「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

靖国神社は”War Shrine"(戦争神社)だろうか

2014-01-23 07:15:00 | Weblog
日本の神社について英語では普通”Shrine”と訳す。多分欧米的宗教観から来ているのだろうが、神道を知らない外国人には、その神髄は理解できない。まして靖国神社を”Yasukuni Shrine"といったって解からない。そこで英字紙の中には、読者に解からせようとするためか”War Shrine"戦争神社”と訳している。これでは読者の中には、なにか戦争に関係した施設と誤解する。

インドネシア現代史を研究している若い友人から”一般のインドネシア人は「靖国問題」について、どう思っているだろうか”質問を受けた。ジャカルタで発行している英字紙も靖国神社を”War Shrine"と訳しているそうだ。インドネシア語では普通神社のことを”tempat Suci"とか"Tempat Keramat"(いずれも聖地)あるいはバリ.ヒンズーのお寺を意味する"Kuil"(これは日本語の庫裡と語源が同じという説もある)を使っている。しかし、大部分が一神教のイスラム教徒のインドネシア人にはよく理解できていない。

敗戦から70年近く、日本の軍政を知る世代は年々減少してきている。その数少ない世代の僕の友人、元義勇軍のバンバン.プルノモさん(89)は今のインドネシアがあるのは日本の軍政があったからだと言い切り、もちろん靖国神社についても日本人以上に理解している。しかし、残念ながら、一般の若い人は無関心で、一部の欧米の教育を受けた者の中には、靖国神社にはナチスと同じ戦争犯罪人を祀っていると思っている。一般のインドネシア人はアセアン諸国の中でも最大の親日国なのに残念である。

大阪大学の坂元一哉教授が産経新聞のコラム「世界のかたち、日本のかたち」のなかで”(政府は)靖国参拝の真意の説明が必用”と書かれていたが「戦争神社」では、なんのことだか解からない。英語だけでなく、現地語で現地の人が良く理解できるよう時間をかけてでも外交努力する必要がある。