見ないフリ

一時的な対応策にしかならない現実逃避をずっとするブログ

新聞記者

2020-06-10 | 本と漫画と映画とテレビ
物事、死人が出なきゃ成功なのだ。
-奥田英郎『町長選挙』より


相変わらず、Amazonプライムビデオに言われるがまま
アメリカの社会派映画を見ています。

この間おすすめされたのは、『評決のとき』という裁判?映画。
その中でマシュー・マコノヒーがサミュエル・L・ジャクソンに向かって
「僕はバッド・ガイだろ?」というシーンがあって。

でちょうどそのとき、同時に流し聴いていたラジオから
ビリー・アイリッシュの『バッド・ガイ』が流れてきて
そのタイミングの良さにひとりで大興奮。

ここ最近のビッグ・ニュースといえばこれくらい。

あと、非常事態宣言が解かれたので、
しばらくぶりに映画館へ。

今更ながら、映画館って贅沢な空間ですな〜。
映画館サイコー。

コロナ対策のため、
上映回数を減らして、毎回消毒をして
2席分の間を空けて・・・いろいろ徹底されていた。

観る方はめちゃくちゃ快適で良かったけれど、
これで儲けはあるのかしら?と勝手に心配してみたり。

今回は、タイミングを逃して観そびれていた映画をやっと観賞。



『新聞記者』(2019年 日)
監督:藤井道人
原案:望月衣塑子「新聞記者」
音楽:岩代太郎
出演:シム・ウンギョン、松坂桃李 他

新聞社の社会部で働く若手新聞記者と、外務省からの出向で内閣情報調査室に勤める若手エリート官僚との対峙と葛藤を描く社会派サスペンス映画。第43回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞。


ここ2〜3年の政権スキャンダルの総まとめ。
もしくは、昨今の政治ニュースをギュッと2時間、
別の視点(妄想込み)からダイジェストでお送りしました、という感じ・・・?

いや、完全フィクションなのだけれど、
加計学園・森友学園問題、元TBS報道記者によるレイプ事件、それらにまつわるエトセトラ…。という様に、オマージュ元?の出来事が容易に想像できて、
普段ニュースをあまり見ない私でも「このニュース聞いたことあるある〜!」となるものばかり。(そのせいか、大学を生物兵器の研究施設に〜という話だけがやや唐突…)

ちょっと前に話題になっていた、
内閣広報室がテレビ番組を監視しているという眉唾なニュースや
警視庁から内閣官房に出向していた職員が、武漢からの帰国者受入れ施設で自殺するという悲しいニュースなんかも思い浮かんだり浮かばなかったり。

ついでに、シム・ウンギョン演じる新聞記者を文春記者に置き換えるか、
もしくは賭け麻雀をする新聞記者を登場させれば、より現実味が増すなぁ。
なんてしょうもないことを考えてみたり。

ただ、もし現実世界でも、エリート官僚が指示された意見をSNSに投稿したり、
無意味な相関図を作って流しているとすれば、こんな悲しいことはない。
なんというか他人事ながら、とても虚しい仕事だわ…。

そして、あのラストは一体どういうことなのか。
うーん。

アメリカの社会派映画に毒された身としては、
「記者に協力するって決めたんなら、ウォーターゲート事件のディープ・スロートみたくうまくやれよー!何泣いてんだよーふざけんなチキン野郎!」
と松坂桃李に罵声を浴びせたくなるけれど、
彼は結局、新聞に名前を出すことを止めるんだろうなぁ…。
子供も生まれたし、外務省にも戻りたいし、しょうがないよね…。

松坂桃李はあてにならないので、
ここはもう新聞記者のシム・ウンギョンが、独自取材で証拠を固めて固めて
何の忖度もない客観性のある記事を書くしかない…!