「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「花子とアン」と銃後の小国民

2014-04-02 06:23:32 | Weblog
NHKの新しい朝の連続ドラマ「花子とアン」が始まった。初日の関東地区の視聴率は21.8%となかなか出足がよいようだ。ドラマは昭和の初期,カナダ人作家モントゴメリーの小説「赤毛のアン」などの翻訳家として知られる村岡花子さんの半生を扱ったものだが、戦時中”銃後の小国民”だった昭和1ケタ世代には、村岡さんはNHKラジオの「子どもの時間」(のちに「小国民の時間」)のおばさんとしてのほうが有名だ。

村岡さんは、まだラジオの創生期であった昭和7年から17年まで10年間も夕方放送されていた「子どもの時間」に出演、子供向けに易しくニュースを放送していた。ラジオが唯一のニュース源であり娯楽であった当時である。その時代の子供たちはみな、村岡花子さんの名前を知っていた。とくに番組の最後に村岡さんンがいう”さようなら、ごきげんよう”という独特のアクセントの言葉は今でも覚えている人が多い。

村岡花子さんは明治26年6月、甲府の生まれ。ドラマは今幼児期から教育熱心な父親の影響をうけて上京するまでをやっているが、その後彼女は東京の品川の城南小学校を卒業、ミッション.スクールに入学、英語をマスターし翻訳家としての道を進むのだが、たまたま僕の亡母が村岡さんと同年生まれだけに明治のこの時代の女性の考え方がよく解かるし、母も同じ品川の小学校を卒業しており親近感がある。

「小国民の時間」のテーマ音楽は、当時占領下にあった、南方(マレー、インドネシア)の民謡「ノナ.マニス」と「ラササヤ」を編曲したものであったことを後年知った。村岡花子さんの当時の「小国民の時間」のお声が残っていたら、ドラマのどこかで「ノナ.マニス」「ラササヤ」のテーマ音楽とともに聴きたいものである。

最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
昭和 (chobimame)
2014-04-02 15:46:07
この1~2年、テレビドラマや映画などは、昭和を感じさせる物が増えたように思います。
なぜなのでしょうか?
ただ昭和の話は、なんとなく郷愁をそそられるというか、観ていて安堵感があったりします。
余談ですが、「小さいおうち」の監督さんのインタビューを反原発運動をしている知人から聞きましたが、今は戦前の日本と雰囲気が似ていて、このままだと日本は特定アジアと戦争をしそうな空気だと、いささか強引な持論展開に驚きました。映画を観て戦前の空気と、今の空気が似ていると気づいて欲しいとの意図があっての映画だとしたらガッカリだと思いました。
そんな意図があって「花子とアン」は作られてい
返信する
Unknown (chobimame)
2014-04-02 15:48:04
すみません。変なところで切れてしまいました。
そんな意図で「花子とアン」は作られていないと思います。
1505
返信する
再度訂正 (chobimame)
2014-04-02 15:51:25
「小さいおうち」の監督でなく、女性脚本家のインタビューです。
知人の属している反原発運動の会が、プロパガンダ的に発信している情報なので、歪曲している可能性はありますが…
返信する
昭和の評価 (kakek)
2014-04-02 18:21:21
chobimame さん
僕らは戦争中に少年少女時代を送り、悲惨な体験をしています。その体験からも、二度と戦争は起こしたくありません。戦後生まれの世代とて同じだろうと思います。戦争に至るまでの空気は知りませんが、今の日本国内の空気が、同じようだとは思いません。日本人はそんなに愚かとは思いません。
村岡花子さんは戦争中、大東亜文学者協会に加盟しており、戦争遂行協力者だという評もありますが、戦争画の藤田嗣治画伯も同じです。あの時代は国民皆が協力しました。それが当然だと思います。
村岡花子さんの時代は、小学校尋常科は4年が修業年限でした。このあと東洋英和に入学して英語を学んだそうです。
返信する
戦後の米国が主導した平和が終わった (lordyupa)
2014-04-03 10:09:09
chobimameさん
戦後数十年続いた米ソ冷戦時代は、大国同士の核による抑止力で大戦は防止できました。その代わり、小国での代理戦争は世界中で頻発していました。日本は、平和の代償として、国家の独立を犠牲に、米国の軍事力に守られて、海外での軍事紛争に巻き込まれずにきたと思います。ところが、90年代に冷戦が終了し、共産主義国家が全体主義体制を色濃く残した状態のままで、資本主義国家へと変容し、新興国が台頭するグローバル競争時代が到来しました。米国が世界の警察として各地で起こる軍事紛争を調停する力は弱体化して、東欧、中東、アフリカ、アジアなど内戦や局地戦争は、冷戦終了後に格段に増えてきたと感じます。先般のロシアのクリミア侵攻においても、西欧への天然ガス供給を止められるのが怖いため、実質、欧米は軍事介入することをしませんでしたし、経済制裁も実質効果がありません。
戦争は、日本の空気によって起るわけではないと思いますし、ブロガーの書かれた通り、現在と戦前とは違うと思います。敗戦後のGHQによる洗脳=国連憲章により平和を守れるという欺瞞に、ようやく日本国民も気付き始めたのだと思います。最近の中共の動向や軍拡をみていると、中国こそ日露戦争に勝った日本の時代状況に酷似していて、人民解放軍=共産党一党独裁を基盤とした好戦的で危険な状況だと感じます。米国の力が弱まるなか、日本の平和を守るのが困難な時代がきました。反日教育を、義務教育や反日祈念館で徹底して持続し続ける中国や韓国との軍事衝突を回避しつた、経済依存度を下げて行き、インドネシアとかインドとか反日教育を行っていない新興国との経済交流を強化するような地道な外交と経済政策がいるのだと思います。
返信する
lordyupaさん (chobimame)
2014-04-03 11:29:24
全く仰る通りです。
自衛権は必要です。このような近隣諸国の状態を憲法9条で乗り切れるとの左翼の思考が理解出来ません。
現在の韓国は、南北統一を大々的にテレビや広告で宣伝しているそうです。
現首相は南北統一が悲願なのだそうです。
南北が分裂したのは、日本が原因であるから、南北統一の費用は、日本が持つべきとの刷り込みを国民にしていて、反日教育の成果から国民も同調しているそうです。狂っています!
日本は、アメリカや中韓にとらわれず、仰る通りに他の国に外交を向けるべきです。
日本は変わらないといけない時期に来ています。
返信する

コメントを投稿