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Hard-Fi / Once Upon A Time In The West

2009-07-08 | music : normal


NANO-MUGEN FES.に向けて、いろいろ予習中。
以前から気にはなっていたものの、なかなか音を聴く機会のなかったHard-Fi(ハード・ファイ)。今回いい機会となり、アルバム2枚を聴いてみた。
これは、彼らの2nd 『Once Upon A Time In The West』 で、2007年にリリースされたもの。
UKワーキング・クラス出身のハングリー精神に溢れた4人の若者による、グルーヴ感がそこかしこに感じられるギター・ロックは、なかなか渋くていい感じで、ライヴが楽しみだ。
“Ayyyyyyy Ohhhhh Ahhhhh” という野太いの掛け声じみたコーラスが耳に付くM-1 「Suburban Knights」 は、単調だけどバランスが取れていてインパクトがある。
アコギの音色を活かしたM-2 「I Shall Overcome」 は、重く陰ったメロディで、続くピアノをフィーチャーしたM-3 「Tonight」 は、最後のチェロの音色が美しい。
M-4 「Watch Me Fall Apart」 は、とてもドラマティックでタンバリンの音色が印象的。
1st 『Stars Of CCTV』 に比べると、ダンサブルなナンバーが減っているが、ストリングスやブラスを巧みに入れたアレンジは分厚く、バラエティに富んだ楽曲が続く。
M-7 「Help Me Pleas」 では、とても優しい一面を見せてくれるし、M-6 「Television」 やM-8 「Can't Get Along」 での心地良いポップなメロディや、M-9 「We Need Love」 のエキゾチックなメロディにはゾクッとさせられる。
M-10 「Little Angel」 のブラスのアレンジは、ちょっと音が重なりすぎて暑苦しいが、M-11 「The King」 で静寂を与えてくれる。最初は静かに始まり、だんだんと力強くなって行く、エモーショナルなバラードで締めくくる。

ずっしりと重みのある、男臭さが染み込んだ音と言った感じで、派手さはないが無難な内容で悪くはないが、1stの方が勢いがあって聴き応えがある。
アルバム・ジャケットに “NO COVER ART.” と大きく書かれていることについては、Vo.のRichard Archer(リチャード・アーチャー)はこう語っている。
“アルバム・ジャケットの重要性は、今やiPodのスクリーン上に表示される1cm四方の正方形と同等になりつつある。ジャケットというものは、かつてはアルバムに別の一面をもたらしてくれるものだった。だが、それも消滅しつつあるようだ。本当に悲しいことだね”
確かに同感だ。かつて、CDが普及し始めた頃、私はジャケットの楽しみが半減するという理由で、発売がなくなるまでアナログ盤を買っていた。
アルバムのアート・ワークも、そのアルバムの音楽と同じで、ひとつの重要な作品なのだ。
まだ日本ではCDの需要が廃れていないが、アメリカではもうほとんどダウンロード中心で、CDショップやレコード・ショップはどんどん閉店して行っている。
それでも、UKでは今でもアナログ盤が発売されている。そういうところは、古いものや定番のものを大切にするというお国柄が出ている気がする。
彼らのこのアルバム・ジャケットは、中を開いても “SECOND ALBUM PHOTOSHOOT.” と大きく書かれているだけだった。