大正3年3月27日生まれの先輩Iさんとても元気だった。百歳の人生の金字塔を建てたためか、静かな中に、いっそう意気軒昂なものを感じた。その昔人生は、50年といわれたがIさんは、その倍を生きてこられてきている。ご子息夫妻の車でホテルまで僕らを迎えてくれたIさんは杖もついていない。舘山市内の地元の人たちが行く小さな寿司屋さんで、地種のお寿司をご馳走になったが、百歳とは思えぬ健啖ぶりで、聞けば僕と同じ「介護1」で、週に2回ディサービスの世話になっているだけとのことだ。
10年一昔というが、Iさんが生まれた10昔前はどんな世界だったのか調べてみた。この年第一次世界大戦が勃発し、わが国もドイツに宣戦布告している。国内では桜島が大噴火して大きな被害が出ている。”汽笛一斉新橋”だった鉄道が東京までのび東京駅が完成している。(写真)国民的な唱歌「故郷」が発表になったのもこの年だ。
Iさんは先の戦争では給水部隊の一兵卒として中国戦線からマレーシンガポール上陸作戦に参加、さらに豪北のアラフラ海の孤島で3年間もジャングルの中で飢えと戦いながら防人をしていた。戦後は戦争中の体験から、南方から留学生を招き、国際親善の仕事につき、一方では亡くなった戦友を祀る靖国神社の奉賛会の会員で春秋の例祭には必ず参詣している。
先輩は身体的には必ずしも強壮な人ではない。昨年99歳の時、若い時かかった結核が再発して入院もしている。が、かえって一病息災がよいのかもしれない。長寿の秘訣について尋ねたら、先輩は自主出版された俳句誌「流水のこころ」をくれた。その中の句を紹介させていただく。
□ 諦めし朝顔の芽いでにけり
□ 春埃り潮騒つづく段葛
□ 生きること巨木たのしむ黄葉紅葉
10年一昔というが、Iさんが生まれた10昔前はどんな世界だったのか調べてみた。この年第一次世界大戦が勃発し、わが国もドイツに宣戦布告している。国内では桜島が大噴火して大きな被害が出ている。”汽笛一斉新橋”だった鉄道が東京までのび東京駅が完成している。(写真)国民的な唱歌「故郷」が発表になったのもこの年だ。
Iさんは先の戦争では給水部隊の一兵卒として中国戦線からマレーシンガポール上陸作戦に参加、さらに豪北のアラフラ海の孤島で3年間もジャングルの中で飢えと戦いながら防人をしていた。戦後は戦争中の体験から、南方から留学生を招き、国際親善の仕事につき、一方では亡くなった戦友を祀る靖国神社の奉賛会の会員で春秋の例祭には必ず参詣している。
先輩は身体的には必ずしも強壮な人ではない。昨年99歳の時、若い時かかった結核が再発して入院もしている。が、かえって一病息災がよいのかもしれない。長寿の秘訣について尋ねたら、先輩は自主出版された俳句誌「流水のこころ」をくれた。その中の句を紹介させていただく。
□ 諦めし朝顔の芽いでにけり
□ 春埃り潮騒つづく段葛
□ 生きること巨木たのしむ黄葉紅葉