3月12日に九州新幹線が全線開通する。それは同時に「リレーつばめ」という風変わりな名前を持つ特急電車の廃止を意味する。
この「リレーつばめ」はJR九州苦肉の策である。2004年に九州新幹線の南半分,新八代から鹿児島中央までが開通した。普通だと,在来線から改札口を抜けて,階段を上って乗り換えとなる訳だが,それでは乗り換えに時間がかかってしかたない。新幹線の時間短縮効果が感じられないのでは,何のための新幹線やら,ということになりかねない。
それで,鹿児島本線から連絡線を建設して在来線特急を走らせ,新幹線ホームの向かい側に停車させる,乗客は向かい側に停車している新幹線に乗り換える,乗り換え時間は3分,ちょっと長目の停車時間と同じ感覚だ。
指定席の座席番号も極力「リレーつばめ」と「つばめ」は同じ物にして,乗り換えをスムーズに,という涙ぐましい工夫もあるのだが,実際は車両の長さが違っていて,降りて真向かいに入り口がある訳ではなかった。
大丈夫かね?と心配していたのだが,乗り換えてみると,案外大変さはなかった。乗り換え時間「3分」も実際にはかなり余裕がある。
また,その後JR九州はさらに追い打ちをかけた企画を始めた。「土日限定2枚きっぷ」等で始発と終電の数本に限り,1万円で往復できるきっぷを売り出した。通常の往復は15,600円だから,これは安い。3年くらい利用させてもらった。
これら全てとお別れしなければならないのだ。途端に「リレーつばめ」の良さが見えてくる。博多駅の乗り場も在来線ホームだから,手軽で,新八代の乗り換えも大したことないから,乗りやすさに関しては「リレーつばめ」が良かったな,とか・・・。
四の五の言ってもはじまらない。お世話になった「リレーつばめ」,ささやかながら記録をとって感謝の気持ちを捧げよう。
手前の線路が連絡線。見にくいけれど,向こうにのびるのが鹿児島本線。
横に広がるのが新幹線駅,下が鹿児島本線の新八代駅。(これもわかりにくい写真でごめんなさい。)
(この画像では見えないけれど)新幹線「つばめ」の先頭にはsince 2004と書いてある。
同じホームの両側に新幹線「つばめ」と在来線「リレーつばめ」
787系電車。20年前はJR九州の看板電車「つばめ」だった。座席の網棚替わりに飛行機のようなドア付きの荷物入れ,飛行機同様の読書灯,立食ながらビュッフェがあり,「つばめレディー」という乗務員も配置され,東京者を感激させていたものだ。