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怒れる中年

あなたは怒ることを忘れていませんか?  ①なんで借金しなければ勉強できないの! ②働きたいのに預ける保育園が無い、えっ!

吉村昭著 『三陸海岸 大津波』を読む

2011年11月16日 | 東日本大震災…山形から

2004年3月に初版が発行されている。あの東日本大震災と猛烈な津波被害の後でも、ちっとも古くない。そして、多くの教訓に富んでいる。

徹底的に足で取材し、地元の人たちの体験や声を拾い集めまわったその執念は、きっと読む人の心をとらえるに違いない。

著者は関東大震災についても書いている。東日本大震災のあと、両方の本を読んで、大いに触発されたが、特に心を打たれたのは、この『三陸海岸 大津波』だった。

    

文中に、昭和8年の大津波の後、岩手県田老村の田老尋常高等小学校生徒たちが書いた作文が転載されている。

     

「   つなみ        尋三  大沢 ウメ

がたがたがたと大きくゆり(揺れ)だしたじしんがやみますと、おかあさんが私に『こんなじしんがゆると、火事ができるもんだ』といって話して居りますと、まもなく『つなみだ、つなみだ』と、さけぶこえがきこえてきました。

私は、きくさんと一しょにはせておやまへ上りますと、すぐ波が山の下まできました。だんだんさむい夜があけてあたりがあかるくなりましたので、下を見下しますと死んだ人が居りました。

私は、私のおとうさんもたしかに死んだだろうと思いますと、なみだが出てまいりました。

下へおりていって死んだ人を見ましたら、私のお友だちでした。

私は、その死んだ人に手をかけて、

『みきさん』

と声をかけますと、口から、あわが出てきました。」

      

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これらを読んで、衝撃のあまり、声もでない。

これら人間の叫びを記録し、後世に伝えてくれている著者に脱帽です。

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あれえっ おかしいよ! ④ ・・・広がり続ける肉牛汚染、悪いのは農家なのか?

2011年07月21日 | 東日本大震災…山形から

◆ 広がり続ける肉牛の放射能汚染

稲わらの放射能汚染による肉牛の汚染問題は、心配されたとおり、より広範囲に、より深刻になっている。

7月21日の朝日新聞は報じている。

「岩手県は20日、一関市と藤沢町の畜産農家5戸のわらから(国の)基準の約2~43倍のセシウムが検出されたと発表した。」「一関市と藤沢町はともに宮城県境で、第一原発から約150キロ離れている。」

前日の20日付け朝日新聞では、「(宮城)県によると、いずれも第1原発から100キロ以上離れた大崎市、登米市、栗原市の4業者が・・・福島、山形、新潟、青森、茨城、群馬の6県に出荷した。」「このうち、3業者が販売した分の一部で基準値を超えたことが確認されている。」と報じられたばかりだった。

すでに、放射能に汚染された肉牛は沖縄を除く46都道府県に出荷されたという。

それらの肉牛は消費者の口に入っているものも多いはずだ。保育園や小学校の給食に使われたとの報道もある。

    

◆ 放射能は、どこまで広がったのか?

さらに心配なのは、放射能の専門家ではないので詳しいことは分からないが、セシウム検出の数値の高さと土壌汚染の広がりだ。

福島県郡山市のわらからは「1キロあたり50万ベクレルのセシウムを検出」(7月17日付朝日新聞)。

宮城県産の「福島県に出荷されたわらからは1キロあたり3万4千ベクレルが検出された」(7月20日付朝日新聞)。

原発からさらに離れた岩手県のわらからは「1キロあたり2560~5万7千ベクレルのセシウムを検出した」(7月21日付朝日新聞)。

国の基準値は、1キロあたり300ベクレルというのだから、深刻な放射能汚染が、私たちの想像を超えて、福島県どころか宮城県、岩手県まで広がっているのだ。

安心はどこへいってしまったのか?

何を信じ、何を基準に、考え、行動すればよいのか!

      

◆ 悪いのは農家なのか?

新聞各紙からは、農家の呻きが聞こえてくる。

「福島の畜産は存亡の危機・・・JA福島の庄條会長談」(朝日新聞)

「何年もかけて築いた信頼やブランドが落ちるのは一瞬だ・・・肥育農家」(朝日新聞)

「安全でおいしい牛肉を食べてもらいたいと頑張ってきたのに悲しい。牛たちにも申し訳ない・・・山形県の畜産農家」(山形新聞)

農家は、まさか稲わらが汚染されているとは思っていなかった。知るための情報が隠されていたのだ。

福島県の畜産業者は言う、「宮城県から仕入れたわらで、汚染されているとは夢にも思わなかった。」(朝日新聞)

山形県の畜産農家は「(わらを仕入れた大崎市は)原発からも遠い。疑いもせずいつも通り牛に与えていた。それが突然汚染されていると言われても、まさかという思いしかない。」(山形新聞)

    

宮城県や岩手県のわらが汚染されているなどとは思いもよらずに、畜産農家に出荷した稲わら販売業者が悪いのか?

放射能で汚染された肉牛と知らずに市場に出荷した畜産農家が悪いのか?

汚染されているとは知らずに、牛肉を消費者に販売したお肉屋さんが悪いのか?

何も知らずに「おいしい、おいしい」と食べてしまった消費者が愚かだったのか?

      

◆ 主たる原因は何か?

新聞、テレビなどは、この深刻な肉牛汚染問題の原因に迫っているだろうか?

朝日新聞(7月16日)は『「事故発生前に刈り取ったものだけを使う」という農林水産省の指導が、現場に徹底されていなかった』と言っている。

それもそうに違いない。

さらに、同じ日の朝日新聞は「県の(わらなど飼料についての)指導はどうなっているのか。行政の怠慢だ」との酪農家の怒りを報じている。

「事故後にわらを放射能測定していれば、こんなことにはならなかった」という稲わら販売業者の憤りもある(7月20日、朝日新聞)。

これらの指摘が間違っているとは思わない。

それはそうだが、これらが主たる原因なのか、と思う。

    

最大の問題は原発というものの爆発にあるが、その次に問題なのは、政府と東電の“事故隠し” “汚染隠し”ではないのか?

3.11地震直後の原発の爆発はチェルノブイリ級だったのではないか!

放射能は爆発直後に一気に広がっていったのではないか!

ところが政府は、原発から10キロ圏、20キロ圏と、危険区域を小出しに設定していたのだ。

とっくに放射能が拡散してしまった3月24日時点でも、政府は20キロ圏内を「避難指示」とし、30キロ圏内を「屋内退避指示」にしていた。そして「屋内退避指示の在り方を見直す方向で検討に入った」(3月25日、山形新聞)。

それも、枝野官房長官は「放射能の影響の問題とは別に、社会的な要請への対応だ。危険がさらに広がったのかとの間違ったメッセージにしてはいけない」とも強調したのである(同)。

「政府の対応が後手後手だ・・・」と非難されているが、私はそうは思わない。

「後手後手」というよりも、政府・菅内閣は、問題の巨大さに恐れをなして、躊躇し、右往左往していたのだ。真実を隠し、対策を小出しに小出しにし、その日暮らしをしていたのだ。

戦争論でいえば、「戦力の漸次的投入」の愚である。

その結果、地震と原発の爆発という災厄だけでなく、その後の2次的、3次的な災厄を招いてしまったのだ。

今回の肉牛汚染問題は、その典型的な具体例である。これは政府によって引き起こされた“人災”ではないのか?

国民に、今回の原発爆発の真実が、直ちに、できるだけ正確に周知されていれば、一時的なショックはあったに違いないが、こんな稲わら汚染による肉牛汚染問題など、起きるはずもなかった。

誰も、爆発後に屋外で放射能に汚染された稲わらなど使わないのだから・・・。

   

◆ まとめの代わりに3題:

① 『胎児や乳幼児「影響心配ない」 産科学会「遠ければ」』

『日本産科婦人科学会は16日、妊娠・授乳中の女性への放射線被曝の影響に関する見解を学会ホームページで公表した。福島第一原発で爆発事故が起きた15日に、同原発から5キロ以上離れた場所にいた場合、被曝量は人体に影響を与えない低レベルのもので、本人や胎児、母乳を飲んでいる乳幼児への「悪影響について心配する必要はない」としている』(3月17日、朝日新聞)。

産科学会もそうだが、これを無批判に報道した朝日新聞も、恐ろしい。

② 最近、小さく扱われていたが、きわめて重大な記事を見つけた。

7月17日の朝日新聞に「柏崎刈羽の経験生きず、中越沖地震から4年」と題した記事があった。それは、次の一節でまとめられていた。

『中越沖で保安院の対策委は、情報の正確性より迅速性を優先すべきだと指摘したが、今回も東電や政府の発表は混乱し爆発や炉心溶融の認定も遅れた。「パニックを恐れた」(細野豪志原発担当相)ため、放射性物質の拡散予測は最も必要な時期に公表されなかった。』

これを書いた記者は凄い、勇気がある。問題の本質に肉薄していると思う。最後に署名入りの記事となっていた。

「佐々木英輔」と。

③ 須賀川市の藤沼ダム決壊現場を調べに行った7月17日、途中の郡山市三穂田町の県道沿いで撮った写真です。

あまりに青々とした田んぼが美しかったから、ついシャッターを切った。農家の方たちの苦労が無にならないことを念じつつ。

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この米さんたちは大丈夫か?

政府の対策が今のような状態で進めば、秋には大パニックがやってこないとも限らない。

消費者も、米農家も、どうなるのか?

少なくとも、政府は直ちに、放射能汚染の実状を公表し、米の出荷ができない地域を定め、その補償を明らかにすべきだ。

あわせて、すでに始まっているという米の青田買いを禁止し、罰則をもって速やかに取り締まるべきだと思う。

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あれえっ おかしいよ! ③ ・・・がれき処理法案、どうなってるの?

2011年07月11日 | 東日本大震災…山形から

7月7日付けの「山形新聞」によれば、「東日本大震災の津波などで発生した大量の災害廃棄物の処理を加速するため、政府が今国会に提出する特例法案が6日判明した。」

「市町村の事務であるがれき処理を、被災自治体の要請を受け国が直轄事業として代行できるとする内容」で、「8日にも閣議決定する」と。

   

えーっ!

あのがれきの山の処理は「市町村の事務」だったんだ!

見ただけで呆然となってしまうようながれきの山の処理を、この4ヶ月間も、被災した市町村に任せてきたのか?

存続すら危うい状態になっている市町村に?

      

「国による代行は、震災直後から自治体側が強く要望。」

にもかかわらず、財源負担の問題から延び延びになり、「処理の遅れに対する批判の高まりを受け、(政府は)震災から4カ月たって方針転換した」のだそうだ。

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これは亘理町の阿賀野川河口付近のがれきの山。4か月経っても、こんな山があっちにもこっちにも・・・。

「一体、どうしろと言うんだ!」と叫びたくなるのではないか。

これは、まとめられて山になっているだけ、まだマシなほうかもしれない。

コンクリートの土台だけになった住宅街やがれきの散乱する田んぼを見たとき、自分が思ったことは、被災者の方には申し訳ないですが、ただ、ただ、無力感でした。

国民を守るべき国が、まずやることは「がれきの処理は国で行う、だから、みんなも頑張って」ということではないのか。

ところが現実は、「岩手、宮城、福島の3県から出た2183万トン(推計)のうち、仮置き場に移されたのは35%の763万トンだけ」(7月8日付け朝日新聞)という。

がれき処理は遅々として進んでいない。

4か月も経って、ようやく、がれき処理の特例法案を閣議決定の予定だとか?

    

自民、公明などの野党は、既に法案を国会に提出しているとか。

なぜ、進まないのか?

法案の中身について、新聞などの報道も疎かになっていないかと思う。

政争を取り上げるだけでなく、もっと被災地復興のための具体的な国会の動きを報道するべきではないのか。

      

「集落解散 住民散り散り ・・・石巻の雄勝・牡鹿地区」「地域社会再生困難に」(7月8日付け、日経新聞) 

「被災3県 転出超過3万人超」(7月9日付け山形新聞)

「沿岸工場 相次ぐ撤退、 宮城 引き留め限界も」(7月9日付け朝日新聞)

これらの記事を見ると、政府の無策に歯ぎしりする思いです。

みなさんは、どう思いますか。

ご意見を下さい。    

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大震災から間もなく4カ月・・・ 亘理町の現場は、

2011年07月04日 | 東日本大震災…山形から

7月3日、ようやく被災地に行くことができました。最近は、持病のヘルニアが悪化し、左足が痛くて歩くのも辛かったのです。

しびれは残っていますが、なんとか歩けるようになりました。

   

仙台のお客さんの自動車保険の手続きもあり、昨日、仙台、仙台港、亘理町とまわってきました。

「これでもか、これでもか」と言わんばかりの惨状に、本当に心が挫けてしまいそうでした。震災直後は、「地獄絵もこれほどまでに酷くはないのでは・・・」と思わせるものではなかったでしょうか。

津波の残骸に覆われたであろう田んぼが、大分片付いているところも多かったです。

でも、まったく手つかずの田んぼもありました。

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こんな瓦礫や残骸の片づけが個人の負担になっているからでは、と思いました。私だったらとてもできない、否、続けられない!

   

まず第一義的には、国の責任だと痛感する。個人の努力云々の前に、まず国が働かなければならない。そうしてこそ、個人が頑張る勇気を持てるのではないか!

   

津波で無残に壊された鉄工所(?)の中がきれいに掃き清められていました。再建の見通しも立ってない(?)状態の元で、掃き清める工場の経営者や従業員の姿が浮かび、胸が詰まるようでした。

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残骸の山の中に、「ペコちゃん」の描かれたクッションがありました。

仔馬のおもちゃもありました。

子どもや親たちの笑い声が聞こえてくるようでした。

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第一回目の訪問で痛感したのは、こんなにも酷い仕打ちに立ち向かおうとしている被災地の皆さんの努力に、ただ、ただ、声もなく立ちつくす他なかったということです。

   

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あれえつ おかしいよ! ②・・・「不毛な政争に区切りを」と言いつつ、「小沢氏を除名せよ」と迫る大新聞

2011年06月06日 | 東日本大震災…山形から

6月3日の朝日新聞社説は「菅首相辞意表明」とのタイトルで、「不毛な政争に区切りを」と大見出しで書いている。

簡単に言うと、「おかしいよ、」「大新聞が何か血迷っているんじゃないの?」となってしまう。

だって「不毛な政争に区切りを」と、被災地のことを考えろと主張しつつ、その次に言うことが、被災地のために何を急ぐか、改善するかではなく、「小沢氏を除名せよ」では、自分で自分の主張を否定しているんじゃないの!

もっともっと、被災地のための提言や情報提供をすることが朝日新聞の役目じゃないの。

小沢氏の除名や政界引退だって、新聞が主導することではなくて、国民の判断にゆだねることだと思う。

以上、時間がなくて、でも気づいたことを、どうしてもおかしいと思うことを一言です。

朝日新聞は報道の原点に帰ってほしい。以前は朝日を愛読していた読者としての希望です。

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義捐金を日赤に送金しました・・・ありがとうございます

2011年05月16日 | 東日本大震災…山形から

3月21日、「自分たちも何かしなくては」との居ても立ってもいられない気持から、このブログで「少しでも役に立ちたい! 被災者へのカンパ、まだの方は一緒に」と呼びかけました。

特に声掛けをしたわけではありませんが、添付の写真のように、合計14万円のカンパをいただきました。

本当にありがとうございます。

   

4月10日のブログで中間報告しましたように、貴重な義捐金を少しでも有効に活かしていただくために、被災地へのボランティアにもつなげて息の長い支援にできないか・・・などと考えてみました。

     

ところが、1月から入院中の母(90歳)が、4月15日19時42分に他界してしまいました。90歳と言えば「無理もない」「大往生だ」などと、他所の人の時は思っていたものですが、自分の母が、いざ亡くなってみると寂しいし、悲しい。そして、死の2か月前に「胃ろう」(流動食を流し込むために胃に穴を開ける延命治療)の手術を認めてしまった自分の愚かさへの悔いを引き摺っています。半ば「ボケ」ていたとしても、決して本人への説明抜きに、胃ろうの手術をすべきではなかった!!

そして結果的には、胃ろうの手術後の治療ミスにより肺に水が溜まり、酸素吸入も空しく死んでいったのです。(詳しくは4月24日のブログ参照を)

     

そんなこんなで、とても被災地へのボランティアに行けませんでした。

したがって、すぐに被災地に行くのは諦めて「まず義捐金を送ろう」と考え直した次第です。

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これが、現在の義捐金の中間集計と日赤への送金証明です。東海林個人の寄付になっていますから、もし税金の寄付金控除がありましたら、その分は、被災地支援に使わせてもらいますので、ご了解ください。

また、愛媛県今治市のDさんからは名産のタオルを多数送っていただきましたので、これは「生活クラブ生協やまがた」を通じて被災地支援に使ってもらうことにしました。

カンパに賛同していただいた方々のご期待に応え切れていないと思いますが、今回は私的な事情もありましたので、以上の対応でご容赦ください。

   

本当に、ありがとうございました。これからも、手を携えて被災者支援に励んでいきましょう。

とり急ぎ、ご報告とします。

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あれえっ おかしいよ! ①・・・ 「海に高汚染水」記事、3紙の比較 

2011年05月13日 | 東日本大震災…山形から

なかなか詳しく書く時間はとれないが、でも、でも、おかしいことが多すぎる。これを、その都度、問題にしていかなかったら、いつの間にか許したことになってしまうのでは?

    

東日本大震災と原発に関連することで、「おいおい! おかしいんじゃないの!」ということで、メモ程度にでも、書きとめておくことにした。

だって、今、自分たちは歴史に残る大問題に立ち会っているんだから。

歴史の証人なんだよ、自分たち一人ひとりが。

    ・・・・・・・・・・

今日は、次の問題についての3紙の比較から。

「海に高汚染水 3号機からも」(朝日新聞、5月12日 1面)

「3号機でも海へ汚染水 取水口近く一時漏出」(日経新聞、5月12日 1面) 「工程表に影響も 梅雨控え対策急務に」(同、2面)

「3号機汚染水、海に流出 コンクリ詰め止める」(山形新聞、5月12日 3面)

   ・・・・・・・・・・ 

3紙とも、見出しでは大差ない。どちらかと言えば、朝日のほうが鋭く問題提起しているようですらある。

ところが・・・

はじめは、

「あれえー、こんな大事な問題が、なんで東電の発表なんだよ。東電は問題を起こした側だろ。監視する側の政府の原子力安全・保安院はどうしたんだよ?」という疑問からだった。

毎朝3紙を比較しつつパラパラめくるので、今回もめくってみた。

読んでみて驚いた。

   

記事の信用度を、高、中、低 に区分すると、

朝日・・・低、

山形新聞・・・中、

日経・・・高、

だった。

特に、朝日はひどいんじゃないの? 

なぜか?

記事中、3紙とも、汚染水の濃度に触れている。これはもちろんだ。だが、私たちが知りたいのは、新聞の論評よりも、まず事実である。

新聞各紙を見ると、放射能の濃度は3か所で計られている。

① 海水を取り込む取水口近くのピットに流れ出た汚染水の濃度、

② 取水口付近の海に設けられたフェンスの内側の海水中の濃度、

③ フェンスの外側の海水中の濃度、

この内のどこが、一番汚染されているか?

誰が考えても、①の汚染水に決まっている。そして、この濃度がどのくらいかによって危機の深刻度も違ってくる。

ところが、見出しの鋭さで人を引き付けた朝日新聞は、肝心の汚染水濃度の①を取り上げず、②と③だけ報道している。

山形新聞と日経新聞は、この①②③すべての濃度を報道している。

ただし、山形新聞も朝日も日経も、安易にと言うべきか、東電の発表を鵜呑みにして「穴にコンクリートなどを詰め、穴への流入と海への流出は止まった」と報道している。そんなに簡単に止まるの? 

    

では、日経、山形、朝日3紙を合わせて見た汚染の濃度は、

①の濃度:ヨウ素131は、1立方㎝あたり3400ベクレル。セシウム134は、37000ベクレル(国の基準の62万倍)。セシウム137は、39000ベクレル(国の基準の43万倍)。・・・主に日経。

②の濃度:ヨウ素131は、190ベクレル(国の基準の4800倍)。セシウム134は、1900ベクレル(国の基準の32000倍)。・・・主に朝日。

③の濃度:ヨウ素131は、96ベクレル(国の基準の2400倍)。・・・朝日。

   ・・・・・・・・・

①を報道せずに②③のみ報道する?

おいおい! 朝日新聞さん、おかしいんじゃないの!

真実を報道すべき新聞が、政府や東電の世論操作に加担していると言われちゃうよ!   

      

    

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ありがとうございます  ・・・ 義捐金の中間報告

2011年04月10日 | 東日本大震災…山形から

ありがとうございます。

3月21日に、このブログで呼びかけた「東日本大震災への義捐金」に、山形だけでなく、東京や愛媛からまで、ご協力いただきました。

おかげさまで、4月10日現在の入金は以下のとおりです。

20110410_2   

これからも続けていきますので、ご協力いただければありがたいです。

なお、いただいた義捐金は「県か日赤に送りたい」(3月21日)と提案しましたが、義捐金の使途などについてのいろんな報道も見ながら、「どうするのが、被災者の支援にいいのか」と考えてしまいました。

今は「直接、被災地に持っていくのがいいのではないか」と思っています。

ただし、緊急車両や被災者などの交通の妨げになってもいけないので、被災地にすぐには行けないでしょう。

近々、損保の仕事で宮城に行く予定ですので、まず、その時に交通事情や被災地支援の状況などを調べてきたいと思います。

そして、できれば、どこかの町や市に継続的に、ささやかですが支援の活動を続けていくというのはどうでしょうか?

日赤に寄付するのもいいですが、それ1回で終わるよりも、長期的につながって支援活動をしていくのが大切かなあ・・・などと考えています。そのほうが、自分たちにも何かが伝わってくると思うのですが、いかがでしょうか?

     

義捐金の入金の際にいただいたメールから、その一部を紹介します。

      

「少ないですが、先ほど1000円を振り込ませていただきました。会社で集めていたのと、個人的に送ったカロリーメイトなどの救援物資と合わせても東海林さんの額には及びませんが、是非協力させてください。(今年、住宅を取得するため妻から鬼のような小遣いの仕分けを受けており、お財布が辛い状況ですが、あの悲惨な状況を見ているとそんなこと言ってられませんね!!) それとできれば、直接日赤へ送っていただくのが希望です。」(山形のAさん、3月21日)

    

「メール拝見いたしました。私は、隣県で起った未曾有の惨事に、何かできることはないかとずっと思っていました。そんな時、東海林さんのメールを見て、これだと思いました。早速、少しではありますが協力させていただきました。

以下、愚痴です。

ガソリンがない、灯油がないと、日々人民は我先に手に入れようと奔走しているようですが、その行動がますます悪循環を招いていることに、なぜ気づかないのでしょうか。明日の命さえ保障されない状況にある人たちのことを考えれば、何が不満か。今、自分が(家族が)何をしなければならないか、誰に教わらなくてもわかるはず、と思うのは私だけでしょうか。ねぇ、東海林さん。」(山形のBさん、3月22日)

   

「義捐金の振り込みが遅くなり、大変申し訳ありませんでした。」(東京のCさん、3月27日)

    

「突然にタオルをお送りして、失礼いたしました。当産地も支援物資として70,000枚を用意して被災地に順次送っております。個人的にも漁協の知り合いからの要請で、石巻漁協にお送りしたところです。支援活動のことをブログで拝見いたしました。ご苦労様です。少しで申し訳ございませんが、皆様でお役立て下さい。」 「何かメッセージをと思いましたが、適切な言葉が見当たりません。支援されている方達も本当にご苦労様です。タオルマフラーはご自由にお使いください。」(愛媛のDさん、4月1日)

     

これからも義捐金を集めていきたいと思いますので、以下に、3月21日の呼びかけを転載します。ご協力いただければありがたいです。

     

2011/03/21

 少しでも役に立ちたい! 被災者へのカンパ、まだの方は一緒に

無理にすすめるわけではありません。このままでは、自分が自分に納得できないからカンパをするだけです。

でも、まだの方がいたら、一緒にどうですか?

今朝のテレビに、アジアのスラムの人たちが、日本の私たちのために募金を集めている姿が報道されていました。見ていて胸が痛くなりました。

何もしないままでは一生悔むことになってしまう、そう思うのです。

募金はいろんな団体、ルートですすめられています。それは大いに良いことだと思います。私たちもその端っこに加わりたいのです。

     

カンパの具体的な方法は以下のとおりです。

① 主催団体は、(有)保険相談所 とします。責任者は私、東海林正弘です。(有)保険相談所について疑問の方は、次のアドレスでホームページをチェックしてください。

  http://www.tmn-agent.com/hokennsoudannsho/

② 募金の口座は、 きらやか銀行寒河江支店、普通預金、口座名義人「トウカイリン マサヒロ」、口座番号「300827」。

③ 入金状況は、適宜、このブログで報告します。3月21日から始めて、今日現在の残高は 100,066円です。

「touhokudaijisinnkannpa.JPG」をダウンロード 

④ 一定期間が過ぎた段階で、募金をまとめて、県か日赤に送りたいと考えています。その経過は、このブログで相談、報告します。

なお、今回のカンパ活動の責任は、(有)保険相談所 代表取締役 東海林正弘 にあります。

お問い合わせは、わたくし、東海林正弘に。

メールアドレスは、 tok222@io.ocn.ne.jp

  以上です。

      

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えーっ!  放射能まみれの遺体、「福島県警、遺体の収容を断念」

2011年04月02日 | 東日本大震災…山形から

東京の方は目にしていないかもしれません。

「山形新聞」に、以下のような要旨の記事が掲載されました。

       

原発から20キロ圏内の避難指示地域に、大震災で亡くなった方の遺体がまだ数百から千体あると推定されており、大熊町で見つかった遺体の場合、収容に向かった福島県警の部隊が、放射線量があまりに高いために当日の収容を断念した、と。

「27日に、大熊町で見つかった遺体は、除染が必要な基準の一つである10万cpmまで計ることができる測量計の針が、振り切れる状態だったという。このため福島県警の部隊は遺体の収容を断念している。」(3月31日、山形新聞夕刊)

   

これは、二つの点でショックでした。

一つは、遺体が収容できないほどに放射能で汚染されていたこと。

いつも繰り返される政府や東京電力、原発学者の「直ちには影響がない」「念のための処置」・・・?!

ところが、警察でも遺体を収容できないほどの放射能汚染。

実際はどうなんだ!

原発周辺の海の汚染にしても、どれほど深刻で、どこまで広がっているんだ!

本当の事実は想像もできないほどに酷くなっているのか?

不安が一杯になる。

    

もう一つは、こんな大事なことが、27日にあったのに、新聞に報道されたのは31日の夕刊ということ。

信じられないような遅さだ。

つまり、現状があまりに酷いので、政府や東電は情報を小出しにしているのではないか・・・という疑念。

原子炉建屋の写真にしてもそうだ、

あまりに酷い壊れかたなので、爆発直後には発表しなかった。何日も経ってから公表されている写真などが多い!

   

福島県民、茨城県民、そして、春一番の風と共に放射能にさらされる山形県民や多くの被災者のみなさん、

怒ろう、おかしなことには「おかしい!」と声を上げよう。

でないと、人災で殺されちゃうよ。

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テレビで子どもの映像見て、何度も号泣しちゃった・・・見てられない

2011年03月31日 | 東日本大震災…山形から

昨日、伺ったAさんのお宅で、「ひどい地震だったよねえ…」、「このアパートは造りが悪いのか、ものすごく揺れて、本や茶器など落っこって…恐かったあ」「ガソリンが無くて、はじめは毎日5~6時間も並んだ、それでも買えない時もあって」・・・などの話から、仕事の話よりも、自然に地震のことが話になった。

   

その中で強く印象に残ったことを幾つか。

    

[1] Aさんは「テレビ見て、何度も号泣しちゃったよ」、「子どもの顔が映ると堪らない」と言う。

言われて、はじめに思ったのは「自分はそこまで成れてない?」ということ。それよりも「原発はどうした?」、「被災地の状況は?」と、つい毎日、テレビを見ている。

もちろん面白半分なんかじゃなく、「日本が大変だ!」、「世界はどうなる?」、「東京電力は、菅首相は何をしてる。自分の政権維持ばかりじゃないか!」と怒りながら見ている。

しかし、Aさんのような思いが、この大災害(多分に人災もあるが)を考えていく土台になければ・・・と、はっと気付かされたのでした。

そして「日本全国で同じ思いをしている人が一杯いるに違いない」・・・と思ったのです。

今回の過酷な事実が、多くの人の胸に訴えている。多くの人の人間としての魂を揺さぶっているんだと気付かされたのです。

この事実に、いい意味でのショックを受けた。

過酷な惨状に立ち向かわなければならない、同時に、その過程で、多くの人の人間的な心に火が点けば、必ず前進できる。そう思ったのです。

    

[2] 昨日、3か月ぶりくらいに行った散髪屋のSさんとも話になりましたが、Aさんも言ってました、「今まで普通の生活が当たり前と思っていたけど、普通って大変なことなんだね」と。

毎日、ご飯が食べれる、お風呂に入れる、家族がいる、仕事がある・・・素晴らしいことなんですね。

Aさんも、Sさんも「子どもが、これは嫌いだとか言ったら、何を言ってるの、食べれるだけありがたいんだよと教えてる」と。

今回の大惨事は、私たちに多くのことを教え続けるのではないか。

   

[3] 被災地の子どもの映像を見て号泣するAさんは、実は、数年前、2人の小さい子どもがいるのに、夫が蒸発してしまい、毎日、あくせくと仕事や家事に追い回されている状態なのです。

大変な人ほど、苦しんでいる人に、愛情や連帯感を持てるものなのかも・・・と教えられたのでした。

先日、アジアのある国のスラムで、自分たちは食うのにも困っているのに日本のために義捐金を集めていると報道されていました。

人間って、片方に戦争を起こす人間もあるが、このような愛すべき人間もあるんだなあ・・・。

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