教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

家庭内すれちがい

2015-09-12 20:16:01 | 経済/経済/社会
わたしの父は、子供(つまりわたし)に対して良かれと思ってしたことが、わたしが思いつくかぎりあらゆることが全て裏目に出てしまったという、ちょっとした能力者でありもする。

たとえばだ。
わたしが小さいころ、父は積み木みたいなので遊ばせたかったらしく、電気のおもちゃが大嫌いだったので一切買い与えなかったらしい。
どうしてそういう判断になったのかはわからないし、恐らく聞いても理解できないが、それはとりあえず置いておこう。
しかしそんなこととはつゆ知らずプラレールを買い与えた祖母。
父は怒りちらしたらしい。
だが、当の我輩はそんなおもちゃを初めて買い与えられたためかプラレールが大のお気に入りになり、そればっかりで遊んでいた。
ついには大人になっても電気のエンジニアになってしまったとさ。

・・・こんな逸話ならいくらでも、それこそ1日1本ペースで1月くらいblogネタで提供できるくらいあげられる。

だが、べつにダメな親だと言ってるのとは全く違う。
「俺の背中を見て生きろ!」としている分にはカッコイイんだが、
腹のほうを向けたときはどうにもうまくいかん…という感じだろうか。



まあこんなすれ違いも子育てが終わって別々に暮らすようになれば関係なかろう。

・・・と思っていたところだな。

そんなことは全くなかったのだ。



わたしが就職して数年たったころのことだ。
父がやたらめったらお見合い話を持ってくるようになった。

客観的に見ればありがたい話だということで終わる。
だが、実情はそうではない。

父が何から何まで既に決定してしまい、断ると相手に失礼になるレベルで段取りが決定された後になってようやく我輩に連絡が来るのだ。
それが何度も何度も。

采配を振るうのは父だが、わたしに連絡をよこすのは決まって母である。

Q.名前は?
A.お父さんの知り合いの○○さんの娘さんだから名字は○○さんだと思うけど、下の名前まではわからない

Q.歳は?
A.お父さんは○○歳くらいじゃないかって言うけど、確認するものがないし、お父さんのことだからねぇ…

Q.職業は?
A.それだけはわかる

Q.どんな感じの人?
A.お父さんは会ったこともないのに良い感じの人って言うけど全くわからない。その娘さんのお父さんには会ったことがあるけど、その人は良い感じの人だった…っていっても何の参考にもならないわねw

Q.写真は?
A.いつものように無いよ

Q.なんでその人になったわけ?
A.お父さんが決めたことだから…

Q.いつもお見合いが決定する前に連絡しろって何度も何度も言ってるのに何で俺の希望を一切聞き入れる気がないわけ?
A.お父さんには言ってあるけど…。また言ったほうがいい?

・・・とまあ、こんな感じである。



なんでこんなことになったのか?

最近わかったのだが、どうやら父はあせっていたのだとか。

母によると、父は長男(わたし)が次男より先に結婚するものだと思っているらしく、弟が嫁候補(現嫁)を家に連れてきたときから急にそうなったのだとか。

なんで長男が次男より先に結婚するものだと思ったのかはわからないし、恐らく聞いても理解できない。
しかし、ありがた迷惑極まることに
「長男の嫁は俺が見つけてやらねば!」
と、さぞ使命感に燃えたぎったのだろう。

これも父が良かれと思ってしたことが裏目に出た典型例である。



これには後日談その1とその2がある。

まずその1から話そう。

これもずいぶん後になってから母から聞いたことなのだが、どうやら父は一向に結婚したがらない長男(わたし)を見て、
「俺が家庭っていうものは良いものなんだって見せてあげられなかったからなんだろうな…」
などとこぼしているらしい。

その結果がこれかよwww
本人はほんの少しもそんな風には思ってないわwww



後日談その2。

実は最近はこのありがた迷惑なお見合い話はぱったりと来なくなった。
ふと気になって(やぶ蛇になりうるから父には聞かないが)母になぜそうなったのかと聞いてみた。
すると、全く思ってもいなかったような答えが返ってきた。

「最近離婚したってカップルが多いじゃない? だから『本人が望んでいないのに親が無理やり結婚させてもかわいそうだよな』って思ったらしいよ」

・・・えっと。
さすがあらゆることが裏目に出る特殊能力者。

「そんなことを無理強いさせるようなら、その前にこの家とは縁を切るから、無駄な心配はせんでええわい」
と答えたら、母はあんたならそういうだろうねみたいな感じだった。



いまここまで執筆してみて、これと同じ現象をもう1つ思い当たることに気がついた。

わたしが子供のころ、父は体罰をしていた。
これは別に変ではない。
一般家庭でふつうにあってもいいくらいで、そこは今回問題にしてない。

だがあるとき突然その体罰をやめた。

なぜか?

実は、わたしが中学時代に異常に粗暴になりはじめ、
「自分が体罰をして育てたから他人にまでそう振るうようになったのか…」
なんてまた勘違いしてやめたんじゃないか。
なんかそんな気がしてきた。



そんなかんなで父は会社の役員でもあれば頼もしい感じの背中を見せる漢だが、逆にいえば話し合いが不可能な世紀末覇者的な感じの人でもある。
面倒なので途中からはクッション材として母を介してでないと重要事項を話さないようにしてきたし、父もそうしたがっている感じだが、それがコミュニケーション不足を助長してしまい、ますますおかしなすれちがいが起きてしまった可能性がある。

今にして見返しても家庭って難儀なもんですな。






追伸:

その開催が決定した後に連絡がくるお見合いだが、1度だけ相手に失礼でもかまわずに断ったことがある。

「平日の夜に広島のホテルでお見合いを開催することにしたから群馬から帰ってこい」
などと言いだしたときのことだ。

わたしは
「広島でお見合いすることになったのはもうかまわんから、本人不在であんたらだけでお見合いしてくれ。父さんが結婚を前提におつきあいすることにしたのかどうかだけ後でこっちに連絡よこしな」
と返した。

はっきり憶えてないが、それが最後だったかもしれん。