高尾山"4号路”の道端に生育している「マルバノホロシ(丸葉保呂之)」。ナス科ナス属の多年草で8~9月にヒヨドリジョウゴに似た花を咲かせる。“保呂之”はヒヨドリジョウゴの古名で、ヒヨドリジョウゴの葉が3~5裂するのに対して本種は裂けないので"丸葉”の名が付けられている。葉は丸くはない。
イネ科スズメノヒエ属の「スズメノヒエ(雀の稗)」。陽当たりの良い草地に生育する多年草で日本全国に分布している。草丈は40~80センチで花期は8~9月。茎の先が3~5本に分枝し小穂を下向きに付ける。小穂は楕円形で長さは3ミリほど。雌蕊の柱頭は黒紫色で雄蕊の葯は淡黄色になる。外来種のシマスズメノヒエは柱頭と葯も黒紫色になる。これは奥高尾"大平林道”のもの。
立川市高松町の立川通りで見掛けたかなり旧式の『電話ボックス』。そもそも今電話ボックスを見ること自体が珍しい。公衆電話は昭和時代には急速に増えていき携帯電話が無い時代にはずいぶんお世話になった。写真の電話ボックスは昭和29年に登場し赤い屋根とクリーム色から"丹頂形”と呼ばれたようだ。四方が透明ガラスになったのは東京オリンピックが開催された昭和39年で会場付近に設置された。その後昭和44年から全国的に使用され始め写真の"丹頂形”が姿を消していった。
私が高校生の頃、もう時効なので白状するが公衆電話をタダで使う裏技があった。公衆電話の使い方は受話器を上げコインを入れてダイヤルを回すが、相手が話し中やダイヤルを回さずに受話器をフックに戻すとコインが戻ってくる。裏技は受話器を上げコインを入れてダイヤルを回す前にフックを少しずつ下げていく。この微妙な感覚が肝心なのだが、ミリ単位で下げていくと通話可能な状態のままコインがチャリンと戻る瞬間がある。この絶妙なタイミングがたまらなかったが、結局電話を掛ける相手もいないのでそのまま受話器を戻した。
『アビーロードの街』
作詞:伊勢正三 作曲:南こうせつ 歌:かぐや姫 昭和48年
(JASRAC許諾期間終了のため歌詞省略)
昭和記念公園"菖蒲園”の湿地で見られる「サギソウ(鷺草)」。ここでは8月中旬が盛期だがなかなか機会が無く月末近くになってやっと訪れることができた。予想通り花はほとんど終っていたが何とか終花を見ることができた。サギソウはラン科ミズトンボ属の多年草で低地の陽当たりの良い湿地に生育している。サギソウのギザギザの裂片はポリネーターのスズメガが花を掴むための支えになっている。
奥高尾"逆沢作業道”で見つけた「ソウシシヨウニンジン(相思子様人参)」。ウコギ科トチバニンジン属の多年草で北海道~九州の山地の林内に生育する。草丈は50~80センチで花や葉はトチバニンジンにそっくりだが赤い果実の先端だけがマジックで塗ったように黒くなる変種。"相思子”とはマメ科のトウアズキ(唐小豆)の生薬名でその果実は赤く先端が黒い。本種の名前は"相思子”のような果実が出来るトチバニンジンという意味になる。
長池公園“築池”畔で見られる「タヌキマメ(狸豆)」。マメ科タヌキマメ属の一年草で草丈は30~50センチ。陽当たりの良いやや湿った場所に生育している。7~9月に直径1センチほどの蝶形花を総状に咲かせる。花は午後になってから開くので午前活動型の私は見る機会が少ない。萼片には毛が多く花や果実の様子をタヌキに見立てて名付けられている。
多摩動物公園南交差点の道端に繁茂している「ママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)」。タデ科イヌタデ属のつる性一年草で葉や茎に細かいトゲがあり触ると痛い。この葉で憎い継子の尻を拭いて虐めてしまおうという意味だが、こんなトゲで拭かれたらたまらない。花期は5~10月で茎の先に直径5ミリほどの数個の花が固まって咲く。花被片の先端は5裂し雄蕊は8本ある。
ナデシコ科ナンバンハコベ属の「ナンバンハコベ(南蛮繁縷)」。花期は7~9月で果実は蒴果で長さ1センチほどの楕円球形になる。藍色の種子は指で簡単に潰れるほど柔らかく中には直径1.5ミリほどの種子が数十個詰まっていた。
奥高尾“日影沢林道”で吸水していた「ミヤマカラスアゲハ(深山烏揚羽)」。翅をパタパタ小刻みに動かすのでなかなか翅を拡げた瞬間が撮れない。何度かシャッターを切って何とか翅の色がわかるのがこの一枚。ミヤマカラスアゲハはアゲハチョウ科アゲハチョウ属のチョウで写真は夏型のオスのようだ。翅の一部は“構造色”という特殊な仕組みで美しい金属光沢の色彩を生み出している。ミヤマカラスアゲハが実際に持っている色素は黒系、赤系、黄系、白系であり青系や緑系の色は構造色の光の反射具合により発色している。
高尾山"4号路”の常緑樹に蔓を伸ばしている「ホドイモ(塊芋)」。マメ科ホドイモ属のつる性多年草で7~8月に直径1センチほどの奇妙な形の花を総状に咲かせる。これまで当地の蓮生寺公園や東中野公園で自生を確認していたが、ここ高尾山"4号路”では初めて見た。ホドイモは花の構造が複雑過ぎて受粉しにくいのかまだその果実を見たことがない。秋にまた観察してみよう。