ぶらっとJAPAN

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足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

鯉にハマる ~ 京都 東山 智積院 ~

2015-06-26 23:01:11 | 京都

  前に一度行った時の印象がすごく良かったので、半夏生を見に行った日に再び訪れた智積院のお庭。数年前、CMに使われたという話も聞くほど、その美しさで有名なお庭です。ところが今回の訪問は、サツキの季節にはちと遅く、しかも築山を整備中とかで、禿げ山とまでは言いませんが、スカスカしててちょっと期待外れ。この景色を東山一と思われてもね、って感じです。なんというか、潤いが足りない。

 ところで、こちらの池が濁っているのは周りの緑を綺麗に映すためだそうです。おかげで鯉も人目を気にせずのんびりできて、気持ちよさそう。

「利休好みの庭」と呼ばれていますが、作庭は利休ではありません。この地にはもともと祥雲寺というお寺があって、秀吉が3歳で夭折したわが子・鶴松の菩提を弔うために建立したものです。江戸時代に家康の命により、物故していた智積院の玄侑僧正に祥雲寺が与えられ、智積院として再興されました。智積院の正式名称は「五百仏山(いおぶさん)根来寺智積院」。以前、根来山にあったころ、秀吉と対立し、その軍勢の攻撃で灰塵に帰していたと言いますから、なかなか因縁深いものがあります。言われてみれば、すぐ隣には豊臣家ゆかりの豊国神社がありました。

 話を戻しますが、その祥雲寺建立のきっかけとなった鶴松の逝去が天正19年(1596年)9月、利休自害がその年の4月ですから、この庭が作られた時、利休はすでに故人でした。ただ作庭は小堀遠州という説があり、利休の茶の弟子であったことから、師を偲んで、師匠好みの庭を作ったのではないかと言われているそうです。

 前回の訪問では、ミニチュアの山河な感じがとてもよかったのですが、今回はそういう全体的な印象は捉えられなかったです。圧倒的に緑が足りなくてまとまりがない感じ。ちなみに、真ん中に流れる小さな滝は「水が去る」ということで「法」を表しているそうです。その前に僧侶の形をした羅漢石が置かれているというのですが、写真を見る限りでは判別がつかず(^^; 

むむむ・・・。

 そう言えば、前回は眺めている時にサギがやって来て、その姿がまた美しかったんです。鳥も近寄らない、落ち着かない雰囲気なのかもしれません。

 期待値が大きかっただけに少々残念な結果でした。

 だからという訳ではありませんが、今回は池の鯉に熱中。最近覚えたばかりの連写機能で撮りまくりです。動くものを撮るために、連写モードを使いたかったのですが、最近までピントの合わせ方がわかりませんでした(^^; ようやく設定できるようになり、かなりイイ感じです♪

 

 この池は縁側のすぐ下まで来ているので、見下ろせば池はほとんど真下です。たぶん、慣れているのでしょう、近寄って来る人は餌をくれるものと思い、急接近してくる可愛いヤツ。

ちょーだい♪

くれへんのかい!

あんさん、人間なんかほっといたらよろしいねん。―せやな。

 

意外に仲睦まじい鯉夫婦(たぶん)。

 以前、ここは池水回遊式庭園で、大書院をぐるりと池がめぐって、まるで池に浮かんでいるようだったとか。現在、大書院の裏側は水の代わりに白砂を敷き詰めた枯山水になっています。

 

長い回廊。

 書院の各部屋にある現代的な水墨画の桜や、可愛らしい童子の絵などの障壁画は見ごたえありました。利休好みの庭の前にあるのは、等伯の障壁画のレプリカです。国宝である本物は、別棟の宝物館で拝観できます。

 今後、築山は刈り込まれ、元の通りに戻るのには少し時間がかかるそう。復活が待ち遠しいです。

 


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