怒れる中年

あなたは怒ることを忘れていませんか?  ①なんで借金しなければ勉強できないの! ②働きたいのに預ける保育園が無い、えっ!

五味川純平著『戦争と人間』は訴える その1

2022年10月03日 | 国際・政治・・・世界の平和のために

あの戦後を代表する超ベストセラー『人間の条件』(全6巻)を書いた五味川純平氏が、1965年から1982年にかけて死力を尽くして書き上げた『戦争と人間』(全18巻)。

30年ほど前、東京にいたときに読んで感動し、山形に戻ってくるときに「ぜひこの本は」と持ち帰ってきたが、それっきり書棚にしまいっぱなしにしていた。

最近、第二次世界大戦前のようなにおいもあり、この本に手が伸びた。

氏は第18巻の巻末で「感傷的あとがき」と題して次のような一文を遺している。

一人でも多くの市井の人に、ぜひ味わってもらいたい。

「生きていて、少しも愉しくない。それは必ずしも妻を亡くしたからでも、世代の怒りを共にする友人が少ないからでもない。国も同胞の大部分も、大小の悪事をごまかすことを正念場と考えているからであり、悪者のみが栄えて権勢をふるい、少数の正直者、善悪の区別を知って悪に加担しない者は、悪者たちの残飯で辛うじて生きているという、情けない、みっともない状態が、この島国全土を蔽っているからである。

ペンは剣より強し、と、昔の賢人が言ったそうだが、果たしてそうか。私の眼には、ペンは邪剣に奉仕するに忙しいようである。

 1982年10月 」

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
« ロシアの天然ガスパイプライ... | トップ | 「ちょっとお目眼を」 市井... »
最新の画像もっと見る

国際・政治・・・世界の平和のために」カテゴリの最新記事