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マタタビ・5~両性花

 マタタビ科マタタビ属の「マタタビ(木天蓼)」。全国の山地に分布するつる性落葉木本で雌雄異株。6~7月に直径2センチほどの白い5弁花を下向きに咲かせる。見に来るタイミングが少し遅く多くの花は受粉して子房が膨らみ始めているがいくつかの株を探して漸く写真の両性花を見つけることができた。多数の雄蕊の中心に子房があり雌蕊の白い花柱が見える。両性花にある雄蕊の花粉は不稔のようだ。ネット情報ではマタタビには両性花、雄花の他に雄蕊の無い雌花があるという記載もある。確かに雌株を見ると雄蕊が無い花もあるが、これは受粉後に雄蕊が落ちたとも考えられる。来年は咲き初めの状態を確認しよう。マタタビの果実はマタタビミタマバエが産卵して虫こぶになることが多く花の右側に見える塊は虫こぶが出来始めている。虫こぶは雌株だけでなく雄株でも見られる。雄花の子房にあたる部分にタマバエが産卵して同じような形になる。
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トチバニンジン・4~高尾山6号路2

 高尾山“6号路”に生育している「トチバニンジン(栃葉人参)」。ウコギ科トチバニンジン属の多年草で日本原産。北海道~九州の山地に分布している。その姿は薬草の朝鮮人参に似ており葉の形状がトチノキに似ていることから名付けられている。草丈は50~80センチで6~8月に花茎を伸ばし先端に球状に淡黄緑色の直径5~6ミリの小花を多数咲かせる。雄性先熟で写真では5枚の花弁と5本の雄蕊が見えるが、この後、花弁と雄蕊が落ち雌蕊の柱頭が現れる。
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オオチゴユリ・2〜果実

 イヌサフラン科(←スズラン科・ユリ科)チゴユリ属の「オオチゴユリ(大稚児百合)」。北海道~中部地方の山地の林内に生育する多年草でチゴユリよりも花が少し大きく草丈は40~70センチになる。果実は球形の液果で秋に黒く熟す。
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マタタビ・4~雄花

 奥高尾“高尾林道”で多く見られる「マタタビ(木天蓼)」。北海道~九州の山地に分布するつる性落葉木本で雌雄異株。花期の6~7月に葉を白くさせて良く目立つようになる。白い5弁花がウメに似ていることから「ナツウメ(夏梅)」とも呼ばれる。写真は雄花で直径2~2.5センチほど。
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カワラサイコ・4~葉

 多摩川土手で良く見られる「カワラサイコ(河原柴胡)」。バラ科キジムシロ属の多年草で陽当たりの良い河原や砂地に生育している。葉は7~15対の小葉から成る奇数羽状複葉になり小葉は更に羽状に深く裂けている。小葉と小葉の間には付属小葉片と呼ばれる小さな裂片がある。同属のヒロハノカワラサイコにはこの小葉片が無い。
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アジサイ

 アジサイ科(←ユキノシタ科)アジサイ属の「アジサイ(紫陽花)」。日本原産のガクアジサイの園芸品種で中央部分の花が全て装飾花になったもの。その装飾花の中にも花弁と蕊のある小さな花を見ることが多い。
 さてアジサイの葉は虫に食べられた跡がほとんど見られない。古くからこの葉には虫に食べられるのを防ぐために青酸配糖体が含まれている定説になっている。実際に2008年にアジサイの葉を季節感を出すために料理に添えて出され、嘔吐やめまいなどの中毒症状が出たという騒ぎがあった。しかしアジサイを調べてみると青酸配糖体が見つかっていない。中毒を起こすのは確かだがそれが何なのかはまだ解明されていないようだ。
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ソウシシヨウニンジン・2~開花

 奥高尾“逆沢作業道”に生えている「ソウシシヨウニンジン(相思子様人参)」。ウコギ科トチバニンジン属の多年草で草姿や花はトチバニンジンと全く変わらないが、赤い果実の先端だけ黒いマジックで塗ったようになる変種。去年ここでその果実を見ていたのでこの花もソウシシヨウニンジンと判断した。"相思子”とはマメ科のトウアズキ(唐小豆)の生薬名でその果実は赤く先端が黒い。
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コゴメバオトギリ・3~多摩川

 府中市立四谷小学校付近の多摩川河川敷に咲いている「コゴメバオトギリ(小米葉弟切)」。オトギリソウ科オトギリソウ属の多年草でヨーロッパ原産。アメリカやアジアに広く帰化している。日本では1930年に三重県で発見されその後各地で帰化が確認された。花期は5~7月で茎の上部に直径4~4.5センチの黄色い花を多数咲かせる。葉の長さは12~13ミリと小さい。良く似た種のセイヨウオトギリの葉は20ミリ以上になるようだが、当地では見たことが無い。
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ハアザミ

 キツネノマゴ科ハアザミ属の「ハアザミ(葉薊)」。地中海沿岸地方原産の多年草で草丈は1~1.8メートルになり5~7月に長さ4~5センチの筒状の花を穂状に咲かせる。「アカンサス(Acanthus)」とも呼ばれるがアカンサスは属の総称でもある。花は上唇が退化しており白い花弁(下唇)がありその上にブラシのような4本の雄蕊がある。雌蕊は花柱が長く萼片に張り付いて柱頭は2裂している。花弁と蕊を挟むように上には紫色掛かった萼片があり下部には鋭いトゲのある苞葉がある。写真は上部の萼片を持ち上げた状態だがその際に苞葉にある鋭いトゲに触れてかなり痛かった。ギリシャ語のakanthaとは“トゲ”の意味になる。ハアザミはギリシャの国花でその大きな葉は古代ギリシャ以来建築物や内装のモチーフになり“コリント様式”の円柱装飾などに見られる。
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ミヤマナミキ・5~高尾山6号路

 高尾山“6号路”で開花した「ミヤマナミキ(深山浪来)」。シソ科タツナミソウ属の多年草で草丈は5~15センチ。6~8月に長さ7~8ミリの唇弁花を数個咲かせる。同属のナミキソウ(浪来草)が海岸の砂地に生育するのに対して本種は山地に生育する。高尾山ではいつも“3号路”で見ていたが“6号路”では初めて開花を確認した。日本固有種で東京都では高尾山系など西多摩や南多摩に分布しているが生育環境は低山の沢筋の斜面や渓谷林下のため大雨による土砂流出などで生存が脅かされている。ここも登山道脇のギリギリの場所でその先は急斜面。登山者が足を滑らせれば根こそぎ削られてしまう。何とか長く生き延びて欲しい。
 さてミヤマナミキは“ソハヤキ要素”の植物とも考えられている。この“ソハヤキ”とは植物学者の小泉源一博士(1883ー1953)が名付けた用語で具体的な定義は無いが、九州南部、四国南部、紀伊半島・東海地方、研究者によっては伊豆半島や神奈川県まで含む地域に分布の中心がある日本固有の植物のことを指している。これらの地域は現在は海を隔てているが日本列島が形成される過程では陸続きの暖温帯で共通した植物が分布していたと考えられている。漢字表記は“襲速紀”だがこれは“襲(=九州南部の民族の熊襲(くまそ))”と“速(=豊予海峡の古い呼び名の速吸瀬戸(はやすいのせと))”と“紀(=紀伊))”を合わせた造語になる。この“ソハヤキ要素”に該当する植物は約100種類が挙げられており、このブログに登場しているものではクロガネモチ、クロモジ、コウヤマキ、シモバシラ、トサミズキ、ナギ、ヒメシャラ、マルバノキ、モチツツジ、ユキワリイチゲなどがある。
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