見ないフリ

一時的な対応策にしかならない現実逃避をずっとするブログ

シン・ゴジラ

2016-08-12 | 本と漫画と映画とテレビ
企業同様、上層部が変わると、軍も不必要なくり返しをする。
多くは時間の無駄だが、やらねばならないのだ。

―映画『イングロリアス・バスターズ』より


はぁ、忙しい。
はぁ、せわしない。

この夏は、ホント忙しい。

千代の富士は亡くなるし、イチローは3000本打つし、
今上さんは「もう、体力の限界!」って言ってるし。

目まぐるしく変わる世の中のニュースに、もう感情が追い付きません!
(身体は、いたって平穏。むしろヒマ)


そんな中、録りためている深夜ラジオを聴いていたら、
伊集院光が「シン・ゴジラがまぁ面白かった」と言っていて。

「庵野さんのことは、以前から嫌な感じのコメントをする人だなと思っていたけれど、
映画の面白さには、監督の人柄なんて関係ないと改めて感じた。すんごい面白い。
どっかケチをつけるなら、石原さとみがかわいすぎる。チューしてほしい」 

つって、ベタホメ。

ここまで言われたら、観に行かないわけにはいかないでしょ。


翌日、仕事をそそくさと切り上げ、
コンビニで缶ビールとおつまみ竹輪を買って、IMAX上映の映画館へ駆け込む。
前方の中央の席を陣取り、缶ビールプシュッ。 はい、ダメ人間。ギャオーン。




『シン・ゴジラ』

総監督・脚本:庵野秀明
監督・特技監督:樋口真嗣
出演:長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ

2016年公開の日本映画。ゴジラシリーズの第29作で、
『ゴジラ FINAL WARS』以来約12年ぶりの日本製作作品。

現代日本の首都・東京にゴジラが初上陸。
そのとき、日本は? 政府は? 国連は・・・? というお話。

「初」というのがポイントで、
映画の中では、水爆実験で誕生した初代ゴジラの記録やゴジラ神話なんぞ存在しません。
人類はゴジラと初対面。マイファーストタイム(石原さとみっぽく)。


いや、ホント面白かった。
なにがいいって、やっぱ音楽がいい。
「ゴジラのテーマ」も「怪獣戦争マーチ」もすごくいい。原点にして頂点。
こんなかっこいい曲を62年も前に作った伊福部昭はやっぱすげーなと、再確認するのです。

あと、「シン・ゴジラ」「終」の字体もすごくいいし、
過去のゴジラシリーズの特徴であろう着ぐるみ感や特撮感を尊重して、踏襲しつつも、
「ゴジラ」というテーマを新解釈で再構築する姿勢は、
DEVOの「Satisfaction」、トム・フォードの入った「グッチ」に
匹敵するといっても過言ではないでしょう。(言いすぎ!)

そう、「シン・ゴジラ」はまさに、
「新・ゴジラ」「神・ゴジラ」「新感覚・ゴジラ」「進化系・ゴジラ」なのです!!
(何をエラソーに言っているのか・・・?)


ケチのつけようのない映画だけれど、
しいて難癖をつけるのであれば、トム・フーパーの『レ・ミゼラブル』ばりに
顔のアップが多い作品だったので、俳優のドーランや毛穴が気になった。かな。
(これは、IMAXの綺麗な映像で観たせいかも)

あと、不眠不休で働く対策本部の人たちが、つねにワイシャツ&スーツなことも気になる
(ネクタイ姿もチラホラ)。で、そのワイシャツが全然ヨレヨレにならない。
首回りとかもっと黒くなってもよさそうなのにさ。
長谷川博己は頬がコケたり戻ったり。ヒゲは一瞬伸びる。

政府や自衛隊の対応はかなりリアルらしいのだけれど・・・
そっちはリアルを追及するのに、こっちはいい加減すぎない? っていう不思議感覚。

「起きぬけの顔がさわやかな映画は説得力がなくて嫌い」

そんなことを言ってたのは、メリル・ストリープがだったっけ。
まぁ、ゴジラ自体が虚構だからいいのか。


んで、せっかくシネコンに来たので
前から観たかった『トゥーヤングトゥーダイ』も鑑賞。勝手に2本立て!



『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』
監督・脚本:宮藤官九郎
出演:長瀬智也、神木隆之介、尾野真千子


ゴジラからのマザーファッカー。
・・・なかなか感情が追い付きません。
でも、どっちにも出ている古田新太。

感想は、なんていうか、、もう、むちゃくちゃ。笑

よく映画にしようと思ったなぁというクドカンへの畏敬の念。それだけ。
あと、長瀬智也があいかわらずかっこいい。なんなんだろう。鬼のくせに。
あんなチョーキングするジャニーズ、ありなの?

皆川猿時演じるじゅんこちゃんも、石原さとみばりにかわいかったし、
トイレのシーンは『トレインスポッティング』みたいでかっこよかった。
音楽もいいし、チャーとよっちゃんのギター対決も見ものだったけれど・・・。
さすがに、ゴジラ後の地獄はちょっとしんどい。
なんだあの岩・・・あの腕・・・鬼野楽器・・・。や、やっばぃぃ・・・。

ま、ね、ゴジラに撃墜された首相や閣僚たち、
ヤシオリ作戦で犠牲になった第一陣の人々も、
ヘルズのいる地獄か便器のある天国へ行ったんだと思うと、ちょっと安らぐ。

なかなか濃い2本立て。。。

なんていうか、前例がなくたって、
自衛隊は巨大不明生物に対して武器を使用するし、
地獄から天国へも行けてた。
最終的にやるんだし、できちゃうんだし、不要なくり返しならやんなくていい。