見ないフリ

一時的な対応策にしかならない現実逃避をずっとするブログ

内田百

2011-09-28 | 本と漫画と映画とテレビ

全然わからん。

内田百の短編集を借りて読んでいるんだけど、
なんだかよくわからんのです。

数ページで完結する短い話ほどわけがわからん。
なんつうか、意味はわかるんだけどわからん。


例えば『流渦』という作品

口の中に髭が生えたのはいいけどさ、で?っていう。
なにその終わり方。
なんか裏があるのか。
なにかの比喩なのか。
なにが正解なのか。
なにをどう感じ取ればいいのか。

スッとしない。
読後感がスッとしない。
胸がスッとしなくて、何かモヤ~っとしたものが残って、
考えるな感じろとでも言いたげな、
実は正解あるんだけど、これはわかんないだろうなぁ。クスクス。
こうやって作者に試されている感じ。


時々、意味のわかる話もある。

『餓鬼道肴 目録』
食べたいものをノートに書き出したんだね。わかるわかる。

『琥珀』・『風の神』
中勘介の『銀の匙』風味で微笑ましい。

『遠洋漁業』
絵本『こぶたはなこさんのおべんとう』的でかわいい。


わかるのはわかるけど、
わからないのは本当にわからない。心のやり場に困る。


話の雰囲気は、
今市子の漫画『百鬼夜行抄』を彷彿させ、ほんのり怖くてほんのり不思議。

土手を歩いていたら、向こうから顔色の悪い女がやってきて
「一緒に参りましょう」とどこかへ連れて行かれたり、(『花火』)
トンカツ屋で旨いトンカツを食べていると、
いつの間にか周りの客がみんな洋服を着た犬や狐だったり、(『東京日記 その六』)
死んだ友人の妻が度々決まった時間に訪ねてきては
「夫が生前貸していた本を返してくれ」と云ってきたり。。。(『サラサーテの盤』)

そのうち、
もののけ提灯を持った尾黒や尾白が登場してもおかしくない空気感。



100mo

100


雰囲気は『百鬼夜行抄』で
面白いオーラをぐんぐん出しているんだけど、
あの漫画みたく2度読みでスッキリ!みたいなことが
あんまり起きない。ただ謎が残る・・・

幻想小説ってこういうことなのか・・・?

しかも

訳がわからん上に、
この内田百という人の脳みそはどうなってんのだろうという疑問。
『山高帽子』とか尋常じゃない。
特に、主人公が顔の長い同僚に宛てて出す皮肉の手紙は
ちょっともうザワザワが止まらんかった。・・・ザワ・・・ザワザワ・・・
自分に合うメガネを探すために、
何百個もメガネを万引きしていたという事件を思い出さずにはいられないなにか。



ああ、どうしよう、わからないわからないわからないわー!



ウーマンラッシュアワー的に騒いでみても
バイトリーダーは現れてくれないけど、
このなんだかよくわからない感じが魅力と言えば魅力。

散歩していたら、
いきなり目の前を狐の嫁入りが百鬼夜行が通り過ぎて行ったんです。ただそれだけ。
特にオチはなくて異物を目撃した事実と衝撃だけが残る。
そんな作品が目白押し。



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(百鬼夜行絵巻 原在中 筆)


収斂進化 2

2011-09-16 | 妄想

収斂進化 (しゅうれんしんか) とは・・・


もともとは全く別の種類の生物が、似たような環境で暮らすうちに、
姿形や生態系における立場などが似てくる現象。

生物グループが違うにも関わらず、
住環境が同じなためその身体的特徴が似通ってくるというもので、
例えば、哺乳類のイルカと魚類のサメ、哺乳類のコウモリと鳥類・・・などなど
大小差はあるが、世界中の動植物・微生物の中でみられる。


でね、

人間の文化や技術の世界においても
収斂進化に似たような現象ってあるよね。
出発地点は全く違うんだけど、なんか気づいたら
見た目とか役割が似ちゃってたんだよね、なんてことあるでしょ。

ほら、「ボイスパーカション」と「ヒューマンビートボックス」って、
文化的収斂進化じゃない?


そんな話を前回しました。


今日はその逆、
出発地点は同じだけれど、文化や環境の違いで姿形が変わってしまった
いわば逆・収斂進化のお話。

逆・収斂進化っていうか、普通の進化っていうべき?
ある地点で枝分かれしたものは分化とか種分化っていうのか?
生物に明るくないので、適した用語が浮かばないけども。


イメージを図であらわすと、これ。

Sinka1_2

かなり分かりにくい図ですが、今回も提示します。
文字とか入れてみました。



んで、今回は右の「逆・収斂進化(分化)」の話です。

同じゾウでも、
アジアに住むゾウとアフリカに住むゾウって
体の大きさや耳や頭の形が違ってるじゃないですか。
素材は一緒だけど、場所が変わると完成品が違う。
そういうことが人間の文化や言語の世界にも起きているでしょう、という話です。


ずいぶん前置きが長くなりましたが、
サクッと文化的な逆・収斂進化(分化)の例を挙げていきましょう。


それは、食べ物・料理。


・うどんとパスタとラーメン

小麦粉と水を手にした人間の多様な発想力を
こうまざまざと見せつけられるとぐうの音もでません。
基本の材料はほぼ同じなのに、
場所が違うと完成品がこうも違ってくるのかと感心します。
昔やってたTV番組『電波少年』の「麺ロードの旅」を観てて思った話。


・蕎麦とガレットとピゾケリ(ピッツォケリ)

蕎麦はそば粉を使った日本の麺で、
ガレットはそば粉を使ったフランスのクレープで
ピゾケリ(ピッツォケリ)はそば粉を使ったイタリアの麺。
みんなそば粉料理なのに、この違い。なんかもうドキドキしますね。

後は、

・ドーナツとサーターアンダギー
・お米とベトナムのフォー
・ケーキとカステラ

ちょっと、これくらいしか思いつかないけど、
もっといろいろあるはず。



そして、言語。

言語は基本的に全てが逆・収斂進化(分化)と言えるんだけど、
その中において、時々、
言葉は違っても感じ方は同じなんだと実感できる例があるんで、
そんな特例を挙げたいと思います。


まず、「死の感覚」

日本語で人の死、臨終を 「息を引き取る」 と表現することがありますが、
英語では、それを 「息を吐き出す」(expire) と言うとか。
命は口から出入りしているイメージ。

続いて、「母と海」

三好達治の詩『郷愁』で述べられているように、
日本語では「海」という漢字の中に「母」がいますが、
フランス語では「母(mere)」の綴り中に「海(mer)」がある。
(どちらも読みは「メール」)

注:「mere」は正しい表記ではありません。本来は
  1個目の「e」の上になんか「´」が付く。
  PCでのフランス語表記のやり方がわからんだけです。


最後、「赤子の言葉」

生まれたばかりの赤ん坊は言葉はしゃべれないけれど、
なにかしら音は発する。「マー、マー」とかなんとか言ってます。
んで、その音を聞いた周囲の大人たちは、
「これは、きっと母親を呼んでいるに違いない」と思い、
英語では「mama(ママ)」、
中国語では「??(マーマ)」という表現ができたのだとか。

一方、
「これは、きっとメシ食わせろ言ってるんだな」と思った日本では、
「ご飯=マンマ」となったそうな。

・・・ほんまか?


なんか最終的に、収斂進化とか分化関係なくなっちゃってるけど、
同一のものを目の当たりにした人間の発想力や感覚は
文化や環境の違いで無限に異なってたり、結構似ていたり。
とても面白くて、推測でもこじつけでもこういう話を聞くと胸が躍る。テンションが上がる。


収斂進化

2011-09-12 | 妄想
収斂進化 (しゅうれんしんか) とは・・・

もともとは全く別の種類の生物が、似たような環境で暮らすうちに、姿形や生態系における立場などが似てくる現象。

生物グループが違うにも関わらず、住環境が同じなためその身体的特徴が似通ってくるというもので、例えば、哺乳類のイルカと魚類のサメ、哺乳類のコウモリと鳥類・・・などなど。大小差はあるが、世界中の動植物・微生物の中でみられる。

そして、数ある収斂進化の中でもリスの仲間であるモモンガと有袋類のフクロモモンガの例は、収斂進化の最高傑作のひとつといわれている。

そんな最高傑作のモモンガ(左)とフクロモモンガ(右)

Momo        Hukuro

そして、空も飛べるはず。
モモンガ(左)とフクロモモンガ(右)。 飛びます、飛びます。by 坂上二郎

Momofly    Hukurofly


余談。
他にこの2種によく似た生物で「ムササビ」がいますが、ムササビは日本の固有種でモモンガと同じリス科に属し、モモンガよりも体が大きく、また、飛膜の付き方が異なるそう。


・・・なんていう、ステキで可愛い収斂進化の話を、3年ほど前にフリーペーパーのR25かL25かの記事で知り、同じような現象って人間の文化や道具の世界でもありそうだな~。と思ったんだけど、よい具体例が全然浮かばなくて。

出発地点は全く違うんだけど、なんか気づいたら見た目とか役割が似ちゃったんだよね、というやつ。

で、ようやく見つけました。人間界の、文化的な収斂進化。

「ボイスパーカッション」と「ヒューマンビートボックス」

どっちも打楽器を使わずに、人間の口でリズムを刻むという音楽用語。
ラグフェア(RAGFAIR)のおっくんがやってるのが「ボイスパーカッション」でアフラ(AFRA)がコピー機のCMでやってたのが「ヒューマンビートボックス」という知識しかなく…

てか呼び名が違うだけで、ぶっちゃけ同じものでしょ?と思うわけですけど。

ファッションで言うところのチョッキとベスト、トックリとタートルネック、スパッツとレギンスみたく、ただ言い方を変えて目新しさを出してるだけでしょ?とか思うわけですけど。

ノーノーノー。

私調べによると、実は「ボイスパーカッション」と「ヒューマンビートボックス」はその発生源が違うのだそう。
お互い誕生の起源は違うけれど、技術が切磋琢磨されていくうちになんだか姿や役割が似てきて区別がつきにくくなったという。そんな意味でこの二つは収斂進化と呼べると思うのです。

「ボイスパーカッション」は、宗教音楽から派生した無伴奏音楽・アカペラが由来。
無伴奏のアカペラ演奏にバリエーションを持たせるべく、楽器がダメなら人間の口でドラムやシンバルなどのリズムを入れちゃえばいいのよ☆ってな具合に考え出された技術。

一方、「ヒューマンビートボックス」は、ヒップホップ音楽が由来。
ラップをやりたいけれど、ビートを刻むドラムセットやターンテーブルをそろえるお金が無いという人々が「そんなん、口でやってまえばええやんけ」つって金欠解決のために編み出した技術。
そのため、「ヒューマンビートボックス」ではドラムセットの音だけでなく、ヒップホップ音楽に欠かせないスクラッチ音や機械のミキシング音までが表現されるというわけ。

ステキな収斂進化。

この他にも、「殺陣の残心」と「茶道の残心」
管楽器の「オーボエ」と雅楽の楽器「篳篥(ひちりき)」
「関東のコント」と「関西のコント」

この辺も文化的収斂進化の一例じゃないかと妄想しているわけですが、いかがでしょうか。

てか、文化的収斂進化ってなんだよって話だ・・・書いてて混乱してきた・・・
そもそも、ヒト科に絞った話だから生物グループ違わないし・・・。


次回の妄想は、
出発地点は同じだけれど、周りの環境や文化の違いで姿が変わってしまった、逆収斂進化(?)のお話。

イメージとして、左が文化的収斂進化で、右が逆収斂進化。

Sinnka




毛皮のマリーズ

2011-09-10 | 音楽

6日の朝に仕事の面接に行ったら、
それだけでどどっと疲れちゃったので帰りにカラオケに行きました。

平日のお昼だったので、あまりお客さんもいなくて
ひとりノリノリで喉が潰れるまで口くたびれるまで盛り上がってたわけなんだけど、
途中、近くの部屋からものすごい独特の歌声が聴こえてきて。


あ~この人の歌声、あれに似てるなぁ~
東京FMの番組『ラジオ・ドラゴン』で紹介されていたあの曲、、
その1曲だけしか知らないけど、
バンド名も覚えてないけど、
曲のサビが「メルシールー」みたいな歌詞で・・・
それはねごとの曲か・・・えっと・・・なんだっけな・・・

声が聴こえてくるたび気になってしょうがないんだけど、全然思い出せない。
曲名が出かかってるのに出てこない。気持ち悪い。
手元のカラオケの検索機で調べてみるものの、
ヒントが「メルシールーみたいな歌詞。」だけじゃ、全くわからない。

トイレやドリンク取りに行くために廊下に出ると
なおさら漏れ聞こえる上手いような下手なような独特の声。


メルシールーじゃなくて・・・メ・・・メ・・・なんとかルー・・・


結局、何も思い出せないまま家路についたわけなんですが、
翌日、家でのんびりぼんやりしてる時に思い出した。

「メリールー」だ!!!

そうそう、「メリールー」!

ふぁ~。すっきり。あは体験。


で、なんていうバンドが歌ってるんだ?と思ってネットで検索したら

『毛皮のマリーズ』

彼らは6日の夜に解散を発表したとかで、
Google急上昇ワードに名前が挙がっていて、わざわざ検索するまでもなかったのでした。



という話。





Mary2

(イメージ)


グリー

2011-09-06 | 本と漫画と映画とテレビ

ドラマ『ゴシップガール2』鑑賞の合間に
『glee/グリー』を観始めました。

アメリカの高校生つながりってわけ。ワォ。

――――――――――――――――――――――――――――――――

『glee/グリー』

この物語は、
ある学園グリー部の廃部の危機に戦いを挑んだ教師と生徒たちの記録である。

高校グリー界において全く無名の弱体チームが
さまざまな困難に立ち向かいながら、わずか数カ月で地区大会を勝ち抜け
オハイオ州代表として州大会に出場するという奇跡を通じて、
その原動力となった信頼と愛をあますところなくドラマ化したものである。

♪ 愛は奇跡を信じる力よ~

――――――――――――――――――――――――――――――――

大体上記のようなドラマ。
グリー部が主役のお話で、ときどき、アメフト部とチア部が登場します。
ラグビー部は出てきません。


ところで、グリー(glee)とは?

「自分を解放し歓喜すること」 転じて、合唱部の「合唱」のこと。
本作でのグリーは、歌あり、ダンスあり、
チームで一丸となって芸術性を競い合うパフォーマンスを意味する。
ショー・クワイヤー(show choir)とも。

つまり、
グリー部ってのは「ダンス部+合唱部」、という感じ。


感想。

面白いの一言。
これは、もう、面白いに決まってますやん。


まず、
音楽が登場する作品って、内容の善し悪し関係なく音楽部分だけ観ても
交感神経が刺激されてテンションが振り切れます。

『天使にラブソングを』、『ムーランルージュ』、『ドリームガールズ』、『オーケストラ!』
『ブルースブラザーズ』、『8マイル』、『お熱いのがお好き』・・・


さらに、
弱小チームが困難に立ち向かいながら、強くなるわけ。
友情、勝利、努力、少年ジャンプの三大要素なわけ。
夢にときめけ、明日にきらめき☆ン~バップってわけよ。

『スラムダンク』、『コーチカーター』、『クールランニング』、『ウォーターボーイズ』
『のだめカンタービレ』、『シコふんじゃった。』・・・etc


しかも、
ダンスまで付いてくる。

『サタデーナイトフィーバー』、『リトルダンサー』、『ワンダーラスト』、『shall we ダンス?』、
『スリラー』、『オカザイル』、あとyoutubeで観れるダンスのフラッシュモブとか・・・


もう。
これだけキラキラ要素を盛り込んで、面白くならないわけがない。


いわゆる「ミュージカル」な作品は、
知らない歌を朗々と長々と感情たっぷりに歌って踊るから、
飽きるしオエーッとなりがち。

ところが、

『グリー』では誰でも聴いたことのあるような曲、
(ビートルズ、クイーン、マドンナ、ビヨンセ、ガガ、カニエ・ウエスト、ベック、他)
が1話につき何曲も、しかもギュッと短くアレンジされて
時にはマッシュアップされて登場人物の感情に沿った形で歌って踊るので全然楽しく観れる。

もちろん、王道のミュージカルソングも登場するので、
あらゆる世代、老若男女が楽しめる。

たとえ知らない曲でも歌詞が面白いので楽しめます。
この曲の歌詞はこんな内容だったのかと、お勉強にもなります。

観てると、ひとつはお気に入りパフォーマンスが見つかるはず。


確かに、

1話ごとに音楽シーンがありすぎておなか一杯になるし、
普通の高校にあんなに歌やダンスが上手い人間がそう何人もいるわけないし、
無駄にピアノが上手い髭のピアノマンは何者なのか気になるし、
小一時間の練習で地区大会で優勝できるわけないし、
16歳に見えないし、16歳がアメフト部キャプテン?疑問だし、
レイチェルはパフュームのあーちゃん風ルックスでなんか惜しいし、
ダンス要員のマイクとマットの人物描写がなさすぎてだんだん悲しくなるし、
ブリトニーは回をかさねる度にアホになるし、
クインはスカーレット・ヨハンソンに似てて歌声も可愛くて、激惚れだし・・・

いろいろ思うところもある。

そこで、

「グリーなんか面白くない!もう観ない!ぶっつぶす!」
つって、不良のわたしが体育館に乗り込んだこともあったんだけど、
メガネの人に「大人になれ」って諭されたり、尊敬する監督が出てきたりで、
バスケがしたいです・・・否、グリーが観たいですって
気持ちになっちゃうんだよね。不思議。

そんなこんなで全22話観終わりました。拍手。



各エピソードごとに
グリー部の生徒や顧問は教訓を得たり得なかったりしますが、
全編を通して根底に流れてるのは

Don't stop believin' (信じることをやめないで。)

というジャーニーの曲そのままのメッセージ。贈る言葉。
自分とか夢とか友情とかそういう系のやつを信じることをやめないで、って。


あきらめたらそこで試合終了だし、
ムリだっていうのはいつだってチャレンジしてない奴だし、

自分は何者であるとか幸せかどうかなんてものは、
自身の所属する部活・民族・性別・性的指向、体型や障害、人の意見は全然関係なくて
自分の心が決めるんだって。

幸福の判断は他人からされるものじゃなくて、
自分が満たされていると感じるなら、それが幸福ってやつなのよ。
他人の目なんか気にしてないで、自分を信じて。 

そんなメッセージ。 たぶん。


2次元で恋愛したって、自分が満足ならこんなに幸せなことはないじゃないか。
そんなラブプラスの精神。ジーザス。

What a wonderful world !


Glee


トゥラトゥリ・ハケラウス

2011-09-04 | 生活

寝ても寝ても眠い。
そろそろ布団と一体化するんだって。


頭が羊で体がダチョウのトゥラトゥリ・ハケラウスという
生き物が、わたしに向かって言います。

「お前は今生まれたばかりの赤子だけれど、次に目覚めるのは30年後だよ。」

その言葉を聞いてわたしは思います。

「30歳の体で脳みそは赤ん坊で、果たして生きていけるのかしら。
 しゃべることはできるのかしら。
 てか、
 30年間も眠ってたら、さすがの両親も面倒みきれなくて、
 生命維持装置的なものをはずしちゃって、目覚める前に永眠だな。」



ってところで目が覚めた。

Sheep