いい歳して、敏感でいたくない。
―太田 光
(2015.6.23 ラジオ『爆笑問題カーボーイ』にて)
『COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック』
1994年、27歳でこの世を去ったNIRVANA(ニルヴァーナ)のフロントマン、
カート・コバーンについてのドキュメンタリー映画。
監督:ブレット・モーゲン
製作総指揮:フランシス・ビーン・コバーン(←娘な)
音楽:カート・コバーン、NIRVANA
「1週間限定上映」という煽り文句に釣られて
うっかり観に行く。ミーハー心炸裂。2200円!高い!
才能も人気もお金も美貌もあって、
妻も1歳8カ月のかわいい娘も居るのに、これ以上何が不満だったのか・・・
人間て不思議だわね。
全体の雰囲気は1998年のドイツ映画『ラン・ローラ・ラン』。
(音楽とアニメと実写と赤毛がテンポよく混ざっているということ)
監督は映画の中で『ピンク・フロイド ザ・ウォール』が好きって語っていた。
映像に合わせて、超メジャー曲『スメルズ・ライク~』から未発表曲までが
BGMとして大音量でガンガン流れるので、
お酒を片手に、そのつまみとして観ると楽しいのかな?
ビートルズの『And I Love Her』のカバーにキュンキュンします。
そんで、やっぱ、顔面。顔面が最強。
イケメンは正義。要するに、イケメンは正義なのです。
(あれ?同じこと2回言ってる?ウフフ)
さらにね、猫を飼っていたみたいで、
やたらと猫と一緒の映像や写真が登場するんだけども(しかも子猫!)
もう、子猫とイケメンて!鬼に金棒!弁慶にナギナタ!これはいけませーん!!
あと、映画には未発表の音源だけでなく、カート・コバーン自身が残したメモや絵が
大量に映像の中に組み込まれてて、ものすごく書いて描き残す人だったのだなぁ。
っていう。そんな感想。
育った環境が複雑だったからか、幼少期からADHDだったからか、
薬中だったからか、何かとこじらせマンだったからなのか・・・
とにかく、とっても繊細な人だったんだろうね。
「僕の場合、人間が好きすぎるんだと思う。
あまりに好きだから、あまりに悲しくなってしまうんだ」
(by カート・コバーン)
だってさ。優しいね。優しいが過ぎるわ。
この感じで今も存命だったら、いろいろ大変だったことでしょう。
なにかとめんどくさそう。なんとなく。
晩年のシド・バレットみたく、太ってハゲちらかしてたかもしらんし。
Wish You Were Here。。。
なんつうか、娘のフランシスには申し訳ないのだけど、
彼は絶頂期に死ねてよかったんじゃないの?
GGアリン的に言うなら
「自殺はその人が絶好調にある時にだけやるべきだ、
なぜならそうすれば(最も弱い時でなく)
最も力のある時にあの世に行く事ができるからだ」
っていうか。
同じ27歳で死んだジミヘンは
「死ぬってことで初めて生の意味があるんだ。
何らかの価値がある人間だと思われる前には、
一度死んでみなくてはいけない」つってたし。
まさに、遺書?の
「錆びつくより今燃え尽きる方がいい」ってやつ。
(ニール・ヤング『ヘイ・ヘイ・マイ・マイ』の歌詞の一部)
つっても、映画の感じだと、
芸術家にありがちな才能の枯渇を嘆いての死ではなく、
もともとの愛情不足&情緒不安定だったところに、
妻の浮気未遂が引き金となって・・・ということみたいだったけど。
なにはともあれ、伝説になれましたね。
あ、映画の見どころとしては
娘のフランシスが生まれてからの映像がかなりイイ!必見。
重度の薬物中毒者によく見られる赤い斑点を顔に浮き上がらせた
ジャンキー夫婦(カート・コバーン&コートニー・ラブ)が
愛情たっぷり、ときに危うく愛娘をあやす姿がただただ微笑ましいのです。
笑顔になれる、家族の映画。
まぁ、元妻コートニー・ラブが再注目されたくなって、
映画作っただけじゃね?なんて、ひねくれた見方もしちゃうわけですが・・・
死人の時間は止まってるけど、こっちは前に進んでんだ!ってことです。適当。笑