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『ヴァレーリエと不思議な一週間』 @チェコっとシネマ

2010-08-12 | cinema & drama


“チェコっとシネマ” とは、チェコ大使館内にあるチェコセンター東京が、月イチで開催している映画上映イベント。
もうずっと前から行きたい行きたいと思っていたのだが、いつも仕事のスケジュールが合わなかったり、行けると思ったら既に定員がいっぱいだったりで、なかなか実現しなかったのだが、今回6月の上映にやっと足を運ぶことができた。
チェコ大使館は広尾の閑静な住宅街にあり、開場時間は19時だったのでもう既に大使館業務は終わっていたが、日本文化とチェコ文化を融合させながら飾られている館内の絵や置物が、とってもいい雰囲気だった。
大使館内の映写室は、パイプ椅子などではなくちょっとした映画館のようで、椅子の幅が広くてゆったり。
上映前に、チェコセンターの所長さんの挨拶と映画の解説があった。噂どおりの愉快な人で、顔を見なければ完全に日本人と思うほど、日本語が流暢。

この日の上映作品は、『闇のバイブル』 という別のタイトルでDVDにもなっている 『ヴァレーリエと不思議な一週間(原題 : VALÉRIE A TÝDEN DIVŮ)』 という、1970年のファンタジー・ホラー映画。1932年に執筆された同名小説の映画化とのこと。

Amazonのサイトにある 「キネマ旬報社」 データベースには、次のように紹介されている。
多感な少女に降りかかる恐怖を幻想的な映像で描くファンタジックホラー。
13歳になり、初潮を迎えた美少女・ヴァレリエは、性への憧れを抱き始める。しかし、内に秘める肉欲への恐れはやがて吸血鬼の姿となり、彼女をカルトの世界へと引きずり込む。 

こういうのをカルト映画というのだろうな、と思った。シュールレアリズムの独特の雰囲気が、私には結局最後までふわふわ~っとしていてよく分からなかった。
それでも、つまらないとか途中で寝てしまうとかではなく、分からないなりに何か惹きつけられる魅力があった。
とにかく、ヒロインの女の子がヤバい! 可愛いすぎる。この作品は、どうやらゴスロリ(ゴシック・ロリータ)のバイブルと言われているのだそうだが、別にゴスロリでなくても、この子のキュートな小悪魔っぷりに翻弄されるだろう。
60~70年代の東欧の雰囲気がぷんぷん匂ってくるかのような怪しげな空気が漂い、独特の色彩とカメラワークで不思議な世界へと導いて行く。
女の子から少女へと成長して行く過程で、性への好奇心や嫌悪感を、妄想とも現実とも取れる世界で表現している。
不思議怪しい作品だが、とても芸術的な作品だと思う。



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