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サワギク・5~奥高尾

 奥高尾の登山道脇に咲いている「サワギク(沢菊)」。キク科サワギク属の多年草で草丈は60~80センチ。山地の沢沿いや湿り気のある場所に生育している。花期は5~8月で茎の上部に直径1~1.5センチの花を数個咲かせる。舌状花は10~13枚あり中央は筒状花になる。花後に冠毛の付いた痩果がぼろ布のように見えるので「ボロギク(襤褸菊)」の別名がある。
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ケンポナシ・6~花

 野津田公園の林縁に生育している「ケンポナシ(玄圃梨)」。クロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木で北海道~九州の山地に分布している。6~7月に枝先に集散花序を出し直径7~8ミリの淡黄緑色の小さな花を多数咲かせる。花弁は5枚で雄蕊は5本ある。果実は秋に黒く熟すが同時に果柄が肉質化していく。この果柄は甘くて梨のような味がする。その奇妙な果柄の様子が腫れぼったい手に見えて“手棒(てぼう→てんぼう)”と呼ばれていたものが転訛したという説がある。“玄圃”とは中国の奥地にある仙人が住む場所という意味で本種とは無関係だが読み方からこの字が当てられたようだ。
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コクラン・7~別所地区

 別所地区の雑木林で咲き始めた「コクラン(黒蘭)」。ラン科クモキリソウ属の多年草で関東地方以南の常緑広葉樹林や竹林などの林床に生育している。花の前面にある暗紫色の部分が唇弁で中央が凹み先端は緑色で反曲している。左右に開いているのが側萼片で一番下の細い紐状のものが側花弁(反対側にもう1本が隠れている)。後方に跳ね上がっているものが背萼片で距は無い。上部に立っている淡黄緑色の部分が蕊柱で雄蕊と雌蕊が合着したもの。
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ジュンサイ・5~果実

 ハゴロモ科(←スイレン科)ジュンサイ属の「ジュンサイ(蓴菜)」。水底に地下茎を張り水中に茎を伸ばして水面に葉を浮かべる。5~8月で水上に立ち上がった花茎の先に直径2センチほどの花を咲かせる。写真は果実でひとつの花から楕円形の果実が数個出来て水中に沈む。果実は何年経っても発芽する能力がある。
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ソクズ・3~開花

 ガマズミ科(←レンプクソウ科←スイカズラ科)ニワトコ属の「ソクズ(蒴くず※)」。草丈は1~1.5メートルで6~8月に茎頂に散房状の集散花序を出し直径3~4ミリの花を多数咲かせる。ソクズの花序には黄色い杯状の腺体がありここに蜜がある。花には蜜が無いので腺体に群がるアリがついでに受粉の手助けをするのだろう。お陰で結実はあまり高くないようだ。木本のニワトコに似ているところから「クサニワトコ(草接骨木・草庭常)」の別名がある。これは大塚なかおね公園のもの。
 ※くずの漢字は草かんむりに羽にふるとり
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キバナノマツバニンジン・3~長池公園

 長池公園“姿池”横の斜面に咲いている「キバナノマツバニンジン(黄花松葉人参)」。アマ科アマ属の一年草で北アメリカ原産。当地では堀之内寺沢里山公園外周や蓮生寺公園付近で開花を見ているが、今年、当地の公園管理者がここに咲いているのを発見した。花は夕方から咲き始める一日花で午前活動型の私は基本的には出会えない花ということになる。花径は8~9ミリで花弁は5枚ある。
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ヒメシロウテナタケ

 高尾山“6号路”で見掛けた超小型のキノコ。傘の直径はわずが5ミリほどだ。これはキシメジ科ヒメシロウテナタケ属の「ヒメシロウテナタケ(姫白台茸)」だろう。山地の沢沿いの樹の根元などに発生する。“うてな(台)”とは仏様が座る蓮台のことで花の萼片の意味もある。ちなみに化粧品会社の“ウテナ㈱”の社名は『花の美しさを萼が支えるようにすべての人の美しさを支えたい』という想いが込められて付けられたようだ。
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トチバニンジン・3~高尾山6号路1

 高尾山“6号路”に生育している「トチバニンジン(栃葉人参)」。ウコギ科トチバニンジン属の多年草で草丈は30~40センチ。葉がトチノキに似た掌状複葉になり根茎を朝鮮人参のように薬用にすることから名付けられている。花は直径3センチほどの球形の散形花序になりひとつの花の直径はわずか5~6ミリ。雄性先熟で咲き初めは5本の雄蕊が花粉を出しその後雌蕊の柱頭が伸びてくる。
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スズサイコ・4~谷戸

 キョウチクトウ科(←ガガイモ科)カモメヅル属の「スズサイコ(鈴柴胡)」。山野の草地や林縁に生育する多年草で草丈は50~100センチ。初めてスズサイコを見たのはここ町田市の谷戸だったが昨年はその場所では見つけられなかった。今年は奥高尾多摩川土手で見ることができ、改めてこの谷戸に見に来たらしっかり残っていた。また隣の谷戸の株も健在だった。
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ミドリドクダミ・2~葉化

 ドクダミ科ドクダミ属の「ミドリドクダミ(緑毒溜)」。正式名ではないが通常は純白の苞葉が緑色に変化したものをこのように呼んでいる。そもそもドクダミの苞葉はその名の通り“葉”であり本来は葉緑素のある緑色だったが長い年月を掛けて花のように進化した。当地の専門家に聞くとこの“葉化”は病原性細菌のファイトプラズマが起こす現象であり、調べてみると2011年に東京大学農学生命科学研究科がプレスリリースしていた。
 その研究内容は『ファイトプラズマはイネや野菜、果樹、樹木類に感染し枯らせたり黄化・萎縮させたりして農業生産上大きな被害をもたらす。また花卉(かき)や樹木などの植物に感染し、萼や花弁などの花器官が葉になる“葉化”や、バラの花の中央から若芽が出現する“貫生花”などのユニークな病徴を引き起こすことが知られている。研究ではファイトプラズマが花の形成にかかわる遺伝子発現を操作することによって花が葉に変化することを示した。』とのことだ。私のような典型的な文系の植物素人は単純に“先祖返り”と表現しているが、これはずいぶん奥が深そうだ。
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