檸檬
えたいの知れない不吉な塊が始終私の心をうんぬん、、
そんな梶井基次郎的な気持ちを抱えつつ、
仕事用のノートを買いに
丸の内のオアゾに入ってる丸善へ行きました。
見本用として置いてあるノートの中に
いくつかお客が試し書きしてるものがあったのね。
試し書きって普通、グルグル渦巻きとか
「あいうえお」とかを書きそうなんだけど、
丸善の見本ノートにはみんな意外とちゃんとした文章を書いてる。
「○月×日 雨」
だとか、
「どこどこの何というペンシルにて試し書き、
少しひっかかりがある」
だとか。
試し書いた感想なんかもしっかり書いてある。
きわめつけが、
「私はこのノートの縦書きが欲しいと思う。
子どもの国語のノートにしたいと思うが、
小学生には贅沢だろうか」
つって。
ものすごい達筆な字で書いてあって。
横書きのノートに縦書きで。
ノートの値段確認したら、1冊1400円。
まぁ、小学生の国語のノートにするには贅沢だわな。
なんか、これを書いた人のこととかその子供?孫?のことだとか
いろいろ想像してひとり笑ってしまった。
毎日上手くいかないことだらけだけど、
このノートのカーンと冴えかかった試し書きを読んだら、
不吉な塊は吹っ飛んだわ。 という話。
檸檬爆弾いらずのノート。