ぶらっとJAPAN

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生きた建築ミュージアム探訪 4 華麗なる住友一族 

2015-11-06 21:52:41 | 大阪

重厚な三井住友銀行大阪本店ビル。

本日は庶民の大阪から離れて、華麗なる住友財閥の遺産をご紹介。旧住友ビルディング、現在の三井住友銀行大阪支店(旧住友銀行)です。

博物館みたいな入り口。

現役のオフィスで通常は銀行業務も行われるところなので、撮影できるのは共用応接ロビーのみ。最近耐震工事が終わって、長年雨漏りカバーで覆われていたステンドグラスが再び見られるようになりました。もともと天窓ですが、現在はLEDの光があてられています。

ぴかぴかです。

壁にステンドグラスが映ってます。

この後、実際に業務が行われている部屋にも見学に行ったのですが、まああ凄かったです。地上6階地下1階建ての、地上5階分が吹き抜けなんですよ! ギリシャ神殿も真っ青の石柱が立ち並び(柱の太さは東大寺なみ)、奥にはベルサイユ宮殿もかくやという深紅のカーテンが飾られています。昔はここで演奏会などもしたらしいです。北側半分が大正11年竣工、南半分が昭和2年竣工だそうですから、築90年! ほどになります。明治以来流れ込んできた西洋文化が成熟して日本人の身についてきたのが大正時代なんでしょうね。ひとつの大きな実りを迎えた感じがあります。これほどの豪華な建物を作ったのは、もちろん財閥の権威を示すためということもあるでしょうが、文化の粋を極めたいという思いもあったんじゃないでしょうか。そして、外国人になめられたくなかったのかな。そう考えると、この桁外れの大きさがいじらしくも見えてきます。

こんな豪華なところで日常業務を行っている人が現在進行形でいるなんて信じられません。いろんな感性が良くも悪くも庶民とは違ってくるでしょうね。憧れはありますけれども、つましい日常生活を送る人間には、こんなところで働くのはちょっと怖い気がします。小銭落としただけで響きそう・・・。

入り口にあったオブジェに心が和みます。こういうのがあると親しみがもてます。

オブジェの上にはプレートが。

ちなみに高麗橋の方に旧三井銀行の三井住友銀行大阪支店がありますが、イギリスの建築家コンドルの愛弟子曽禰達造と中條精一郎が起こした曽禰中條建築事務所最後の作品で、こちらも迫力ありました。

古典主義建築のお手本のような建物なんだとか。

やはり現役の銀行なので内部撮影はNGでしたが、旧住友銀行同様、高い吹き抜けが華麗なところでした。華麗を極める=神殿(それもギリシャとかエジプトとか)というイメージが定着しているのでしょうか、コンドル設計の東京の三菱一号館美術館の一階のレストラン(昔、銀行業務が行われていたところ)も天井が高かったです。神様は天上にいますから、さもありなんて感じですか。

どちらの銀行も、昨日ご紹介した北野家住宅から歩ける距離にありますし、ついでに言えば薬で有名な道修町は中央支店の目と鼻の先です。

船場という街の多様さと繁栄ぶりがうかがえますね。北野家の人たちも、「すごい建物だねぇ」なんて見上げたりしたのでしょうか。

 


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2 コメント

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ほんと華麗☆ (chika)
2015-11-08 02:06:48
住友銀行大阪本店ビル、かっこいいですね~
三和銀行・大和銀行も関西、三井は昔から東西両方、証券の野村、商社の伊藤忠・丸紅・住商・イトマン・トーメン・蝶理、小売は三越・高島屋・そごう・大丸・・・・・昔は商業の中心が大阪やったんやなぁと思います。
多くが本社を東京へ移転しましたが、かつての繁栄を偲ばせるこういう建物は大事にしていって欲しいです
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口あんぐりの連続でした。 (bratt-japan)
2015-11-08 17:13:31
ほんとに昔の大阪は活気があったんでしょうね。
ずらずらっとあげていただいた企業名みててもすごいなぁって思います。
いろいろな方がことあるごとに大阪頑張れ!みたいなことをおっしゃいますが、その理由がだんだんわかってきました(笑)
過去でなく現役で元気な大阪を語ってみたいものです
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