むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく
―井上ひさし (チャップリンの映画を観ていて思いついた言葉)
早稲田松竹でチャップリンの映画特集をしてたので観に行く。
年末っぽい。ワクワク。
『黄金狂時代』と『独裁者』の二本立て。
どちらも、監督・脚本・主演チャールズ・チャップリン。
『黄金狂時代』
飢えや孤独などに翻弄されながら、
黄金を求めて狂奔する人々を描いた1925年製作のアメリカ映画。
(今回の上映作品は、1942年にナレーションをつけて再公開されたサウンド版)
空腹のあまり靴をゆでて食べたり、
ロールパンにフォークを刺して足に見立て、ダンスを披露するシーンなんかが有名。
そのロールパンダンスをするのが(夢だけど)、ちょうど大晦日なので、
時期的にピッタリ。
あちらでは、大晦日のカウントダウンに『蛍の光』歌うんだ~って思ったり、
女たちにからかわれてることに気づかず、
心唄うチャップリンは、笑いどころなんだろうけど、見ててせつなかったり。。。
あと、ニワトリの被り物が、すごいかわいい。
熊もかわいい。
映画館には小さな子供も来てたんだけど、
その子たちがキャッキャ笑って観てたのが印象的だった。
チャップリン的な、ドリフ的な、大きな動きの笑いって、
とにかく子供ウケがいいのね。
ディズニー映画『アナと雪の女王』で同時上映されていた
短編『ミッキーのミニー救出大作戦』も子供たちが大爆笑してたし。
そして、
『独裁者』
アドルフ・ヒトラーの独裁政治を批判した1940年公開のアメリカ映画。
チャップリン映画初の完全トーキー作品。
独裁者ヒンケルと隣国の独裁者ナポロニが、
握手と敬礼でワチャワチャするシーンの度に、
アンガールズの「ジャンガジャンガ~」が頭をよぎって大変だった・・・
ちなみに、
最後の名スピーチ直前の、壊れた椅子を交換する場面でも
「ジャンガジャンガ~」ってなる。笑
その椅子の場面では、シュルツ中佐役の俳優さんが
素でおもしろくなって笑っちゃってるようにみえて、余計笑える。
ヒンケルがダルそうに敬礼を返す仕草や
地球儀のバルーンで遊ぶシーンがちょっとかわいい。
公開当時のアメリカは、ナチの戦争とはまだ無縁で平和だったみたいだけれど、
よくまぁ、進行形の他国の政治を、あれだけボロクソに非難できたもんだわ。
すごい。
・・・と、思ったけど、
今でいうところの、北朝鮮映画『ザ・インタビュー 』みたいな感じ?
『独裁者』を観たヒトラーは何を思ったんだろうね。
てか、1940年の段階でチャップリンに散々ディスられてんのに、
この後もグイグイ政策を進めていったヒトラーやナチス・ドイツがすごいのか?
でもやっぱり、
自分の怒りや主義主張を「笑い」に変換して表現したチャップリンがすごい。