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オニノヤガラ・9~開花2

 ラン科オニノヤガラ属の「オニノヤガラ(鬼の矢柄)」。薄暗い林内などに生育する多年性菌従属栄養植物で5~6月に60~80センチの花茎を伸ばし長さ2~3センチの花を総状に咲かせる。花はラン科独特の構造をしているが背萼片1枚と側萼片2枚が合着して壺状になり中に2枚の側花弁と1枚の唇弁がある。
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アオテンマ・4~雑木林2

 ラン科オニノヤガラ属の「アオテンマ(青天麻)」。薄暗い林内などに生育する菌従属栄養植物でオニノヤガラが全く葉緑素を持たず全体が褐色になるが本種は茎や花が緑色になる変種。
 菌従属栄養植物とは生きるために必要な栄養を光合成に変わって共生する菌に依存する植物で、もともとは光合成を行う独立栄養植物であったものが、光合成を止めていく“進化”が起こった。その過程で、葉緑素の喪失、根や地下茎の変化、色素体ゲノムの退化、普通葉の退化、種子の微細化、菌根菌や送粉昆虫など他の生物との共生関係など実に多様に変化していった。アオテンマには少量の葉緑素があるが光合成で養分を作るほどの量ではない。先祖返りとも考えられるが如何だろう。
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ミツデカエデ・3~若い果実

 神子沢公園に生えている「ミツデカエデ(三手楓)」。ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の落葉高木で北海道~九州に分布している日本固有種。雌雄異株で3~4月に葉の展開後に長さ10~15センチの総状花序をぶら下げる。写真は雌株で若い果実の様子。今は翼果が紅色だが熟す頃には褐色の枯れ色になっている。
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オオイタビ・3~花嚢

 地元の愛好家の方からの情報で久し振りに見ることができた「オオイタビ(大崖石榴)」。3年前に多摩市の若葉台小学校外周に蔓を伸ばしている大株の花嚢を観察したが、その後、見に行くと大株はすっかり刈られて根元からヒョロヒョロと幼葉が伸びているだけだった。オオイタビ自体は住宅地の外壁や長池公園などで普通に見られるが、かなりの大株にならないと花は付けないようだ。ここでは道路横の高い石垣に蔓を伸ばして大きく育っており成葉に隠れていくつかの花嚢が見られた。オオイタビはクワ科イチジク属のつる性常緑木本で茎から出る気根で岩や樹に固着して拡がっていく。雌雄異株でイチジク属の他種と同様に花は壷状の隠頭花序の中に咲きイチジクコバチ類によって授粉される。雄株の花嚢の長さは約7センチで幅は4センチほど。
 先日、以前の会社の連中との定期的な歩く会で、大岡山駅→東工大→洗足池→勝海舟記念館→池上本門寺→蒲田操車場(小説『砂の器』の事件発端の地)→蒲田温泉の9キロを歩いた。途中の池上本門寺付近の道路脇にオオイタビの果実がたくさん落ちているのに気づいた。崖を見上げるとはるか上にオオイタビの葉が茂っている。そこに行けばもしかしたら雌株があるかも知れないが、仲間と一緒であり探索できなかった。もし機会があれば雌株を探したい。
 (後日改めて池上本門寺まで行って確認したが残念ながら全て雄株のようで雌株の花嚢は見つからなかった。)
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