goo

ヤマコウバシ・3~内裏池

 小山内裏公園"内裏池”付近に生育している「ヤマコウバシ(山香ばし)」。クスノキ科クロモジ属の落葉低木で中国原産。原産地では雌雄の株が存在するが日本には雄株が無いとされ雌株だけで結実する。
 2021年に大阪市立大学院理学研究科名波准教授らの研究グループはヤマコウバシ、アブラチャン、クロモジ、ダンコウバイの雌雄異株樹の4種のDNA情報を分析し、アブラチャン、クロモジ、ダンコウバイの3種は自家受粉や単為生殖を行わず必ず雌雄の交配によって近交弱勢を避けていることが示されたものの、ヤマコウバシは雌株が単独で種子を生産することで雌雄異株性の不利を克服し更に日本のヤマコウバシがたった1本の雌株から生じた巨大なクローンであることを解明した。つまり日本にあるすべてのヤマコウバシは同じ遺伝子を持っており、この分布範囲は距離にして1,000キロを超える世界的にも極めて珍しい大規模なものとしている。
 ヤマコウバシの葉はクヌギと同様に真冬でも枝から落ちることなく長く残っていることが多い。そのため受験生にとっては『落ちない』ということでお守りにする学生も多いようだ。
コメント ( 16 ) | Trackback ( )

ヌルデ・8~黄葉

 南大沢5丁目の林縁に生えている「ヌルデ(白膠木)」の幼木。ヌルデはウルシ科ヌルデ属の落葉小高木で明るい山野で普通に見られる先駆植物。周りの樹が大きく育つと枯れてしまう。ヌルデは秋に綺麗に色付くので"ぬるでもみじ”という言葉があり、俳句の世界では秋(晩秋)の季語になる。当地では中途半端に赤くなるものもあれば鮮やかに紅葉するものもある。ここでは珍しく黄色を見せていた。
コメント ( 4 ) | Trackback ( )

コナラ・8~神子沢公園

 神子沢公園付近の遊歩道で鮮やかに紅葉している「コナラ(小楢)」。ブナ科コナラ属の落葉高木で武蔵野の雑木林を代表する雑木のひとつ。"ドングリの木”としても馴染み深くこの時期に公園を散歩している幼稚園児達がこのドングリ拾いを楽しんでいる。近年、全国的に"ナラ枯れ”被害が拡がっており雑木林ではコナラの立ち枯れが多く見られるが、公園管理者などによる伐採作業が続いている。早く被害が一段落するのを願っている。
コメント ( 4 ) | Trackback ( )

クヌギ・8~黄葉

 東京都立大学キャンパスに生えている「クヌギ(櫟・椚・橡・櫪)」。ブナ科コナラ属の落葉高木で多摩丘陵ではコナラと共に多く見られる。当地ではクヌギは写真のように黄色くなり紅葉は見たことが無い。この後、この葉は褐色になり冬の間もヤマコウバシと同じように枝に長く残っている(=枯凋性)。
コメント ( 4 ) | Trackback ( )

アカシデ・4~松木日向緑地

 松木日向緑地で綺麗な紅葉を見せている「アカシデ(赤四手・赤垂・赤幣)」。カバノキ科クマシデ属の落葉高木で北海道南部~九州の低山の雑木林に自生している。当地ではイヌシデと共に良く見られる雑木で春の開花や秋の紅葉が楽しめる。
コメント ( 8 ) | Trackback ( )

ハナノキ・12~高木

 将棋の竜王戦七番勝負は藤井八冠が4連勝でタイトル防衛を果たし第5局以降は行われなかった。そのため第5局が予定されていた香川県琴平町では藤井竜王の祝賀会を開催し、竜王は"ことでん(高松琴平電気鉄道)”に乗り込み運転操作や車掌体験を楽しまれた。
 竜王の鉄道好きは有名で、北海道小樽市で開催された竜王戦第4局(11月10~11日)での勝利会見で『勝利のご褒美は?』と聞かれると『"山線”に乗りたい』と"乗り鉄”らしい言葉が返ってきた。"山線”とはもちろん東京都心の山手線ではなく函館本線の長万部~小樽間(140.2キロ)の通称。函館本線は明治時代に開通した道内最古の主要幹線で"山線”はなるべくトンネルを掘らずに自然に逆らわず谷間をクネクネと進んでいく。長万部を出発すると二股、黒松内、熱郛、上目名(1984年廃駅)、目名、蘭越、昆布、ニセコ、比羅夫、倶知安、小沢、銀山、然別、仁木、余市、蘭島、塩谷を経由して小樽に至る。"山線”の車窓からは自然豊かなシラカバ、エゾマツ、トドマツなどの原生林や蝦夷富士(羊蹄山)を見ることができる。
 1970年頃までは函館から札幌に向かうにはこの"山線”がメインで、急勾配、急曲線を進む蒸気機関車C62形が重連で引っ張る急行ニセコは花形列車だった。しかし札幌~室蘭が電化され特急ライラックが登場すると、長万部から海沿いに進み室蘭を経由して札幌に向かう室蘭本線・千歳線ルートいわゆる"海線”が、距離的には30キロ以上も遠回りになるが次第にメイン路線になっていった。"海線”には観光地の登別、工業都市の苫小牧、空港に近い千歳などがあり沿線人口がどんどん増えていった。
 北海道新幹線は2016年に新函館北斗まで開業し2030年度末に札幌までの延伸を計画している。そのルートは距離が短い"山線”に近いルート(新函館北斗ー新八雲-長万部-倶知安-新小樽-札幌)になるため完成後は並行在来線の"山線”は残念ながら廃止される運命にある。
 私は高校時代に"山線”を急行で往復し大学2年の時にはこの路線沿いの国道5号線を自転車で登って行った。ニセコのユースホステル、羊蹄山の雄姿、余市のニッカウヰスキー工場など思い出は多い。藤井竜王が"山線”に乗りたいという気持ちは同じ鉄道ファンとして非常に良くわかる。私も"山線”が廃止される前にもう一度乗ってみたいと思っている。
 閑話休題。写真は南大沢八幡神社横の松木日向緑地に生育している「ハナノキ(花の木)」。ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の落葉高木で樹高は15メートルはありそうだ。ハナノキは雌雄異株でこの樹は15年前に低い枝に雄花が咲いているのを確認しているので雄株だとわかっているが、今では高くなり過ぎてとても雌雄の区別は出来ない。
コメント ( 8 ) | Trackback ( )

ヒロハホウキギク・2~草姿

 小山内裏トンネル付近の歩道脇に生えている「ヒロハホウキギク(広葉箒菊)」。キク科シオン属の一年草で北アメリカ原産。草丈は60~80センチで大きいものは150センチにもなる。この多摩ニュータウン通り沿いでは点々と生えている。当地ではホウキギクが見られないので実際に比較できないが、ホウキギクの花序の枝が30°~60°の角度で開出するのに対して本種は60°~90°の角度で開出するという。写真はヒロハホウキギクの草姿で60°の角度は微妙だが真横(90°)に伸びている花序も見られる。ホウキギクの草姿は全体的にこんもりと纏まるようだ。
コメント ( 4 ) | Trackback ( )

ノササゲ・4~南高尾

 高尾山は2007年にミシュランガイドで富士山と共に最高ランクの星3つを獲得したことから登山者が急増し何と年間300万人を超えるほどになっている。1年365日で単純計算すれば1日当たり8千人になるが、土日はおそらく3〜4万人にもなるだろう。ミシュラン星3つ取得の翌年の紅葉シーズンには7万人を超え入山規制もあったと聞く。春の花シーズンと秋の紅葉シーズンは麓のケーブルカー駅前は朝から大行列。車内は通勤ラッシュ並みになる。通常期の土日はともかくこの紅葉シーズンの土日に高尾山に行くのはとても勧められない。そんな高尾山の様子をウォッチしていると微笑ましい登山者もいれば迷惑登山者もいる。
・奥高尾一丁平まで登ってきた元気いっぱいの幼稚園児軍団
・ベビーカーに子犬を乗せて急坂を押しているお年寄り
・登山道を裸足で登っているつわもの
・進入禁止の1号路を自転車で登り途中のつづら折れ辺りでへばっている外国人
・体力を過信して動けなくなり救急隊を出動させる迷惑者
・細い登山道を20人以上の大行列で進む行軍
・広い表参道を横に拡がり決して抜かせないディフェンス集団
・紅葉を楽しむことなくおしゃべりを続けているご婦人
・脇道で用を足す不届き者 等々
 高尾山はみんなが楽しむところであり、マナーを守ってそれぞれ良い思い出を作って欲しいものだ。
 写真は南高尾"関東ふれあいの道”で見られる「ノササゲ(野大角豆)」。マメ科ノササゲ属のつる性多年草で本州~九州の山野に生育している。8~9月に長さ1.5~2センチの淡黄色の花を咲かせ晩秋に豆果を稔らせる。その莢は美しい紫色で中には藍色の種子が2個ある
コメント ( 16 ) | Trackback ( )

マルバフジバカマ・3~果実

 キク科ヒヨドリバナ属の「マルバフジバカマ(丸葉藤袴)」。北アメリカ原産の多年草で日本には明治時代中期に渡来した。神奈川県箱根町の強羅公園に植栽されていたものが逸出して、その後、関東地方~東北地方に拡がっているが、何故か多摩ニュータウンでは定着していない。花期は9~10月で果実は冠毛のある痩果になる。痩果は長さ2ミリほどで冠毛は2.5~3ミリ。開いた冠毛の中心に枯れた花が残っている。
コメント ( 0 ) | Trackback ( )

ヤマホトトギス・2~果実

 万松寺谷戸付近の野道で見掛けた「ヤマホトトギス(山杜鵑草)」の果実。ユリ科ホトトギス属の多年草で7~9月に茎先や葉腋に散房花序を出し上向きの花を数個付ける。果実は長さ2~3センチの蒴果で熟すと先端が3裂し種子を零す。同属のヤマジノホトトギスは花被片の様子などの違いがあるが花序も異なる。
コメント ( 0 ) | Trackback ( )
« 前ページ