「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

サウジアラビアの人たちの想い出と教訓

2017-03-14 06:12:44 | 2012・1・1
わが国への最大の原油国サウジアラビアのサルマ国王が”一族郎党”1000人を引き連れ日本に滞在中である。、昨夕は安倍総理と会談、同国が図る”石油依存脱却”についての、わが国との経済協力文書を発表した。今日は天皇陛下ともお会いになる。サウジアラビアからの国王の来日は1972年のファイサル国王以来47年ぶりとのだが、”一族郎党”一行の規模の多さが今回は特に話題になっている。

1980年代の初め、僕はJICA(当時の国際協力事業団)の仕事で、来日したサウジからの若手官僚30人を引率研修旅行を手伝った。研修の目的は日本の公務員制度だった気がする。たしか、先方からの申し出による事業で、JICAが計画書を作成、僕はこれに従って一行を引率したが、文化習慣の違いから苦労したのを想い出す。

一行は新宿のホテルの宿泊していたが、当時あったJICAの高層ビル事務所を表敬するにもタクシ―を用意してくれという。目と鼻の先だと説明しても理解できない。京都へ研修旅行へ行く際、僕はJICAの規定に従って東京駅までJRの電車で移動したが、折り悪くラッシュ時であった。これに懲りてか一行のリーダーから、自費で払うから新幹線はグリーンに変更してくれと申し出があった。

京都でも、せっかくJICAが用意した観光バスには乗りたくないと申し出てきた。当時、理由がよく解らなかったが、いま思うと、観光コースに神社仏閣が多かったため、宗教上(イスラム)の理由からかもしれない。当時、まだハラル食は日本では普及しておらず、その理由からかもしれない。

テレビでみると、秋葉原の電気街や銀座のデパートは、サウジアラビア歓迎ムードで一杯のようだが、果たして思惑通り行くだろうか。僕がサウジの人を案内してから40年近くがたつが、当時を想い出すと、一行は研修先との時間調整のため、偶然、案内した多摩自然動物園が一番、目を輝かせて喜んだ。今後の両国の交渉の一助になるのではないだろうか。