くん、おねえちゃん！

１０がつに、“おとうと”がうまれてきた。
よる、ねてたら…ママが「フーウン！フーウン！」って、ぼくの“おふとん”でいってた。
おおいそぎで、“あかちゃんのびょういん”にいった。
くるまのなかで、ママは「フア～、フア～…」って、となえてた。
パパ　　「まだだよ～、でてきちゃダメだよ～…あ、ママ、“かんぱい”のジンジャエールもってきた？」
ママ　　「ウウウ～、バックんなか…」
パパ　　「それどころじゃないよね～ハハハハ…」
ママ　　「フア～フア～、だいじょ～ぶ、だいじょ～ぶ…」
おにい　「ねえ、なにが“だいじょうぶ”なの？」
パパ　　「あかちゃんを“あんしん”させてあげてるんだよ」
ぼく　　「ママ、だいじょうぶ？」
ママ　　「フア～フア～、だいじょ～ぶ、だいじょ～ぶ…」
みんなの“おはなし”は、ぐちゃぐちゃだったけど…“あかちゃんのびょういん”についた。
１０ぷんご…パパとママのあいだから、“おとうと”がでてきた。

ぼくたちは“４にんきょうだい”になった。
パパは“ありがとう”という“きもち”になったって。

ぼくたちは、まいにち“あかちゃんのびょういん”にいった。

ぼくは、まいにち…ないた。
１にちめ　「ママ、いっしょにかえる？」
２にちめ　「ママ、サンダルはいて！」
３にちめ　「くんも、ここにいる…」
４にちめ　「ママ、“あくしゅ”してかえる…」
ぼくも、かなり“せいちょう”した。
“おうち”にかえってから、ママにいった。
ぼく　「ママ～、くんね、“おねえちゃん”になった！」
ママ　「…？」
ぼく　「くん、“おねえちゃん”！」
ママ　「そっか、“おにいちゃん”か」
ぼく　「“おねえちゃん”！」
ママ　「ま、いいか」
さいきん、トイレのなかから「フア～フア～」っていう“こえ”がきこえてくる…
おねえちゃんが“れんしゅう”してるらしい。
“おんな”って、たいへんだな。