武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

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気と催眠

2010年09月11日 | 文献紹介(武道PT的リストマニア)
key word:気 催眠 プラセボ効果 筋膜リリース 頭蓋仙骨療法

最近、加来耕三著「改訂新版 気の妙術」を読み終えました。

合気道に関する本として手にとって読んでみたのですが、そこにたまたま催眠について記してあったので引用します。

---以下引用---
中国の科学研究では、外気=暗示説が主流であると述べた。ところで、外気功の作用をすべて暗示によるものだと主張しても、そもそも暗示や催眠がどのように起こるのかというと、これは生理学的なプロセスはまだまだ研究の途上である。暗示や催眠自体が広い意味での『気』の作用であったなら、「それは気ではなく、単なる暗示である」という反論は意味をなさない。

---以上引用終わり---

これは、そもそも薬剤実験などで現れるプラセボ(プラシーボ)効果自体が何故起こるか良く分かっていないということです。だから気功が無いとは言い切れないと加来氏は解説しています。プラセボ効果は人の多様さ故に立証するのは困難ではないかと個人的には考えてます。

私の臨床経験では確かに催眠をかけたあとに頭蓋仙骨療法筋膜リリースを行うと治療の反応が良くなります。

催眠、気功などなど長い歴史があり多くの人を魅了し続けてきました。決してオカルト的にならずに冷静に学ぶ姿勢が大事なんだと思います。
臨床では方法論よりも結果が求められます。先ずは目の前の苦しんでいる患者さんへ結果を出す事が先決です。そして次に再現性や科学性を求めるべきでしょう。
科学性は大切です。私達は科学の時代に生きています。未来の人達へより快適に科学的に体系づけて治療技術を伝える指命が私達にはあります。
『俺は苦労して習得したんだから若い奴らも同じように苦労しろ!』ではなく『俺達を踏み台にしてもっと上のレベルまで行ってくれよ。この後の時代は宜しくな!』と後輩にバトンをつないであげたいものです。

加来氏の『気の妙術』は色々な角度から合気道の合気を取材していてとても面白い内容でした。
機会を改めて紹介したいと思ってます。

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