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ミヤマナミキ・5~高尾山6号路

 高尾山“6号路”で開花した「ミヤマナミキ(深山浪来)」。シソ科タツナミソウ属の多年草で草丈は5~15センチ。6~8月に長さ7~8ミリの唇弁花を数個咲かせる。同属のナミキソウ(浪来草)が海岸の砂地に生育するのに対して本種は山地に生育する。高尾山ではいつも“3号路”で見ていたが“6号路”では初めて開花を確認した。日本固有種で東京都では高尾山系など西多摩や南多摩に分布しているが生育環境は低山の沢筋の斜面や渓谷林下のため大雨による土砂流出などで生存が脅かされている。ここも登山道脇のギリギリの場所でその先は急斜面。登山者が足を滑らせれば根こそぎ削られてしまう。何とか長く生き延びて欲しい。
 さてミヤマナミキは“ソハヤキ要素”の植物とも考えられている。この“ソハヤキ”とは植物学者の小泉源一博士(1883ー1953)が名付けた用語で具体的な定義は無いが、九州南部、四国南部、紀伊半島・東海地方、研究者によっては伊豆半島や神奈川県まで含む地域に分布の中心がある日本固有の植物のことを指している。これらの地域は現在は海を隔てているが日本列島が形成される過程では陸続きの暖温帯で共通した植物が分布していたと考えられている。漢字表記は“襲速紀”だがこれは“襲(=九州南部の民族の熊襲(くまそ))”と“速(=豊予海峡の古い呼び名の速吸瀬戸(はやすいのせと))”と“紀(=紀伊))”を合わせた造語になる。この“ソハヤキ要素”に該当する植物は約100種類が挙げられており、このブログに登場しているものではクロガネモチ、クロモジ、コウヤマキ、シモバシラ、トサミズキ、ナギ、ヒメシャラ、マルバノキ、モチツツジ、ユキワリイチゲなどがある。
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ヤマニガナ・5~長沼公園

 長沼公園“野猿の尾根道”で咲き始めた「ヤマニガナ(山苦菜)」。キク科アキノノゲシ属の一年草もしくは越年草で草丈は70~80センチ。中には1.5メートルを超えるものもある。日本全土の山地に分布し7~9月に茎の上部に直径1.5~2センチの頭花を数個咲かせる。茎の上部の葉は細長いが下部の葉は大きく羽状に裂けるのでわかり易い。当地では長池公園や小野路城址付近で見ており高尾山系にも生育しているがこの道では初めて確認した。
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フジキ・12~高尾山1号路

 今年は「フジキ(藤木)」の当たり年のようなので以前存在を確認していた高尾山“1号路”の高木を見に来た。樹はすぐにわかったが登山道には白い蝶形花が見当たらない。この株は咲かなかったと思いとりあえず10~15メートル上に見える葉序を撮っておいた。帰宅して画像を拡大してみると葉序の上に花序が写っている。やはりここでも咲いたようだ。この日は新たに“冨士道”でもフジキの落花を見つけ存在を確認した。これでこの界隈ではこれまでに“相原町権現谷”“高尾山1号路”“高尾山冨士道”“奥高尾もみじ台北巻き道”“奥高尾日影林道”“城山(複数本)”に生育していることがわかった。
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