BRING UP

①子どもを育てる。養育する。しつける。②問題などを持ち出す。提起する。

「この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ」

2005年02月08日 | Weblog
「この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ」
 明橋 大二著  一万年堂出版  1200円

はじめに
 -今、最も必要なことは、
     子育てに奮闘するお母さんを認め、
    みんなで守り、サポートしていくことです

 先日、一人のお母さんが、私のもとに相談に来られました。
 小学校三年生の男の子が、友達と遊んでいて、虫を捕まえた。そのあと、その虫の足を引きちぎって遊んでいた。それをたまたま近所のお母さんが見かけて、言ってこられた。
「あなたの子、こんな遊びしてたわよ。小さい頃から動物虐待とかしていると、将来殺人犯になるって言うよ。気をつけたほうがいいわよ」
 お母さんが不安になって、実家の母親に相談すると、「あんたのしつけがなってないから、そんなことするんじゃないの。もっと、悪いことは悪いと教えないと」と叱られた。
ますます不安になったお母さんは、それ以上ほかの人に聞けなくなり、私のもとに来られたのです。
子どもは、勉強はあまり得意ではありませんでしたが、友達とよく遊び、家でも、お母さんとよく話す、活発な子どもでした。自己主張もちゃんとできているので、ちっとも心配はないこと、この年頃の男の子は、こういう遊びはよくするし、その中で、さまざまなことを学び、成長していくものなのだ、と話をしました。
 お母さんは、ほっとしました、と言い、次のように言われました。
「私、子育てに自信がないんです。子どもがちっとも勉強しないのは、私の血筋だ、と義母から言われるし、主人も、おまえは子育てが下手だ、といつも言うんです」

 今日、子どもが何か事を起こすと、子どもの次に責められるのは、親、特に母親です。いわく、「親が悪い」「甘やかしすぎたからだ」「ちゃんとしつけをしてないからだ」「過保護だから」……。それも、事情をよく知らない人たちが、想像で勝手なことを言っています。それが、母親をどれだけ傷つけ、不安にしているかも知らずに……。

「将を射んと欲すれば、まず馬を射よ」と言われます。敵の大将をやっつけようとすれば、その馬を弓で射よ、馬が倒れれば、乗っている大将も倒れる、ということです。
 これを逆に、将を守る立場で言うと、将を守るには、まずその馬を守らねばなりません。ここで将が、子どもとすると、馬は、お母さんです(馬に例えてごめんなさい)。
 子どもを守ろうとするなら、まず、それを支えているお母さんを守らねばなりません。
 ところが実際には、子どもを守るため、と言いながら、お母さんを攻撃していることが少なくありません。それでは、結局、子どもも倒れてしまいます。

 今日、少子化の急激な進行が、心配されています。平成十五年の出生率は、一・二九で、毎年、過去最低を更新しています。
 世界の先進国の中で、少子化の進行している国は、日本とドイツです。この二つの国に共通するのは、子育てについて、家族の責任、特に母親の責任が求められる点です。そのため、母親の子育て不安が大きくなっているのです。

 しかし、子育てというのは、母親だけでするものではありません。
 児童福祉法には、「国及び地方公共団体は、保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」と明記されています。

 社会で子育てする意識を、皆が持つこと、そして、子育てに奮闘するお母さんを、みんなで守り、サポートしていくこと。そして、お母さんに、不安ではなく、安心感と、笑顔をあげること。そのことが、今、最も必要なことではないかと思います。この小著が、その一助になればと願います。

   明橋大二


 読みました。お奨め本(特にお父さんへ)です。書籍、雑誌、新聞、刊行物等スクラップとして溜め込んだもの、最近読んだものなどで興味深いものをご紹介していきます。書籍の場合は「まえがき」を掲載したいと思います。
 昨年中2の娘に言われました。「世界で1番嫌いなのは妹、2番目がお父さん」娘の反抗期が来てしまったか、と覚悟したのですが中1の次女のほうがより深刻で厳しいことがわかってしまいました。宇宙人(女である娘たち)と地球人(男である自分)は腹の底から理解しあえるものなのか、命題です。
 ところで母親(女房)は、地球防衛軍なのでしょうか、それとも宇宙人である侵略者?なのでしょうか、どちらかわかりますか。ご同輩!
 上記の本の表紙に書いてあるのですが「子どもを守ろうとするならまず、お母さんを支えなければなりません。」あたりまえのことなのですが自分には欠けていた事のようです。反省


この子はこの子でいいんだ。私は私でいいんだ―これで、子どもの未来が輝く
明橋 大二
1万年堂出版