ピアノ・ベース・ドラムだけのギターレス・バンド、Ben Folds Fiveの1995年にリリースされたデビュー・アルバム 『Ben Folds Five』 を聴いた時の衝撃は、今でもハッキリと覚えている。ぶったまげた。
あれだけギターのメロディにこだわっていた私の固定観念を180度変えた。元々生ピアノの音は大好きだけど、ギターの音がないという意識が全くしなかった。
疾走する躍動感のある弾けるピアノが、カッコいいPOP&ROCKな音をかもし出していた。3ピースなのに、Ben Folds Five・・・・・Fiveって・・・???
そこがBenの狙いなのだろう。Benはひねくれ者で、かなりオチャメな奴だと私は思う。
ミリオン・セラーとなった2ndの 『Whatever and Ever Amen』 よりも、この1stの方が好きだ。
鍵盤をすべる、軽やかなBenのピアノの音が、本当に心地よい。
2000年にバンドを解散してソロとしてスタートしたBenは、ピアノ一台で従来のピアノ・マンの概念を大きくぶち破ったパフォーマンスで、エンターテインメントの才能をフルに発揮して行った。
そして、4年ぶりにリリースされたソロ第二弾 『Songs for Silverman』 を聴いた。
なんと初期のピアノ・ベース・ドラムのトリオ編成に戻って制作された本作は、弾けるピアノ・サウンドは健在で、更にしっとり感が増した。特に夜に聴くと、心地よさがより一層増す。
シングル・カットされた「Landed」は、ジワ~ッと心に染みてくる。「Trusted」の軽快なリズムも大好きだ。そして続くイントロなしで始まる「Give Judy My Notice」。
なめらかなピアノの音が、何とも言えない気持ちにさせてくれる。期待を裏切らない傑作だ。
今回、DVDと写真集がセットになって発売され(私はCDのみなので、友人に見せてもらった)、その映像と写真には、Benの遊び心満載の自由奔放なセンスが伺われる。
そしてやはり、Benはひねくれ者なんだな~って思わざるを得ない横顔がのぞく・・・(笑)
『Songs for Silverman』