作家であり政治家であり都知事でもあった石原慎太郎氏が膵臓がんで亡くなられた。昭和8年(1933年)生まれ89歳であった。6年2月生まれの老生とは1歳違い、学年は2年違うが戦争中、銃後の小国民と呼ばれた世代である。戦時中から戦後の波乱の時代を生きてきた戦友だけに他の世代とは違ったひとしお別
の思いがする感じだ。
昭和31年石原氏が学生時代に書いて芥川賞を受賞した「太陽の季節」は、そのあけっぴろげた青年の性描写、勃起した陰茎で障子紙が破れるかどうかなどの場面が話題になった。当時は若い男女が日中手をつないで歩くだけでも問題な時代であった。後年、実弟、裕次郎主演で映画化去れた「太陽の季節」の出演者のショートカットの髪型が慎太郎刈りなどと言われたのを想い出す。
老生が政治家石原慎太郎として高く評価するのは都知事時代(1999年―2012年の3期ではなかっただろうか。中でも大気汚染解消へ道を開いたジーゼルエンジン規制は高く評価したい。それとコロナ禍のためそれほど成果はなかったが2020東京五輪の招致、東京マラソンで象徴される東京のスポーツ振興ではないだろうか。
石原氏は遺言で葬儀は不要、海へ散骨してほしいとのこと。「太陽の季節」の作家らしい。願わくは,大年増の厚化粧などあの地にいっても悪口言わないことだ。