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Wine by your side…我が家は毎晩がワインサロン。最近のマイブームはBOX WINEです。

ワインニュース

2006-07-18 11:39:59 | ワイン育
チェコはプラハ、ハンガリーなどに旅に出た母。お土産に頼んだのは現地のワイン情報紙。現地のワインニュース紙をゲットしてきて頂いた。
が、何語で記されているかさえ不明。紙面の広告に掲載されているドメイン名「cz」を調べてみた。すると、Czech Republic=チェコ共和国と判明。


中欧のワイン事情が知りたかった。
されど、チェコ語とはまったく理解不能、単語のニュアンスさえ読みとれない。

が、それぞれのタイトルの単語を拾うとわかる地名を発見。アルザス、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ジュラ地方からコルシカ島まである。どうやらフランスの各地方のワインレビューらしい。詳しく記載されているよう。
チェコではフランスワインが主流らしい。それにしてもその他の国や、チェコ自国のワイン記事がないのは不思議。

チェコワインは19世紀から生産されているとのこと。主な産地は、オーストリアとの国境付近ドナウ川支流周辺に広がるモラヴィア、プラハの北部エルベ川沿いに広がるボヘミア、東部国境ハンガリーのトカイと隣接するスロヴァキアなどの三つの産地に分けられるそう。栽培品種はリースリング、ラインリースリング、ミューラートゥルガウ、ルーランブラン、ジルヴァーナーベルデ、リースリングイタリコ、ソーヴィニョンなど。白が多いようだ。是非飲んでみたい。


ハンガリー土産はコチラ。
「トカイ・アスー」6プトニュス、1997年。


ハンガリーは東北部にあるトカイ・ヘジャリア地方の丘陸地で生産されるワイン。世界三大貴腐ワインの一つ。 
このトカイ・ワインは3つにカテゴライズされている。

・トカイ アスー エッセンシア『Tokaji Aszu Essencia』
貴腐ぶどうのみで造った最高級の極甘口ワイン。
褐色を帯びた黄金色に輝き、蜜のように芳しい香り。よい収穫年しか作られない。

・トカイ アスー (3~6プットニョス)『Tokaji Aszu3~6puttonyos』
桶一杯分の貴腐ぶどうを1プットニョスという単位で表す。 これを136Lの樽(ゲンチという樽)に何杯加えたかを表示するのがプットニョスという単位となる。 この数が多いほど甘さが凝縮され、高価になる。

・トカイ ソモロドニ『Tokaji Szamorodni』
ソモロドニとはスラブ語から来た言葉で、成長のままに、自然のままにと言う意味。 収獲されるぶどうの自然の恵みのままに造られたワイン、アスーを選別しないで造ったワイン。 一般的に良作の年には甘口のソモロドニ・スイートに、寒い年には辛口のソモロドニ・ドライになる。

トカイ・ヘジャリア地方に栽培されている品種は、主にフルミント、ハールシュレヴェリューの2種で、ごく少量のミュスカ・リュネル種。これらは、ワイン用としてはかなり大粒で、しかも極めて速やかに貴腐化が進む。ソーテルヌやドイツ等とは違い、小さくカビしなびて胞子だらけ、というような状態にはならず、むしろ艶のある干しぶどうのような形に完熟していくという。
ソーテルヌで見た水分の抜けたブドウを想像して、トカイのそれも是非見てみたくなった。艶とは・・・?さぞかし美しいのだろう。

このワインのドメーヌはDISZNOK=ディズノク。
ディズノクの畑はハンガリー王室から一級畑に指定されているとのこと。ボルドーはシャトー・ランシュバージュのダニエル・リヨズ氏を主任醸造家に起用し、トカイの伝統的技術の復興と最新技術の導入がはかられている。ディズノク1992年に仏の保険会社に買収されてから、一千万ドル以上かけて設備投資を行った。


先日、昨今の欧州のワイン事情について新聞記事を読んだ。とくにEU圏でのワイン余剰が問題になっているという。圏内でワイン消費が落ちている一方、チリなどの新世界ワイン輸入が増しているのが現実。対策のひとつが圏外に高級ワインを輸出して利益を得ること。ワイナリーは皆必死なのだ。

日本でも今、牛乳が余っていると聞く。
ソモロドニ・・・自然のままに、とはいかないのが現実なのだ。