井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

ビブラート vs 癒し

2009-09-06 12:10:32 | ヴァイオリン

高周波の音を流すことで、シャッター通りだった商店街を復活させた、というニュースが報道された。海の波の音や森のざわめきなど、自然界の音には高周波の成分が、多く含まれ、それが人間を心地よくさせている。それを人工的に再現したら、人通りが増えたとのことだ。

ついでに都会の喧騒は高周波成分が含まれず、人間を不愉快にさせる実験まで披露された。

商店街の復活はご同慶の至り、もっと普及することを願うものである。

それはそれとして、ヴァイオリンを弾く身としては別のことが気になる。ビブラートである。

ビブラートは音を震わせる技術だが、それによって高周波成分はカットされる。カットされた音は、長らく「柔らかい音」として「美しい」とされてきた。一方、初心者の音は硬い。高周波成分がとても多い。これを心地良いと感じる人間は私を含めてほとんどいない。

高周波が単独では、とても不快だという実験も併せて行われていた。当然である。悲鳴の成分だから、生命の危険と直結する音である。

ポイントは、高周波成分が多く組み合わさった時、人間は癒されるということ。

ほとんどの方は耳にされたことがないと思うが、弦楽器の初心者集団の音、ジャージャーというあの音、私はそれを聞くと幸せになる。それは、その音の中で育ったからだと今まで思っていたが、加えて高周波の癒し効果もあるのかも、と思ってしまう。

それはともかく、ノンビブラート信奉者が主張する説「ビブラートをかけないことにより、豊かな倍音が響く」に「プラス快感が伴う!」となったら、ビブラートの存在はどうなるのだろう?

ビブラートをかける練習も難しいけど、かけるべきか、かけざるべきか、それも問題だ。


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