武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

禅から学ぶ 自分のエゴと向き合う

2012年01月30日 | 禅(座禅・立禅)
NHKスペシャル「グレートジャーニーの果てに 第2弾」より

イギリスで行われた実験。

被験者の頭部MRIを撮影しながら「男性が女性にビンタされる」、という映像を見せる。

するとその映像を見せられた被験者の島皮質が活性化する。
島皮質は不快なものを見たときに反応する領域。
そう、ヒトは他人の痛みを不快に感じる能力がある。

しかし、同じ条件下で
「この男はこの女性に悪い事をしたんです」と予め情報を被験者に知らせてから同じ実験をすると、島皮質ではなく側座核が反応してしまう。
側座核は人が快楽を得たとき活動する領域。

 相手が悪い人だと思うと、人は同じ暴力であっても同情せず天罰だと思って快楽を覚えてしまう。

 脳神経学者は、この結果を集団を維持するため獲得したのだ、と解説していた。同じ集団内で罰を下す時に不快では困るので、罰することに快楽を得られるようになったというのである。
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 この結果からいかに人のエゴ(自我)が自分勝手なものかが読み解ける。エゴによる外界の認知は十人十色であり、決して同一ではない。この自分勝手な世界の解釈が、ストレスの原因(苦悩)となる。

「男性がなぐられる」という画像を、エゴ(自分勝手な判断)を捨て心を静めただの現象として捉えれば多分側座核も頭皮質もほとんど反応しない。これが心が統一した状態、瞑想が深まった状態と言えるかもしれない。

私は最近、エゴ(外界の自分勝手な認知)と向き合う事を真剣にはじめました。
それもあり、禅についての勉強をしています。インド哲学など出てきますが、現在の認知神経療法など赤子同然といえるほど高尚な世界です。

知覚・注意・記憶・判断・言語化・・・・
ほんと~???

人の心・認知過程は数千年前からそれはそれは深ーく命をかけて分析され続けているのですね。あまりの洞察の深さにこの数日ビックリです。

禅の影響を受けている「森田療法」や「ゲシュタルト療法」などなど。これから学んでいこうと思います。


エゴを見つめ、無常を知る旅路。
今まで感じた事のない安息の日々が続いています。

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