「樋口一葉ゆかりの人々」展を見るために、台東区立一葉記念館に行ってきました。
一葉記念館には以前にも訪問したことがありますが、現在公開中の特別展「樋口一葉ゆかりの人々」展のポスターに一葉の父・樋口則義の写真が掲載されていたので、未知の史料に出会えるかと思い、再訪しました。
樋口則義は天保元年(1830)、甲斐国山梨郡中萩原村の農家に生まれています。
幼少の頃より学問を好み、秀才の誉れが高かったといいます。
地主の娘との結婚を許されなかったことから2人で江戸へ駆け落ちし、蕃書調所の小使となります。
夫婦共働きでこつこつと金を貯め、慶応三年(1867)、南町奉行所同心株を百両で買い取り幕臣となりますが、その年のうちに幕府は瓦解し、奉行所は廃止となってしまいます。
維新後、東京府に出仕し権少属となっています。
明治十年(1877)、警視局雇となり後に警視庁警視属となっています。
そのため私は樋口則義について調べています。
私は現在、川路利良大警視邸跡に建つマンションに住んでいるので、一葉記念館までは自宅から徒歩5分です。
実際、川路大警視と樋口一葉はご近所でした(一葉記念館の地図では7軒隣)。
「樋口一葉ゆかりの人々」展では期待通り、山梨県立文学館から借りてきた樋口則義の史料も展示されていました。
樋口則義コーナーの説明パネルには「作家・一葉の原点を作った最愛の父」と書かれており、樋口則義の万延元年8月15日から12月30日までの日記や写真、樋口則義の死について記した一葉の日記が展示されていました。
樋口則義の日記には、「水戸前中納言(徳川斉昭)御没」など職場で見聞きした噂話や「月代致候」など自分の身の回りのことが記されていました。
一葉記念館見学の後は、すぐ近くにある一葉煎餅でせんべいを買いました。
そこには、「メロン」と呼ばれている、でかくて肉付きの良い看板猫がいました。
「樋口一葉ゆかりの人々」展は12月25日(日)まで開催しています。
また11月20日から23日までは一葉祭で、開催期間中は入館無料になるそうです。
※写真は一葉煎餅と、看板猫のメロン