧を身にまとったまま馬を操り刀や槍で戦い抜いた。バランスを崩さないためには常に「体の中心をとる」という意識を持つ必要がある。ただ頭で考えているだけではダメだ。訓練により徹底して体に叩き込むのである。


(武道PTコメント)⇒センターが形成されてないセラピストや施術家って沢山います(T_T)そんなんじゃあ、何が読み解けるんじゃい?と聞きたくなってしまいます。という私はまだまだ未熟なので身体は日々練ってます。人より弱くても良いのです。昔日の自分より成長していたいものですね。



(中略)
大いなる中心(人類全体の調和)のために、小さな中心(エゴや自己中心性など)を捨て去ることも、「中心をとる」という考え方には含まれているのである。

(武道PTコメント)⇒ここまで、万有を愛護する気持ちでセラピーや施術してますか?これはマネージメント未熟な私にとってとても響いてきました。




ちなみに、藤岡弘、氏が名前の最後に「、」(読点)を付けるのは自分がまだ進化している・進化したいという想いが込められているそうです。

私も日々自己成長を感じてます。
私もあやかって
『武道PT、』
ってblogネーム変えようかな(笑)

藤岡弘、氏の本は武道・武術初心者の方の入門書としてオススメですよ。

皆さん、共に日々成長していきましょう。

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