「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

消えた昭和の東京のお正月風景

2022-01-02 09:12:46 | 2012・1・1
東京は今日も穏やかなお正月日和だが、91歳の老生は89歳の老妻と二人だけで自家製の昔ながらのおせち料理で、三が日のお屠蘇で乾杯した。そのあと老妻は娘夫婦とともに浅草の菩提寺に年賀を兼ねて墓参に出かけた。老生は一人恒例になった箱根駅伝をテレビで観戦,うとりうとりしながら、遠くなった戦前昭和の東京の正月を追憶した。

80年ほど前の昭和10年代だが、戦中戦後の激変の時代を経て、こんなに日本の正月風景が変わったのではないか。想い出すままに言うと、街中に見られた日本髪の若い女性の姿が消え、羽板板遊びなど見られなくなったこと。原っぱで空高くまった凧が見られなくなったこと。隣近所で晴れ着姿で集まって遊んだカルタ遊びなどなくなった。

正月の室内遊びには小倉百人一首に始まり、i犬棒カルタ(犬が歩けば棒に当る)など各種のカルタ、正月独特の双六、福笑い、七並べ、ダウトなどのトランプ遊び、百人一首札を使った「坊主めくり」、将棋駒を山にして崩す将棋倒しなど数かぎりなかった。

お年玉は最高50銭銀貨1枚だった。それを握って「動物合わせ」「家族あわせ」などのゲームカードを買ったり、のらくろの漫画本、駄菓子屋でふだんは買えない大きなキンか糖を買うのも楽しみだった、